パレ・ロワイヤルに移転、パリに行ったらカルティエ現代美術財団へ。
Fondation Cartier pour l’art contemporain
カルティエ現代美術財団
[ パレ・ロワイヤル ]

パリの中心で現代アートに没入する。
昨秋、カルティエ現代美術財団は14区からパレ・ロワイヤル広場2番地に移転オープン。舞台は、ルーヴル美術館を正面に望む石造りの建造物だ。
1855年築、フランスの歴史的建造物に指定される建物の外観はそのままに、旧美術館と同様、巨匠ジャン・ヌーヴェルによってモダンな内装へと一新。8500平米の広大な空間は地下1階から2階まで緩やかに繋がり、回遊性のあるユニークな構成。高い天井や中央の吹き抜け、ガラス窓が開放感を演出し、展示内容に応じて自在に組み替えられる構造も特徴的だ。アーティストに呼応する自由な場として、美術館を捉えた建築哲学が垣間見える。

カルティエ財団の歴史は、そもそも「アートの実験と対話を育む場」として始まった。1984年に、現在で言うアーティスト・イン・レジデンスを設立。最初の参加者は、セザール賞のトロフィで知られる彫刻家セザールだった。世界中からアーティストが参加し、多彩なジャンルの作品が生み出されたが、共通するのは自然や科学、移民、異文化など、現代の社会問題に目を向けていること。40年にわたり、参加者が残した作品数は4,500点にも上る。

開幕展では、この圧倒的な所蔵作品から600点を厳選。イタリアのデザインスタジオ、ファルマファンタズマによる会場構成のもと、現代性を反映した4つのテーマで多様な作品を紹介する。注目すべきは、オルガ・デ・アマラルやマシュー・バーニー、ロン・ミュエクなど、近年の個展が評判だったアーティストたちだろう。

また、パティ・スミスやデイヴィッド・リンチによる私的な作品も印象的だ。パリの中心で、より多くの人に扉を開いたカルティエ財団。今後も、多文化が交差する場として育まれていく。
Fondation Cartier pour l’art contemporain
カルティエ現代美術財団
2, place du Palais Royal 75001
01-70-65-47-00
ⓂPALAIS-ROYAL – MUSÉE DU LOUVRE
開)11:00~22:00(火)、11:00~20:00(水~日)、11:00~18:00(12/24、31)
休)月、1/1、5/1、12/25
料)一般15ユーロ
https://www.fondationcartier.com/
★Google Map
- photography: Mari Shimmura
- coordination & text: Momoko Suzuki
- ●1ユーロ=約184円(2026年5月現在)
- ●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。
- ●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅を示しています。
- ●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間やイベントの開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。
*「フィガロジャポン」2026年5月号より抜粋