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FENDI
柴咲コウが触れる、フェンディの受け継がれる創造とクチュールの新章。
マリア・グラツィア・キウリをチーフ クリエイティブ オフィサーに迎えたフェンディが、ローマ国立近代美術館で2026-2027年秋冬クチュールコレクションを発表。同時に、1985年に開催された伝説的な展覧会を再構成した「After – 仕事を通じた歩み/カール・ラガーフェルド1985」も開催され、メゾンの歩みと未来をひとつの体験として提示した。
俳優の柴咲コウがクチュールのショーに出席するためローマを訪問。ショーに加え、フェンディの創造の軌跡をたどるエキシビションも巡り、100年ほどのヘリテージと新たなクリエイションが響き合うメゾンの現在を体感した。

今回が初めてのローマ訪問となった柴咲。歴史と芸術が息づく街を歩き、その印象をこう語る。
「街のどこを切り取っても美しくて、建造物のひとつひとつから積み重ねられた歴史を感じました。美術館で目にした数々の作品やフェンディのアーカイブにも同じ空気が流れていて、昔から紡がれてきたものを大切にしながら、新しい価値を生み出していく。その姿勢が、この街全体に息づいているように感じました」
古代から現代まで異なる時代が溶け合うローマの景色は、フェンディというメゾンのものづくりにも重なって見えたという。

「昔から紡いできたものと、新たに生み出されるもの。その融合の大切さを、エキシビションを通してあらためて感じました」

1985年にローマ国立近代美術館で開催された展覧会を再構成した今回のエキシビションでは、カール・ラガーフェルドが手がけた約2,000枚のスケッチの中から180点を展示。会場には、スケッチやサンプルボード、試作用キャンバス、ファー作品など、クリエイションが形になるまでの軌跡が並ぶ。完成した服だけではなく、その背景にある思考や職人たちが紡ぐフェンディのものづくりに焦点を当てた展示は、フェンディの100年ほどのものづくりの精神をあらためて感じさせる内容だった。

エキシビションでフェンディの創造の軌跡に触れたあとに迎えたクチュールショーで、その歴史が現在へとつながっていることを実感する。100年にわたって受け継がれてきたクラフトマンシップを礎に、マリア・グラツィア・キウリは、しなやかに身体に寄り添うシルエットや軽やかな素材使いで、新たなクチュールの世界を描き出す。カール・ラガーフェルド時代から続くラビリンスのモチーフも現代的に再解釈され、メゾンのヘリテージと新たな感性が自然に響き合う。

「100年という長い歴史の中で継承されるもの、そして革新的で現代的かつ軽やかな感覚で新たに生み出されるもの。その両方が共存したコレクションでした」
歴史への敬意と、未来へ向かう自由な発想。そのふたつが自然に響き合うコレクションは、ローマという街で見た風景ともどこか重なっていた。

なかでも柴咲が印象に残ったというのが、繊細なレースやシルク、レザーといった異なる素材を巧みに融合させたルックだ。
「繊細なレースとシルク、そしてレザーが本当に自然に溶け合っていて、その美しさに目を奪われました。それぞれ異なる質感を持つ素材なのに境界を感じさせず、一着のドレスとして完成されている。その卓越したクラフトマンシップに感動しました」
異なる素材や技法をシームレスにつなぎ合わせる繊細な手仕事は、フェンディが100年を超えて培ってきたクラフツマンシップを象徴するもの。マリア・グラツィア・キウリが掲げる、伝統を未来へつなぐクリエイションの姿勢が、一着一着に息づいていた。
また、コレクション全体からは、「知的で、勇敢で、優美で、繊細。女性が持つ多面的な側面や強さを感じました」と柴咲。ブランドを築いてきた5人姉妹へのオマージュとともに、マリア・グラツィア・キウリからの現代を生きる女性たちへのメッセージも受け取ったという。

ローマという歴史の街で、アーカイブと最新のクチュールを続けて体験した今回の旅。伝統を継承しながらも、そこから新しい価値を生み出し続けること。その姿勢こそが、マリア・グラツィア・キウリが率いるフェンディの現在地なのだろう。ローマで体験したショーとエキシビションは、過去と未来、クラフトと革新が美しく響き合う、特別な時間だった。

フェンディ ジャパン
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- photography: Shoichiro Kato
- video directors: Shoichiro Kato, Maho Kurita
- DP: Takuya