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ディオール バンブー パビリオンで、TAKT PROJECTと一期一会の色に出合う。

Culture

ディオールによる特別なワークショップの第3回が、6月22日の夜、代官山のディオール バンブー パビリオンで開催された。抽選で選ばれたフィガロジャポン読者などを迎え、この日のゲストとして登場したのは、デザインスタジオ、TAKT PROJECTを率いる吉泉聡。パビリオン内でディオールのために手がけた什器について紹介した後、自らが講師を務め草木染めのワークショップを開催。ゲストたちとともにものづくりの時間を楽しんだ。

TAKT PROJECT代表・吉泉聡。手にしているのは、ガラスから作られた繊維。
そのガラス繊維で「カナージュ」を手織りし、焼成後に樹脂に封入したテーブル。

「ガラスを編む、と聞くと、『ガラスって編めるの?』と思われる方が多いと思います」、そう話し始めた吉泉。TAKT PROJECTでは、プロダクトや空間、インスタレーションなど領域を横断しながら、「新しい素材の使い方や、それによってしか生まれない表現を探求しています」と語る。

今年2月にオープンしたディオール バンブー パビリオンで、TAKT PROJECTはディオールのアイコン「カナージュ」をモチーフにした什器を制作。「いろんな素材は細くすると柔らかくなる。万物に共通する法則のようなものがあって、ガラスもそうなんです」。この素材に着目したことから、細いガラス繊維を編んで焼成した後、アクリルへ封入するという独自の技法を考案。そしてこの技法によって生まれたのが、バンブーパビリオンを彩るメダリオンチェアだ。

「時間が止まったような、抜け殻のような感覚を生み出す、この作品は、それぞれの制作過程で膨大な試行錯誤や手仕事、高度な職人技によって完成しています。ほぼ工芸品ですね」

参加者もガラス繊維を手に取り、その不思議な質感を確かめる。
ディオール バンブー パビリオン内に配された、TAKT PROJECTの作品。実際に座ってみることも可能だ。

続いて始まったのは、5種類の植物染料を使ったコースターづくり。白い多孔質プラスチックに染液を落とすと、色は瞬く間に染み込み、水の流れに沿ってゆっくりと広がっていく。

「これから皆さんも体験するとわかると思うんですが、まったく同じものはできません」と吉泉。直接染料を落としたり、水を含ませてから色を重ねたり、異なる色を混ぜ合わせたり。吉泉の実演を交えた説明を受け、思い思いの作品づくりに取り組む参加者たち。桜の染液からはほのかに桜餅のような香りが漂い、春を想起させる。白を染めることに懸命になってしまいがちだが、「どういう余白を残すのかも考えてみるといいかな」という吉泉のアドバイスに、手を止めて作品を見つめ直す人も。

会場に展示された、コースターの作品例。植物ならではの柔らかな色合いが広がる。
まずは小さいサイズのチップを染料に浸けて色づきを試す。この日、用意されたのは藍、桜、蘇芳などの植物から抽出された5色。
色を組み合わせて生まれる、一期一会のグラデーションに心が躍る。
スポイトで染液を落とし、滲ませる楽しみ方も。

「草木染めは初めてでしたが、始めたら夢中になっていました」、「細部まで美意識が行き届いていて感動しました」などといった参加者たちの感想も聞かれ、会場は終始和やかなムードに。 

吉泉のアドバイスを参考に、個性豊かな作品が生まれていく。
染め上がったコースターは仕上げ加工を経て、参加者のもとに届けられる。

ワークショップを終えた吉泉は、「皆さん、本当にお上手でした」と笑顔を見せる一方、「きれいに仕上げるのって結構難しいんですよね。今日、皆さんが上手に作れたのも、決してスタンダードなことではなくて、やっぱり経験値もあると思うんです」と振り返る。さらに今回使用した藍染めについては、「藍染めだけだと色落ちしやすいので、少し別のものを加えています。そういうことも含めて、僕らはいろんな実験をしているんです」と話す。

目には見えない部分にも工夫を重ねながら、新しい素材の表現を探る。この日のワークショップは、そんなTAKT PROJECTの姿勢が伝わってくる内容となった。

次回は、クリエーター、 we+林登志也と安藤北斗をゲストに迎え、ディオール バンブー パビリオンでトークイベントの開催が予定されている。

ディオール バンブー パビリオン
東京都渋谷区猿楽町8-1
営)11:00〜19:00
03-6455-2286

  • photography: Aya Kawachi
  • text: Tomoko Kawakami