緻密な構造美が光るジョージ ジェンセンの新作ジュエリーで、軽やかな遊び心を纏って。

Fashion

コペンハーゲン発のデザインハウス、ジョージ ジェンセンがジュエリーコレクション「Weft by Georg Jensen(ウェフト バイ ジョージ ジェンセン)」を発表。ネックレス3型、ブレスレット3型、ピアス4型の全10型を、全国の直営ブティック及びオフィシャルオンラインスストアで発売。

これらは、2024年にクリエイティブディレクターに就任し話題を呼んだ、パウラ・ ジェルバーゼによる初コレクション。満を持して発表したジュエリーの魅力をインタビュー。

ダブルウィーブ イヤリング¥92,400/ジョージ ジェンセン(ジョージ ジェンセン ジャパン)

創業時からの素材であるスターリングシルバーを用いて製作された新作ジュエリーコレクション「ウェフト バイ ジョージ ジェンセン」は、しなやかな動きを感じさせるデザインが特徴。“織り”を出発点とし、精緻な構造と流れるような動きを兼ね備えたチェーンで構成されている。

核となるのは、あえて構造を露わにしたデザイン。シルバーワイヤーはひとつひとつのリンクへとねじられ、それらを手作業で繋ぎ合わせている。さらに、その内側にチェーンを通して構造を支える技法で、身体に寄り添うテキスタイルのようなニュアンスを表現。

これらのデイテールは、ジョージ ジェンセンのアーカイブジュエリーやホロウェアにも見られる要素で、「シルバーが重さを感じさせることなく空間に存在し、確かな存在感を放つことを可能にする技術です」とパウラ ジェルバーゼは述べる。

ダブルウィーブ ネックレス¥242,000/ジョージ ジェンセン(ジョージ ジェンセン ジャパン)

Interview with Paula Gerbase

クリエイティブ ディレクターに就任して以来、コペンハーゲンにあるジョージ ジェンセンのアーカイブの再探求を進めてきた彼女は、今回どのようにして「シルバーを織る」という発想に至ったのだろうか? また、老舗テーラーであるキルガーのヘッドデザイナーやブーツメーカーのジョンロブのアーティスティックディレクター、さらには自身のジュエリーブランドであるジェルバーゼの展開など、多彩なキャリアを築いてきた彼女が、今後ジョージ ジェンセンにおいて目指すクリエイティブとは? デザインフィロソフィーを聞いた。

-「織り」を初のコレクションのモチーフに選んだきっかけや理由について教えてください。

「ジョージ ジェンセンのアーカイブを調査する中で、ジュエリーやアクセサリーにおける多くの作品において、『動き』が重要な要素であることが明確になったんです。その要素を新たな方法で探求し始めることは、とても興味深い体験でした。

また、『動き』というテーマと並行して、私はジョージ ジェンセンが過去122年にわたり取り組んできた革新的な銀細工の技術にも目を向けました。特に惹かれたのは、シルバーワイヤーの使用方法です。素朴な素材を編み込むことで、動きや立体感を生み出すことができるという点に強く魅了されたのです」

-「織り」とは、身に纏う布や形を作る技法であり、また、縦糸と横糸が交差する様子を比喩して人と人との関わりを表すこともあります。パウラさんが感じている、デザインとしての「織り」の魅力と、概念や情緒で感じる「織り」の魅力について、また、「織り」に込めた想いがありましたらお聞かせください。

「『織る』という行為はメゾンの歴史において、長い年月をかけて築かれてきた人と人とのつながりを象徴する重要な要素です。ジョージ ジェンセンには、3代目、4代目にあたる銀細工職人たちが在籍しており、彼ら一人ひとりの家族の物語は、メゾンの歴史そのものと深く結びついています。このようにメゾンで働くうえで、人と人とのつながりや協働は日々の活動に欠かせない要素なのです。クラフツマンシップ、デザイン、そしてイノベーションを結びつけていくプロセスには、まるで振り付けのような調和とリズムがあり、それはまさに『織る』という行為を想起させる。そして、多くの要素が結びつくことで、ひとつの要素だけでは生み出せない、より大きな価値が生まれることを物語っているのです」

トリプルウィーブ ブレスレット¥275,000/ジョージ ジェンセン(ジョージ ジェンセン ジャパン)

-「ウェフト バイ ジョージ ジェンセン」をデザインする際のインスピレーション源やイメージした女性像はありますか?

「インスピレーションの主な源となったのは、ジョージ ジェンセンのアーカイブです。特に創業者ジョージ・ジェンセン自身がアール・ヌーヴォー期に手がけた作品群、なかでもブローチやリング、ペンダントに見られるフィリグリー(線細工)の技法は、シルバーワイヤーを用いて豊かな立体感を生み出しており、大きな着想を与えてくれました。

1950年代にヘニング・コッペルが手がけた作品にも注目しました。彼はカラフェのネック部分やハンドル部分にシルバーワイヤーを用い、その表現を刷新し、フォルムを包み込むようなまったく新しい使い方を提案しています。こうした先駆的なアプローチも、本コレクションの重要なインスピレーションとなっています」

-パウラさんはテーラーメイドの世界や、シューズブランドでキャリアを積み、幅広い経験を経てこられました。それらはジョージ ジェンセンでどのように生きていると感じますか?

「私のクリエイティブの根幹には、これまで携わってきたどのメゾンにおいても、常に品質とクラフツマンシップへの揺るぎないこだわりがあります。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズという極めて創造性に富んだ環境でファッションを学ぶ一方、サヴィル・ロウでメンズテーラリングの修業を積んだ経験は、職人技を深く尊重しながらも、伝統に挑戦することを恐れない姿勢を私に育んでくれました。このマインドセットこそ、今後ジョージ ジェンセンにもたらしたいと考えているものです。メゾンが培ってきた独自の価値観や礎を尊重しながら、過去と同様に、大胆で先進的な精神を現在、そして未来へと受け継いでいくこと。それが私の目指すところです」

-パウラさんご自身のスタイルも注目されています。「ウェフト バイ ジョージ ジェンセン」コレクションの中から、特にお気に入りのアイテムをピックアップしていただき、パウラさんご自身はどのようにコーディネートするか教えてください。

「特に惹かれているのは、コレクションの中でも存在感のあるボリューム感を備えたピースです。なかでも、トリプルウィーブ ブレスレットとダブルウィーブ ネックレス(両方とも画像上)は、すでに私の定番スタイルの一部となっています。これらは、シャープなテーラリングスタイルに合わせることが多いですが、時には、クリーンな白のTシャツとデニムを合わせたオールホワイトのカジュアルな装いに取り入れることもあります。ジュエリーそのものが主役となるようなスタイリングを心がけています」

コレクションには、シングルウィーブのチェーンをはじめ、ダブルやトリプルウィーブを用いたブレスレットやネックレス、イヤリングやショルダーダスター(長いイヤリング)をラインナップする。アーカイブへのオマージュとして、一部のピースには揺れるオーブ(球体)があしらわれ、デザインにさらなる動きとリズムをもたらす要素に。“遊び心”と“軽やかさ”を兼ね備えたジュエリーを身につけて、装いをモダンにアップデートして。

問い合わせ先:
ジョージ ジェンセン ジャパン
https://www.georgjensen.com/ja-jp

  • text: Yuki Kimijima