話題の韓国人シェフが手がけるスイーツコースをコンラッド大阪で。

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昨今、国内外の美食家たちのあいだで注目を集め、その地位を確立しつつあるアシェットデセール。デザートを“添えもの”ではなく“主役”として楽しむ新たな味覚の世界は、もう体験した? この革新的なひとときをコース料理として提供するデザートバーが、コンラッド大阪に誕生。気鋭の技と感性が織りなすスペクタクルで、贅を尽くした滞在をより鮮烈な記憶とともに彩ってくれる。

大阪の街を一望する高層階に位置し、“天空のアドレス”としても親しまれるコンラッド大阪。その最上部である40階のレストラン「シーグリル」のカウンターエリアにオープンした「ムデ バイ ジャスティン・リー」は、知る人ぞ知る美食の新スポットだ。

こちらを監修するのは、韓国人シェフのジャスティン・リー。もとはイタリアンのシェフとして各国でキャリアを積みながらパティシエに転向し、いまやソウルの人気パティスリーを切り盛りするほか、世界的なアワードの受賞歴も誇る。

シェフのジャスティン・リー。ソウルの漢南洞(ハンナムドン)で彼が手がける「JL デザート バー」はアシェットデセールとお酒のペアリングを楽しめる人気店。photography: Courtesy of Conrad Osaka

メニューには、季節を問わず提供されるシグネチャーのほか、日本の旬の食材を用いたユニークな顔ぶれが。イタリアンのルーツを感じさせる「カプレーゼ」や「カルボナーラ」、シェフの思い出のメニューだというスコットランドの伝統デザート「クラナカン」などは、彼が韓国で営む「JL デザート バー」とも共通する彼のトレードマーク。とは言ってもすべて日本の地産食材を使うことでシェフ自身が「韓国よりもおいしくできた」と評するものもあるというから、本国でテイスティング済みの人も要チェックだ。

たとえばフレッシュ、セミドライ、マリネという異なる3種のアプローチでトマトの味わいや食感の魅力を幾重にも引き出した「カプレーゼ」はその一例。メレンゲのバーを散らしつつパルメザンチーズのアイスクリームやフレッシュバジルのシロップ、ブラックオリーブパウダーが添えられ、ひと皿の中に多彩な表情が広がる。日本のトマトは韓国の品種に比べて甘みが強くフルーティな味わいであるため、より果実味と清涼感が際立つのだそう。フレッシュであっさりとしたチーズのアイスと隠し味のベリーソース、爽やかなバジルにトマトのみずみずしくコクのある酸味が溶け合い、味わいが見事に調和。さらに自家製のヨーグルトまでもが加わって、同名のイタリア料理の骨子を受け継ぎながらも、非常に先進的な“デザート”に仕上がっている。

どれも甘やかでありながら、食べ進めても「デザートでもうお腹いっぱいです」とはけっして言わせない。カギとなるのは、トマトや柑橘類をはじめ、ワインやベリーといったあらゆる食材で演出される種々様々な酸味。また時にはエスプレッソや焦がしたキャラメルの苦味、土っぽさや青みを感じる香りなども随所にまじえ、軽やかに食べ進められる構成となっているのだ。もうひとつのシグネチャーメニューである「カルボナーラ」はそのモデルケース。ほぼパルミジャーノチーズでできているというペンネがブラックペッパー香るホワイトクリームや大きく平らな結晶を持つマルドンのシーソルトと絡んで、いわゆる“デザート”を食していることを忘れさせる。そこにベーコンの旨味を凝縮したまろやかで濃厚なジェラートが添えられても、新感覚の食の可能性に驚かされ、心が躍らされっぱなしなのだ。

photography: Courtesy of Conrad Osaka

ともに働くスタッフいわく「この発想はパティシエのキャリアだけを歩んでいては浮かびようのないもの」。カルボナーラの材料は卵黄と生クリームだから、ジェラートの構成要素と同じ。だったらカルボナーラのソースをジェラートにできるはず……といった様子で、セイボリーとスイーツの境界を自由闊達に行き来するのが、ジャスティンシェフの持ち味だ。新鮮な地産食材を使うこともまた、彼の重要なポリシー。定期的に来日しては、自らの足で日本各地の市場をめぐり、必ず自分の舌と感性でメニュー開発をおこなっているという。

photography: Courtesy of Conrad Osaka

グレープフルーツやデコポン、文旦に金柑の甘露煮や紫蘇のソルベを合わせた「シトラスガーデン」や、香りが強くバランスの取れた味わいの奈良県産イチゴである古都華(ことか)と桜クリーム、北海道産ミルクが溶け合う「サクラ」は、ここだけでしか味わえない6月末頃までのシーズナルディッシュだ。各皿に添えられるペアリングのドリンクも、ぜひ一緒に堪能を。特にカクテルは、各デザートとリンクさせた要素へ時に新たな風味をプラスして、ただでさえ緻密に設計されたひと皿ごとの世界観へさらなる奥行きを与えてくれる。同様にこだわり抜かれたモクテルの用意もあり、ノンアル派にはうれしいかぎりだ。

カウンター越しに供されるコースは、ひとつひとつがまるで店名の意味する“舞台”の上で繰り広げられるパフォーマンスのよう。いずれもゲストの目の前で仕上げられ、色合いはもちろん温度や食感のコントラストまでも計算しつくされて、口に運ばれるのをいまかいまかと待ち受ける。ディナーにデセールコースをいただき、まるで上質な芝居やオペラを鑑賞したような余韻に包まれながらそのままコンラッド大阪に宿泊すれば、新たな知見を得て感性を磨く立派なステイケーションに。

上質な空間と滞在に、アーティスティックかつイノベーティブな食が繋がる時、その時間はより濃密な記憶となって醸されてゆく。まだ見ぬ美食を求めてステイ先を選ぶ──そんな選択肢が、新時代のホテルライフを彩ってくれるのかもしれない。

コンラッド大阪
大阪府大阪市北区中之島3-2-4
06-6222-0111
https://conrad-osaka.hiltonjapan.co.jp

ムデ バイ ジャスティン・リー
営)12:00〜14:30(L.O.14:00)、18:00〜21:00(L.O.20:00)
休)月、火
https://conrad-osaka.hiltonjapan.co.jp/restaurants/conrad-sweets/dessert-bar

  • photography & editing: Misaki Yamashita