未来に受け継ぐ、19世紀最後の珠玉の建築「グラン・パレ」。
Grand Palais
グラン・パレ〈8区|シャンゼリゼ〉


第5回パリ万国博覧会に向けて3年がかりの工事が終わり、グラン・パレは1900年に完成した。それまで仮設が常だった万博会場だが、グラン・パレは終了後も残る建物としてクラシックな石造りの堅牢な建築が採用され、屋根には鉄骨とガラスという当時の新しい素材を用いてモダンタッチが加えられたのだ。メタルの扉、大階段の手すり、柱に施された植物の美しい装飾ゆえアールヌーボーの宝物と呼ばれる。

グラン・パレの内部、自然光が差し込む屋根の下に十字のフォルムで広がるネフ(身廊)は空っぽだ。そこは各人が空想を膨らませることができる空間。昨年のパリ・オリンピックでフェンシングの会場に使われたように、その歴史の始まりから芸術、産業などさまざまなイベントや博覧会が開催されている。

シャネルがショーを行うことでも有名だ。それは12年をかけた大修復によりグラン・パレが蘇った2005年に、カール・ラガーフェルドが自身の尽きぬ想像力と創造性を存分に発揮できる場所として会場に選んだことが始まりだった。ロケットの打ち上げステーション、スーパーマーケット、滝が流れる森、水が打ち寄せる海岸……ショーのたびにグラン・パレ内に驚くべき壮大な舞台が造られたのだ。ライオンやシャネルのジャケットといったガブリエル・シャネルにちなんだ巨大な彫刻物が配置されたことも。見る者に幸福感をもたらすショー会場の驚きはいまも続いている。

シャネルのグローバルファッション部門プレジデントのブルーノ・パブロフスキーはグラン・パレを、「カンボン通りやヴァンドーム広場と同じようにシャネルというメゾンを体現する場所のひとつ」と表現している。グラン・パレのエクスクルーシブ&歴史的メセナを7年前から務めるシャネルは、21年に始まったグラン・パレの修復工事にも大きな貢献を果たした。かくしてフランスのこの美しく優美な建築遺産は、独創的で美しい姿を取り戻し、未来へと歩み始めたのだ。
住所:
7, avenue Winston Churchill 75008
電話:
01-44-13-17-30
Ⓜ:
CHAMPS-ÉLYSÉES CLEMENCEAU
開:
展示により異なる
料:
展示により異なる
- ●1ユーロ=約162円(2025年4月現在)
- ●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。
- ●各紹介アドレスのデータ部分のは地下鉄の駅を示しています。
- ●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間やイベントの開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。
- text: Mariko Omura
*「フィガロジャポン」2025年5月号より抜粋