幸せになるために、1日どれくらいの自由時間が必要?

Culture 2021.10.04

幸せになるために、私たちは1日どれくらいの自由時間を必要とするのだろうか? この問題をアメリカの研究者たちが探った。自由な時間が足りないことが幸せを妨げる一方、あり過ぎるのも悪影響を及ぼすことが分かった。

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時間が足りないだけでなく、ありすぎるのも不幸の原因となりうる。photo:Getty Images

理想の世界に暮らしていると想定して、どれだけ自由時間があったら幸せなのだろうか? 9月9日、アメリカ心理学会はこの疑問に対する研究結果を学会のサイトで発表した。この記事は、自由時間の不足だけでなく過剰も調べた新しい研究の一つとして発表された。結論から言えば“黄金の中庸”が最も有益とのことだ。アメリカの研究者が達した結果によると、私たちは幸福であるために平均して2時間から5時間の自由時間、つまり好きなように過ごせる時間を必要とするそうだ。詳しく見ていこう。

この研究は3つの段階に分けて行われた。まず、2012年から2013年の間に2万2000人を対象に実施された、時間の過ごし方を尋ねるアンケートのデータを分析した。内容は過去24時間の過ごし方を細かく報告し、それで得た幸福度を自己判断するものだった。

次はこの結果を裏付けるため、1992年から2008年の間に行われた労働力の推移に関する国民調査の結果と照らし合わせた。この調査は約14,000人のアメリカの就労人口の休み時間を調査したものだった。

最後に6000人超の参加者に一定の条件付きで仮想の生活を想像してもらった。少ない自由時間(1日15分程度)、中間の自由時間(1日3.5時間)、多くの自由時間(1日7時間)がある暮らしに参加者を分け、与えられた自由時間に基づいて得た満足度を推定してもらった。

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やりたいことをかなえるための時間

予想した通り、自由時間が増えれば幸福度も上がる結果が出た。幸せを感じるために私たちは平均して1日2時間から5時間の自由時間を必要とするようだ。しかし、これ以上自由時間が増えても、幸福度が増すことはない。5時間以上になると、幸福度が下がることがこの研究で確認された。

「この調査の結果により、一日中、全ての時間を自由に過ごせる人はかえって不幸を感じることになることがわかりました」と記事の主要執筆者であるマリサ・シャリフは言う。彼女によると「一日に2時間、やりたいことをかなえるための自由時間を設ける」のが理想だとのこと。

マリサ・シャリフは幸せに必要な3つの本質的要求を刺激する活動を積極的に行うよう提案する。その3つの欲求は「独立心」「社会性」「自分の能力の確認」だ。自分だけの時間を持つことで「独立心」を養い、他者と関わることで「社会性」を実現し、自分の行動に目的や意味を加えることによって「自分の能力を培う」ことが可能となる。この3点が人を幸せに導くそうだ。

text : Julia Mokdad (madame.lefigaro.fr)

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