LET ME KNOWが初フルアルバム『Still Romance』を完成。メンバー3人が語る思いとは?
2024年1月に活動を開始し、現代の感性にUKロックの80’sなどのサウンドをミックスさせた独自のスタイルで、韓国など海外からも注目されている3人組ロックバンド、LET ME KNOW(レット・ミー・ノウ)。シングル及び動画を積極的に発表してきた彼らが、待望の初のフルアルバム『Still Romance』を完成させた。早速、Matty(Vo)、Kehn(Gt)、Lyo(Dr)に話を聞いた。
無の状態から、記憶の中で点と点が繋がって曲が生まれる。

――KehnさんとLyoさんは双子で、以前から一緒にバンドをやっていたそうですが、Mattyさんと出会った時に、音楽の方向性はスムーズに決まったのですか?
Lyo 3人とも共通してUKロックが好きで、Mattyが持ち合わせている現代の感性と、みんなが影響を受けているUKロックをミックスできたらいいなと。コンセプトとして「ノスタルジック・モダン」というワードを掲げていて、自然といまの音楽性に行き着きました。
――これまで積極的に楽曲を発表してきましたが、ファーストアルバム『Still Romance』を制作するにあたり、収録する曲は何を基準に選びましたか?
Lyo 音楽的ルーツである80’sを感じられるかどうか、というのが基準にあって、新曲2曲が入っているといっても、「Lovely Ør Lonely」は初ライブから披露している曲で、そこからアップデートしてきて、このアルバムのコンセプトに合う曲になったと思うし、最新曲「第六感より」も、いままでと地続きにある曲です。
――Mattyさんはどのような感じで歌詞や曲作りをしているのですか?
Matty ギターで弾き語りをしながら作ります。歌詞はポカーンっていう無の状態でいると(その表情にみんな笑う)、記憶の中で点と点が繋がったりする時とか、結構ありますね。自分の中でゾーンに入ったなと思うことがあります。
――そのゾーンから生まれた曲は?
Matty 結構全部ゾーンレベルなんですけど、たとえば、「100円キッス」とかは、ほんま「100円キッス」ってワードやメロディがポーン!と浮かびましたね。
――女性の気持ちになって歌っている曲もありますね。書きやすいですか?
Matty 勝手にできちゃった感じですね。自分自身、落ち込んだり考え込みやすいタイプなので、実体験の記憶からキャッチして、相手の女の子の気持ちになって自然と書いていたんだと思います。こんなことを思ってなかったかな、とか。

――優しいですね。
Matty いやいやいや、そんな。書いといてください、優しい男です。(みんな笑う)。
言葉にない景色は何かと考え、嗜んで音を出していく。
――Mattyさんからデモをもらってから、KehnさんとLyoさんはどのようにアレンジの方向性を決めていくのですか?
Lyo 基本的にムードについては常に話しているので、方向性は最初に見えていることが多いかなと思っています。Mattyのメロディと歌詞をそのまま形にするわけではなくて、感覚を残しつつも、自分たちが次に出したいムードだったり、言葉にない景色は何だろうかと考えたりして、嗜んで音を出していく感じです。
Kehn ギターは単純にフレーズを入れるというよりは、空気感とか、そこまで全面に押し出さずに空間として使う場合もあります。ギターは単体でいったらそこまで派手さのない曲も多かったりするし、シンセと同居させたりしているので、音色を考えて作っていますね。音の奥行きや浮遊感は、大切にしている部分でもあります。

――ギターでいうと、シューゲイザー的なサウンドとか、特に「Sentimental Night Dive」の音の作りが好きです。曲ごとのサウンド作りが全部違うし、ギタリストとしての美意識が非常に高いと思うので、自分のギターで何を表現されたいのかなと。
Kehn ありがとうございます。アレンジする時にいちばん大事にしているのは、どの曲も歌がキャッチーであることは当然で、次に印象的なギターだったりシンセだったり、テーマとなるフレーズを必ず1個は入れようと意識していて。そこに対してどういう音色が合うのか試行錯誤して、主軸となるものを作っていく感じです。
――このギターに注目してほしいという部分があれば。
Kehn 「Sentimental Night Dive」の2番のサビが終わった後のギターソロをいちばん気にいっていて、イントロだったら「Svveet Pea」です。全部と言いたいところですけど(笑)。
――Lyoさんのドラムも残響音まで気持ち良く、歌心がわかるから叩けるドラミングに感じます。
Lyo 曲を引き立てつつ、曲を印象付けるものとしてもドラムはかなり大きな要素だと思うので、音色はやっぱりこだわります。
――ドラムの音色という点から、注目してほしい部分があれば教えてください。
Lyo アイコニックなサウンド感になったのは「Lovely Ør Lonely」「第六感より」「初なfeeling」のイントロかなと思います。曲中では歌を引き立たせることをとても意識するので、ドラムもテクニカルなことをやるのではなくて、フレーズや音色で印象的づけようというのがあります。

――マスタリングを、ハリー・スタイルズやレディー・ガガ等を手がける大御所ランディ・メリルに依頼した理由は?
Lyo 今回アルバムを作るにあたり、盤にもするし、トータルでこだわりたかったので、いろいろ探して、ハリー・スタイルズやコナン・グレイ、ロイエル・オーティスなど数えたらキリがないですが、僕たちが好きなアーティストををよく手がけているランディに決めました。引き受けてくださってうれしかったです。
時代が移り変わっても、「ノスタルジック・モダン」の精神で
――3人の性格について教えてください。
Lyo Mattyはムードメイカーだなと思う。
Kehn 明るくて。彼がいたら空気が変わる。華がある。
Matty Kehnは真面目というか、一つひとつのことに対して、こだわりが強い。僕は結構感覚で行くところもあるけど、Kehnは撮影とかでも細かいところまでチェックしている。
Lyo Kehnはこだわりはいちばんあるんじゃないかと思います。
Matty Lyoは視野を広く持っているし、まとめてくれたりとかするので、すごくいいなと思いますね。
Kehn いろんなことに気を配っている人という感じ。あと、 僕よりLyoの方が社交的。
――癒やしの時間となるオフの過ごし方や、プライベートで夢中になっていることがあれば教えてください。
Matty 僕はスポーツが好きで、自分でプレイするのも、見るものどっちも好き。サッカーでは、FC町田ゼルビアに高校の同級生がいて彼を応援しているし、大阪出身なのでガンバ大阪も好き。野球では阪神タイガースが好き。
Kehn 昨日スタジオに入っていたんですけど、Mattyは、サッカーのボールを蹴る練習と野球の素振りをやってて、どっちもやっている人を初めて見た(笑)。
――Kehnさんは?
Kehn 僕はラーメンを食べに行くことかな。ラーメン二郎。こってりしてればしてるほどいい。
――ギターの音の聞こえ方が変わりそう(笑)
(全員爆笑)
Kehn このウェット感は油かぁ(笑)。
――サステイン効いてると思ったら、背脂!?
Kehn かもしれません(笑)。
――Lyoさんは?
Lyo 基本はKehnと同じラーメンなんですけど、ちょっと遠出するのも好きで、ラーメンを食べに、千葉や、群馬、栃木などへ出かけています。あと最近は韓国語を勉強していて、毎日5分でも良いから触れるようにしています。
――韓国での人気もすごいですよね。ライブの映像も拝見しました。
Lyo ありがとうございます。
時代が移り変わっても、変わらないものを持ち続けたい。
――最後に、自分が影響を受けたような、好きな作品やアーティストをあげてもらえますか?
Matty 僕が最初にカッコイイなと思ったアーティストはオアシスと矢沢永吉さんで、特に矢沢永吉さんは本も全部読んだくらい好きで、音楽だけじゃなく生き方にも影響を受けました。自分の信じたものを貫いていて、流行や周りに流されない強さがあるんですよね。僕も曲を書く時は、自分が本当に良いと思ったものを大事にしたいと思っていますし、LET ME KNOWもそういう芯のあるバンドでいたいなと思っています。
Kehn 僕は朝風呂に入りながら音楽を聴くのが好きで、スミスはいつ聴いても落ち着くので、いつも聴いています。特にジョニー・マーのギターは、曲全体の景色を作るようなアプローチで、かなり影響を受けています。何十年経っても色褪せずに愛されているのは、流行を超えた普遍性があるからだと思うんです。僕たちも「ノスタルジック・モダン」というコンセプトを掲げていますが、時代が変わっても残り続けるような音楽を作っていきたいですね。
Lyo ジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーはやっぱり聴きますね。ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカル、イアン・カーティスの半生を描いた伝記映画『コントロール』が好きですし、イアンを失った残りのメンバーが、ニュー・オーダーとして80年代の煌びやかな時代に移り変わっても、ジョイ・ディヴィジョンの暗さ、その精神性を持ち続けているという部分も好き。そういう意味では僕たちも「ノスタルジック・モダン」という1個のコンセプトがありますし、これから時代が移り変わることによって音楽性などは変わっていくと思うんですけど、基軸となるものや精神性は持っておきたい。なので、そういういった意味も含めて、このふたつのバンドが好きだなと思います。
――そのお話を聞いて、アルバム『Still Romance』についての思いに関して、すごく腑に落ちました。7月のツアー、楽しみにしています。

- interview & text: Natsumi Itoh