VOIX 創り手たち

フェリシティ・ジョーンズが共感した、革新的な女性。

インタビュー

性差別と闘った世紀のアイコンに、女性としての生き様を重ねて。

フェリシティ・ジョーンズ|女優

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『博士と彼女のセオリー』(2014年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた、若き演技派フェリシティ・ジョーンズ 。大ヒットしたハリウッド大作『ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー』(16年)での勇ましい姿も記憶に新しい。最新作『ビリーブ 未来への大逆転』で演じているのは、男女平等の権利を訴えた先駆者ルース・ギンズバーグ 。現在9人しかいない米国最高裁判事のひとりで、85歳にして現役! 名門オックスフォード大学出身のフェリシティにとっても憧れの存在だ。「彼女のことは存在しか知らなかったのですが、脚本を読んだ時、目の前がパッと開かれた気がしました。目標を持ち、壁がどんなに高くても自分のやり方で成し遂げる。演じながら、その人生からたくさん学んだわ」

#MeToo運動は、単なるトレンドにしてはいけない。

撮影前に、役作りのために本人に会い、その人間性に魅了されたという。「ルースはユーモアがあり、穏やかな人。少し間を置いてから話し始めるのだけど、言葉の選び方が上手なんです。言葉の持つ力をよく知っている。会ったら誰でも感銘を受けると思うわ。もちろん、演じるうえでプレッシャーはありました。特に彼女が若かった頃は、困難の中で道を見つけなければならなかった。その苦労も、多くの人と分かち合えるようにしなければと思ったの」

アメリカでは、ルースは〝RBG〟というニックネームで呼ばれ、顔をイラストにしたグッズが売られているほど、ポップアイコン化している。「彼女は、そんなふうに扱われることをおもしろがっているようですよ! この人気は、まさに彼女のような道徳観を深める存在を、時代が求めているからじゃないかしら」

男女平等といえば、2年前より#MeToo運動の嵐が吹き荒れるハリウッドだが、映画界の先端を走るトップ女優としても、ルースの闘い方や生き様はお手本になるという。「映画界では、脚本家や監督など、裏方に女性をもっと登用しようという動きが出てきました。それは素晴らしいけれど、賃金格差はまだ模索が必要。ルースの素晴らしさは、単に裁判での勝ち負けではなく、性の平等を法律できちんと制定し、根付かせようとしたこと。私たちもこの運動を一過性のトレンドで終わらせたくないですね。変化には戸惑うけど、それを受け止めなければ、生き延びることはできないのだから」

次回作も、19世紀に熱気球に乗って空の旅に出た、またもや革新的な女性を演じる予定だという。

Felicity Jones/フェリシティ・ジョーンズ

1983年、イギリス・バーミンガム生まれ。11歳から演技を始め、オックスフォード大学を卒業後、映画やTVドラマでキャリアを積む。『博士と彼女のセオリー』(2014年)で理学物理学者スティーヴン・ホーキング博士の元妻ジェーンを演じ、アカデミー賞主演女優賞にノミネート。資生堂クレ・ド・ポー ボーテのグローバルブランドフェース。

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1950年代、コロンビア大学法科大学院を首席で卒業したルースは、女性であることを理由に就職難に遭う。やがて弁護士の夫からある訴訟の案件を持ち掛けられる。『ビリーブ 未来への大逆転』は、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開中。

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*「フィガロジャポン」2019年5月号より抜粋

interview et texte : ATSUKO TATSUTA

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