舞台は戦前のブダペスト、若き巨匠ネメシュの最新作。

Culture 2019.04.21

欧州文化の黄昏を宿す名店に、単身潜入するヒロインの冒険。

『サンセット』

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舞台は第1次世界大戦を控えたオーストリア=ハンガリー帝国。首都ブダペストの老舗高級帽子店に、ヒロインのイリスは臨時雇いの店員として採用される。実は彼女、謎含みの事件をきっかけに一族失脚となった創業者の孫娘だ。皇族たちも重要顧客の店の秘密を探る素人探偵のよう。さらには、敵だらけの中、新時代の扉をこじ開けるジャンヌ・ダルクのような役目も彼女は担う。やがて歴史から消えるヨーロッパ旧文化の、妖しくデカダンな美と力の喘ぎが、圧巻の長回し撮影を通し、官能のツヤを帯びて胸を圧する。

『サンセット』
監督・脚本/ネメシュ・ラースロー
2018年、ハンガリー・フランス映画 142分
配給/ファインフィルムズ
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
http://finefilms.co.jp/sunset

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*「フィガロジャポン」2019年5月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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