【パリコレクションDay2】春でもブラック&ホワイト旋風か? いやいや、ドリスとアクネは色彩と柄にあふれて......

Fashion 2024.10.19

編集KIM

2025年春夏パリコレクションにて、ショーを訪れた編集長KIMのコレクションダイヤリーをお届けします。 8日間、朝から晩までショーと展示会を巡った汗と涙の記録。

コレクション時期はけっこう雨にヤレれてしまう。9月25日は雨のパリをファッションピープルが大移動。昨今のセレブリティ待ちのファンたちも、レインコートに身を包みスマホを構えていた。

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クレージュのショーが始まった午前はまだ雨に見舞われていなかったものの、会場の中央に波ができる池の演出があって、その水音は美しいBGMに。真っ白な空間に置かれた池、そして波間の泡が白く輝いて、空間全体がモノトーン。その丸い池の周りをモデルがウォーキングするというミニマムだけれど強度のあるショーだった。全身黒、全身白、全身ヌードカラーの潔いラインナップで、細身のシルエット。カッティングで魅せ、肌の健やかさも武器のように見せる服っていいなあ、としみじみ。来場セレブのアチズのジョン・ウヨンやエマも、細身のボディが生きるブラックコーデ。

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ドリスヴァンノッテンは今回のパリコレ最大の関心事。創業デザイナーのドリスが退任して初のウイメンズコレクション。ドリスは現在サポート中で見守っているけれども、ドリスだけがいなくて他は全員同じデザインチームで今回作り上げたそう。色彩や柄のパワーはそのまま、そして、プリントのモチーフが静から動へ。ボタニカルプリントの中にアニマルプリントがオンされている。いや、しかし‥‥よく見ると、匂いたつような植物の一部分を切り取った、やっぱりボタニカル? 生き物の躍動する美しさの一部を表現したかのよう。ラストはチーム全員がランウェイに出てきて、胸にこみ上げてくるものが!

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セシリーバンセンでは、冒頭に男性がキャップを目深にして登場。観客のほうを向かず壁に向かって演奏を始めた。直後にモデルがウォーキングしてきて、奏者はショーの演出の一部になったのだけれど、なんと彼は写真家のホンマタカシ! キーボードからギターまで多彩に演奏を続けた。セシリーからのラブコールで実現したコラボらしく、雪山のすがすがしい写真が飾られた空間で、黒、白、カーキなどミニマルな色彩と花のモチーフに、スポーツマインドを絡ませたロマンティシズム。

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土砂降りに近くなった夜のショーはアクネストゥディオズ。ILLITの目の前のシートでラッキー!(と多くの日本人ジャーナリストは思ったはず!) 個人的にイエローが大好きなのだが、差し色に使われたカーディガンとボディスを合わせ、足元はボリュームパンプスのルックなど、アクネのコーデはホントに面白味にあふれてる。ヤングエナジーいっぱいの愉快なムードは新しいKセレブ育成にもサポートしているみたいで、未来に期待!の韓国の俳優の卵の男の子たちが来場していたのもブランドの懐の深さを感じた。

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要チェックの展示会も多く行われた9月25日。Rochasには間に合わなかったが、アライア、デルボー、メリルロッゲを訪問。アライアはショップの上にショールームがあるのだが、毎回訪れる度に、店に隣接したアライアのカフェに行きたいな、と思う。外観は緑の植物が這い、内装なミニマル。ちなみに今回はNYのグッゲンハイム美術館で行われたショーの内容。メリル・ロッゲはベルギー大使館で行われた。どの都市で行われる展示会もそうだが、ファッションブランドがブランドのイズムを伝えるためにプレゼンテーションの場所選びに凝ることは素晴らしいと常々感じる。そこを訪れるこちらも、ギフトとなる素敵な経験をもらえるから。

編集KIM=編集長森田聖美 2024年よりフィガロジャポン編集長。フィガロ歴約30年。旅、ファッション、美容、カルチャーなど、現場時代はマルチで担当。多趣味だが、いちばん大切にしているのは映画観賞。格闘も好きでMMAなどよく観戦に行く。旅は基本的にひとりで行くのが好み。チミーグッズをこよなく愛する。

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