ヴァン クリーフ&アーペル、ピンクエナメルの「アルハンブラ」が刻む新たな章。
メゾンを代表するアイコニックなコレクション、「アルハンブラ」のカラーパレットに新しい彩りが加わった。創業時より大切に培われてきたサヴォワールフェールのひとつであるエナメルが、最新ジュエリーとなってフレッシュな輝きを放つ。
メゾンの技術と歴史が生み出す鮮やかな透明感

エナメルで表現されたビビッドなピンクが彩る「アルハンブラ」の新作。透明感と鮮やかさが際立つ独創的なテクスチャーは、長年愛されてきた四つ葉のシンボルに新鮮なインパクトをもたらす。

新作コレクションは「ヴィンテージ アルハンブラ」4点と「マジック アルハンブラ」1点、計5点のラインナップで展開される。

メゾンが誇る伝統的な技法であるギヨシェ彫りを施したイエローゴールドとのマッチングにより、「アルハンブラ」の持つ魅力がさらに際立つ。

制作の過程で現れる微細な気泡がちりばめられたエナメルは、生き生きとした深みのあるトーンが特徴。
幸福感あふれる魅惑の色彩は、伝統と革新から生み出される


text: Keiko Homma
スイートなピンク。花のような、果実のような、ジェムストーンのような──。
ヴァン クリーフ&アーペルの名品「アルハンブラ」コレクションに新たに加わったのは「エナメル」。メゾンのサヴォワールフェールがさらなる進化を遂げ、四つ葉のクローバーのモチーフがプレシャスに彩られた。
ゴールドビーズに縁取られた輪郭の中で、夢のようなピンク色に輝くエナメル。それはガラス質の釉薬を焼成してさまざまな色彩を出す美術工芸の伝統技法。多くのエナメル工芸は貴金属の上に施されるのに対し、新しい「アルハンブラ」は、まるでステンドグラスのようにエナメルが透けて輝く。
ヴァン クリーフ&アーペルは今回、エナメル釉薬で四つ葉のクローバーのモチーフをかたどり、それをイエローゴールドの台座にセットするという独自のテクニックを開発。しかも不思議なことに、このピンクは赤い色素を釉薬に混ぜたのではないという。17世紀に誕生した「ルージュ ア ロール」と呼ばれる古い装飾の技をさらに発展させ、素材となる釉薬に純金のナノ粒子を配合することで、鮮やかなピンクを発色させているのだ。
ほんのわずかなゴールドの粒子を含んだ特別なエナメル。それは光の反射に優れ、澄んだ輝きを振りまく。少しふっくらしたエナメルのモチーフは微妙なカーブを描き出し、優雅に光の反射を生み出してくれる。じっと見つめていると引き込まれそうな艶めき、そして色。内部に含まれる細かな気泡も、ジェムストーンが抱くインクルージョンのようで魅力的だ。
極めてデリケートなこのサヴォワールフェールを完成させるには、メゾンの工房で数年にわたる試行錯誤が重ねられたという。
エナメルという素材をヴァン クリーフ&アーペルが選んだのは、決して意外なことではない。メゾンはこれまでオーナメンタルストーンやマザーオブパール、ギヨシェ彫りのゴールドなどの他、セーヴル磁器も「アルハンブラ」に採用したことがあるほど革新的なのだ。また、伝統技法からオリジナル技法まで17種類に及ぶエナメルのテクニックを自在に駆使するメゾンにとって、「アルハンブラ」をエナメルで彩ることはいとも自然だったに違いない。
何よりヴァン クリーフ&アーペルには、1906年の創業以来、ジュエリーや時計など多彩な品々をエナメルで彩ってきた歩みがある。新しい「アルハンブラ」も、エポックなピースとしてメゾンの歴史の1ページを飾り、未来へと受け継がれていくだろう。
メゾンが紡ぎ、受け継ぐエナメルの歴史
カトリーヌ・レニエに聞く、「アルハンブラ」に惹かれる理由。
Catherine Renier/ヴァン クリーフ&アーぺル プレジデント兼CEO
「『アルハンブラ』が愛され続けるのはシンプルで普遍的なモチーフのおかげ。ジャック・アーペルは「幸運になりたければ、幸運を信じなさい」と言っていますが、四つ葉のクローバーは幸運や前向きな姿勢というメゾンの価値観に結びついているのです。オーナメンタルストーンで新たな色彩を提案し、回転リングで機能性を追求し、ギヨシェ彫りでサヴォワールフェールを披露するなど、「アルハンブラ」は常に新鮮な発見を提案してきました。ことにモチーフのサイズをさまざまに提案した「マジック アルハンブラ」と「スウィート アルハンブラ」、新しい色と透明感を実現したエナメルは「アルハンブラ」のクリエイティビティを象徴しています」
collaboration: イーストランド 03-6231-2970 トーテム・クライアントサービス [email protected]
- photography: Saki Omi(Io)
- styling: Tomoko Iijima
- hair: Jun Goto(Republish-Ota Office)
- makeup: Nobuko Maekawa(Perle)
- text: Keiko Homma, Masae Takata(Paris Office/Interview)
- editing: Mami Aiko