リースリングの爽やかな逆襲。 #05

リースリングは嫌い!?な造り手の自慢のワインとは。

Lifestyle

ファルツはドイツで2番目に大きなワイン産地です。中でもリースリングの栽培面積は世界No.1。ところが……

「リースリングは好きじゃないんだ」とうそぶくのはヴァイングート・ルーカス・クラウスのルーカス・クラウスさん。見た目も口調もまるでラップ・ミュージシャン。トレードマークの帽子を被った姿はワインのラベルのキャラクターにもなっています。彼こそは、新世代ドイツワインの自由でポップな世界を体現する人物と言えるかもしれません。

ワインジャーナリストたちにワインの説明をするルーカスさん。
 

ワイナリーの入り口には、父親のハラルドさんのワイナリーの看板とルーカスさんの看板が対照をなして仲よく並んでいます。互いに理解し、認め合いながらもまったく別の方向を向いているのがわかります。

仲よく並んだ、対照的な看板。
 

父親のハラルドさん(左)とルーカスさん(右)。
 

「面白いのはジルヴァーナーだね」とルーカスさん。ドイツ全体で4番目に多く栽培されている白ワイン用の品種です。彼のジルヴァーナーを飲んでみると、フルーツよりもミネラルやスパイスを感じました。ブドウという植物よりも、土や風といった自然のエレメントを味わうようなユニークさがあります。オーストリアで修業をしてきたというルーカスさん。彼の地でポピュラーなグリューナー・ヴェルトリーナーの白にも力を入れています。飲んでみると、非常にアロマティックで味に強さがあります。後口にふわりと立ち上るピーチの風味に、思わずニヤリとしてしまいました。

ルーカスさんのラインナップ。
 

グリューナー・ヴェルトリーナーは後口にピーチの風味。
 

ルーカスさんには赤ワインのヒット商品があります。ラベルに描かれた網タイツ姿の妖艶な女性が目を引く〈ポルンフェルダー〉はポルチュギーザーとドルンフェルダーというふたつの黒ブドウのブレンド。名称とラベルのインパクトに、少し冷やして飲むという提案が受けて、2003年のリリースと同時に若者たちの心をつかみました。試飲してみると、ポルンフェルダーは少しキャンディのような風味があって、南仏やスペインで樽を使わずに造られる若飲みタイプの赤ワインと似たスタイルです。ハラルドさんの時代には想像もしなかった商品に違いありません。

これが噂のポルンフェルダー。
 

次回(最終回)は、ファルツの若手ワインメーカーのグループに会いに行きます。

グラスにもルーカスさんのキャラクターが。
 

“ガレージ・ワイナリー”とはこのこと!

浮田泰幸 Yasuyuki Ukita
ライター、ワイン・ジャーナリスト、編集者

ワイン・ジャーナリストとして、これまで取材したワイン産地は11カ国30地域以上、訪問したワイナリーは約500軒に及ぶ。ワインと観光要素を結びつけた「ワイン・ツーリズム」の紹介に重点を置いている。各誌ワイン特集の企画・監修・ワインセレクトを担当することも。

吉田パンダ Panda Yoshida
フォトグラファー

世界の犬とおいしいものを、こよなく愛するフォトグラファー。スタジオ勤務を経て、2000年よりパリに拠点を移す。愛犬は黒いトイプードル。雑誌・広告媒体では吉田タイスケとして、旅、ライフスタイルを中心に幅広く活動。

texte: YASUYUKI UKITA, photos: PANDA YOSHIDA, collaboration: WINES OF GERMANY

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/travel/160929-riesling.html