大村真理子の今週のPARIS
創業90年の家電メーカーElextrolux(エレクトロリュクス)がサポートするアートプロジェクトが、パレ・ド・トーキョーでスタートした。ART HOMEと書いて、アート・ホームではなくアローム(香り)と発音するプロジェクト。台所は革新とクリエーションの場であり、文明における大切な表現法の1つである料理は時代と文化の反映であるというのが両者の一致する考え。そうした生まれたのがアロームで、2つの内容からなる。

右手の建物の屋上にガラス張りのNOMIYAがある。以前、ホテルEVERLANDが設置されていた場所だ。
1つめはパレ・ド・トーキョーの中二階に設置された200平米の空間にて、クリエ-ティビティを養う料理教室。おとな用と子ども用があり、今年の7月から18か月間開催される。習って食べるだけでなく、授業内容に沿って、建物の中庭に作られた野菜畑の訪問も。ちなみに、この野菜畑だけを見学することも可能である。トマト、ズッキーニ、ナス、ベリー類がパリの16区の美術館において、すくすく育つ作物の姿をみるのはなかなか感動的だ。

大人用の料理教室の風景。

こちらは、子ども用。

客のテーブル脇のキッチンで、シェフのジル・スタサールが料理を用意する。

野菜畑だけの見学も可能。
2つめは「NOMIYA」。呑み屋といっても大衆酒場ではなく、洗練された食事の場である。
ポンピドー・センターで昨年マルセル・デュシャン賞を受賞したコンテンポラリー・アーチストのローラン・グラッソーのアイディアによるコンセプトで、場所はパレ・ド・トーキョーの屋上だ。「パリを歩く人が、ここの灯りを見て何?と疑問に思う。そして、どうしたら、そこに行くことができる? と、方法を探す。こうした疑問を生じさせることをクリエートすることも、コンテンポラリーアートである」と彼は説明する。
昨年、屋根の上には60年代インテリアの1部屋からなるカプセルホテルが置かれていた。今回はその二倍の広さで、72平米の縦長のスペース。入るとキッチンがあり、 その奥のエッフェル塔に面したガラス張りのスペースに12名が相席で食事をする大きなテーブルが置かれている。ここで見知らぬ者同士が出会い、そして言葉を交わすことになるのは確かに呑み屋的である。シェフのジル・スタサールは素材にインスパイアーされたクリエーションをする。たとえば、”サバを仕入れたら、卵が入っていたのでそれを使ってタラマを作ってみました”だったり、添え野菜の上に乗せたエビせんべいは前夜の食事で海老を使ったのでそのカラを活用して……”というように。驚きをクリエートするべく、5皿からなるメニューは事前には明かされない。

ガラスの囲いの向かいに、エッフェル塔が!下にはケ・ブランリー美術館、セーヌ川の眺め。
料理教室、NOMIYAともにエレクトロリュクス社の先端技術を導入した調理器具が供えられているのは、語らずもがな。予約はどちらもインターネットにて。
会場:Palais de Tokyo
13,avenue du Président Wilson,
75116 PARIS
予約:www.art-home-electrolux.com
子供(6歳から):16時~18時(水、土) 参加費用15ユーロ、
大人:12時~14時(火~金) 13~15時(土、日) 参加費用20ユーロ
NOMIYA
ランチ:12時~14時30分、60ユーロ
ディナー:19時30分~23時45分、80ユーロ。
※希望日の1か月前の10時(フランス時間)が予約開始日。例えば、今日が7月8日なら、8月8日の予約ができる。8月8日以前の日でも席に空きがあれば、予約が可能。なお予約は2名、4名というように偶数単位でしか受け付けない。12席を予約して、貸し切ることもできる。