次のパリ旅行、7区のレスキュデラで食事をしてみない?
Paris 2020.10.05
パリ旅を複数していても、この辺りはあまり行くことがないなあ、という場所が誰にでもあるはず。レストランの「L’Escudela(レスキュデラ)」があるのはアンヴァリッドの下部で周囲には観光名所やブティックもない。なじみのない地区だと思う人も多いだろう。レスキュデラに来る人たちは何かのついでにではなく、このレストランで食事することを求めてやってくるのだ。
浮き彫りが美しいお皿を額に入れて壁に並べ、それぞれに照明を当てている内装にまずは目を奪われる。これは店名がフランス南部の地方オクシタニーの方言(オック語)で、お皿を意味することがインスピレーション。ブルーと深みのある赤でまとめられた店内はモダンで、どことなく秘密クラブというか親密な雰囲気が感じられる。

温もりを感じさせるこぢんまりとした店内。
ピアノ、ラグビーを愛するシェフのポール=アルチュール・ベルランはカルカッソンヌ地方の出身。オスロでも料理修業を積んだ彼は、ル・ムーリスにてヤニック・アレノのもとで仕事をし、テレビ番組「トップ・シェフ」では2007年度に準決勝まで進んだというキャリアの持ち主である。レスキュデラをオープンしたのは2015年。界隈の住民、近所で働く人々に支持され、そしていまや遠方や海外からも……というレストランに。流行りの店が集まる地区の、トレンドがメニューを決めるレストランでは、味のない軟弱な料理にがっかりすることも多々あるけれど、レスキュデラでは失望しないおいしい食事が待っている。

アラカルトより。左はキュウリとグラニースミスのジュレが包みこむカキ。上にはキャビア、西洋ワサビのクリーム。右は備長炭スモークのリ・ド・ヴォー。

レスキュデラ・トリオ! 左から、プロのサービスで店を仕切るオーレリアン・フォール、キッチンで腕を振るうジェローム・ローラン、シェフのポール=アルチュール・ベルラン。
いまではどこの店も売りにしているけれど、素材の新鮮さ、旬、産地などにこだわっているのは開店当時から 。お皿を彩るのは、フランス南部、地中海の明るくポジティブな料理。見た目はシンプルでも、複雑な調理とアイデアが生む味わいを口の中で感じずにはいられない。ランチあるいはディナーで時間に余裕があれば試したいのがコースメニュー。2種あって、前菜、メイン、デザートの3品で構成される44ユーロのメニューは、2カ月ごとにテーマが替わる。たとえばブラック&ホワイト、柑橘類、カフェ……というように。いまは、きのこである。55ユーロのコースはお任せで5品構成。これはテーブル同席者全員が揃ってオーダーする必要がある 。ランチ、ディナーともにアラカルトでもOK。なおタパスメニューにはサーディン、イベリコハムの盛り合わせも。ガストロノミーのクオリティとビストロの気軽さが見事に合体したレスキュデラへ、ぜひ次のパリ旅で!

ランチタイムのアラカルト。左はアミューズ。黒い塊はブーダン・ノワールの揚げ物だが、ブーダン・ノワールのイメージを覆すおいしさと食べやすさ。右は前菜「アニス風味のメロンのガスパチョ」(11ユーロ)。アーモンドミルクのアイスクリームと潜ませたナッツのカリッとした食感がガスパチョの味を引き立てている。

左:ランチタイムだけの本日のメイン(16ユーロ)は日替わり。右:ランチタイムだけのカフェ・グルマン「Café Trop Bon」(12ユーロ)。右下はパリブレストをもじったパリ・カルカッソンヌ。
41, Avenue de Ségur
75007 Paris
tel:+33-(0)9-70-38-61-08
営)12時〜14時、19時30分〜21時30分
休)土、日
www.escudella.fr/ja
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réalisation : MARIKO OMURA



