パレ・ロワイヤルに移転、パリに行ったらカルティエ現代美術財団へ。

Paris

Fondation Cartier pour l’art contemporain
カルティエ現代美術財団
[ パレ・ロワイヤル ]

エントランス前には、イタリアの巨匠アレッサンドロ・メンディーニの作品やボディス・イセク・キングレスの模型を展示。

パリの中心で現代アートに没入する。

昨秋、カルティエ現代美術財団は14区からパレ・ロワイヤル広場2番地に移転オープン。舞台は、ルーヴル美術館を正面に望む石造りの建造物だ。

1855年築、フランスの歴史的建造物に指定される建物の外観はそのままに、旧美術館と同様、巨匠ジャン・ヌーヴェルによってモダンな内装へと一新。8500平米の広大な空間は地下1階から2階まで緩やかに繋がり、回遊性のあるユニークな構成。高い天井や中央の吹き抜け、ガラス窓が開放感を演出し、展示内容に応じて自在に組み替えられる構造も特徴的だ。アーティストに呼応する自由な場として、美術館を捉えた建築哲学が垣間見える。

94歳のコロンビア人作家オルガ・デ・アマラルによるテキスタイル作品。手織りと染色で壮大なファイバーアートを生み出す注目の作家だ。©Cyril Marcilhacy

カルティエ財団の歴史は、そもそも「アートの実験と対話を育む場」として始まった。1984年に、現在で言うアーティスト・イン・レジデンスを設立。最初の参加者は、セザール賞のトロフィで知られる彫刻家セザールだった。世界中からアーティストが参加し、多彩なジャンルの作品が生み出されたが、共通するのは自然や科学、移民、異文化など、現代の社会問題に目を向けていること。40年にわたり、参加者が残した作品数は4,500点にも上る。

樹脂やシリコンで日常の情景をリアルに再現する現代芸術作家ロン・ミュエク。4月29日より森美術館でも個展が開催中。

開幕展では、この圧倒的な所蔵作品から600点を厳選。イタリアのデザインスタジオ、ファルマファンタズマによる会場構成のもと、現代性を反映した4つのテーマで多様な作品を紹介する。注目すべきは、オルガ・デ・アマラルやマシュー・バーニー、ロン・ミュエクなど、近年の個展が評判だったアーティストたちだろう。

カラー写真の先駆者ウィリアム・エグレストンが京都で撮ったシリーズ。雑多な景色から美しい反射や豊かな色彩を捉える。

また、パティ・スミスやデイヴィッド・リンチによる私的な作品も印象的だ。パリの中心で、より多くの人に扉を開いたカルティエ財団。今後も、多文化が交差する場として育まれていく。

  • 2008年にパティ・スミスがポラロイドで切り取った詩的なパリ。

  • カルティエ財団と30年以上協働するマシュー・バーニー。映画作品とその世界観を投影した彫刻を展示。

  • 機械や乗り物を手がけてきたパナマレンコによる潜水艦。

  • 1970~2006年、デイヴィッド・リンチが付箋やメモ帳に描いたブラックユーモア満載のストーリーボード。

  • 日本人作家の作品も豊富。森山大道の近年のカラー写真も見ごたえがある。

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Fondation Cartier pour l’art contemporain
カルティエ現代美術財団

2, place du Palais Royal 75001
01-70-65-47-00
ⓂPALAIS-ROYAL – MUSÉE DU LOUVRE
開)11:00~22:00(火)、11:00~20:00(水~日)、11:00~18:00(12/24、31) 
休)月、1/1、5/1、12/25
料)一般15ユーロ
https://www.fondationcartier.com/

Google Map

  • photography: Mari Shimmura
  • coordination & text: Momoko Suzuki
  • ●1ユーロ=約184円(2026年5月現在)
  • ●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。
  • ●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅を示しています。 
  • ●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間やイベントの開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

*「フィガロジャポン」2026年5月号より抜粋