「星のや 竹富島」は島の集落そのもの、
屋根でシーサーが見守る叙情的な町並み再現。
「星のや 竹富島(Hoshinoya Taketomi-jima)」竹富島/沖縄八重山諸島群
ホテルへBon Voyage 2012.06.29
2012年6月1日、八重山諸島のひとつ、竹富島に、待ちに待った「星のや 竹富島」が誕生しました。日本でも希少価値の高い伝統的町並みが保存された島に、リゾートは、その島の伝統や文化を余すところなく演出。3つある集落に次ぐ、4番目の新しい集落が誕生したような趣を見せています。
本当の集落のようなリゾートの家並み。グック(琉球石灰岩)はひとつとして直線がないのも、屋根のシーサーもすべて魔除け。
竹富島は石垣港からフェリーで10分ほど。珊瑚が隆起した小さな島ですが、3つの集落が景観を守り、八重山地方独特の屋根瓦の家並みが美しく情緒的です。今までは民宿が何軒があるのみで、牛車に乗りに来て町を巡る観光客のほとんどが石垣島に戻り、滞在することがなかったといいます。ところが「星のや 竹富島」の誕生により、未だオープン間もないにもかかわらず、すでに首都圏からも、また全国からも'星野リゾートファン'を始めとする沖縄好き、リゾート好きが飛んでくるようになりました。民宿派だけではなく、リゾート派も、この美しい島に滞在ができるようになりました。
(左)レセプションで迎えてくれる温かな笑顔にホットします!(右)宿泊棟を抜ける路地。美しい集落のよう。
竹富島は実際にはメジャーな島ではありませんでした。しかし、八重山諸島の中でも最も伝統を色濃く残す島として知られ、島の周囲はわずか9.2km、面積は5.4k㎡、人口も346名という少数です。島全体が西表石垣国立公園に指定されていることもあり、美しさは際立っています。3つの集落の町並みは重要伝統的建造物群保存地区に制定され、ここそこに珍しい蝶が舞い、星砂で有名なビーチもあり、日本最大のサンゴ礁、石西礁湖に囲まれた本当に貴重な自然環境が残された楽園のようです。その島に生まれたリゾートですから、容易い経緯で進められたはずはありません。島が抱えていた土地問題、どうしたら島の土地を守れるか・・・。そこに星野リゾートと竹富島の関係が生まれたというわけです。
(左)客室の広い庭の片隅に造られたテラス席。(右)客室内、手前がデイベッド置かれたリビング(広い縁側)。
(左)バスタブは風が通るフローリングのスペースに。もちろんドアも閉められる。(右)敷地の中央に造られたプールは24時間開放。
しかしながら最初から順風にことは進まず、星野リゾートは島の人々の'信頼'を得るのに時間を惜しまず費やしたといいます。かくして島から大きな信頼と期待を得た星野リゾートが、島の文化伝統、規律、条例、そして環境問題まですべてをクリアして出来上がったのがこのリゾートなのです。部屋数は48棟、すべてが庭付きの一頭立てという贅沢さ。まさに'島の別荘'に滞在しているような趣があります。
(左)集いの館に隣接するレストランのテラス席。(右)思わずすべてが飲みたくなる朝のフレッシュ島ジュース。
(左)この日の島の朝ご飯。和食と洋食が選べる他、インルームダイニングもお薦め。(右)この日の洋食ブレックファースト、島の素材がたっぷり。
風が通る造り、南に向いた赤い屋根瓦の家並み、屋根に鎮座するシーサーの向き、珊瑚の白砂の路地・・・南の島を堪能できるゆったりした滞在に最高のリゾートができました。石垣牛や島豚、八重山の海の新鮮素材、沖縄の伝統野菜などを使い独自の創作料理としたフレンチ「琉球ヌーヴェル」は、気取りがなく素直に美味しい。精鋭のフレンチシェフ、中洲達郎氏のファンが押しかけそうです。(K.S)
(左)見晴し台」からはリゾートの全貌が見え、反対側には海が広がる。(右)近くのビーチで早朝のストレッチと深呼吸、アクティビティ「よんなー深呼吸」。
星のや 竹富島
沖縄県八重山郡竹富町字竹富1955
Tel 0980-84-5888
www.hoshinoyataketomijima.com
(星のや総合予約:050-3786-0066)
客室数:48棟(すべて1棟建て)
料金:(1室2名利用1名料金、食事は別)27000円~、
施設:集いの館(ダイニング、ゆんたくラウンジ、
フロント、ショップ)、プール、スパ、ガジュマルテラス、見晴台
アクセス:石垣島港よりフェリーで10分

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com