「マルシェ」においても日本にフィーチャー。

Culture

カンヌ国際映画祭は、映画の配給権などが売買される「マーケット」が併設されている。むしろ、世界最大級の映画マーケット「マルシェ・デュ・フィルム」(以下マルシェ)が、カンヌ映画祭の存在感を底上げしているといってもいい。

是枝監督や深田監督、安藤サクラが駆けつけたオープニングナイト。©Atsuko Tatsuta

その「マルシェ」において、今年の「カントリー・オブ・オナー」(COH)としてフィーチャーされているのが日本だ。カントリー・オブ・オナーとは、マルシェで毎年ひとつの国や地域にスポットを当て、その映画産業や才能を世界の業界関係者に紹介するプログラムだ。COHとしての日本の参加は、経済産業省、JETRO、そしてJapan, Country of Honour 2026実行委員会が主導し、オープニングナイトの共催を皮切りに、パネルやネットワーキングイベントなどを通して、日本の映画、アニメーション、コンテンツ産業を世界にアピールした。

日本は実は世界の映画界の大きな担い手。

TIFFCOMとの共同企画として開催された「Japan IP Market」には、アミューズクリエイティブスタジオ、KADOKAWA、日本文芸社、日本アニメーション、松竹、主婦と生活社、東映などが参加。漫画、小説、アニメーションなど、日本が得意とするIPを海外で、あるいは海外資本と共同で映画化・映像化へと繋げるためのピッチや商談が行われた。

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パネルやネットワーキングイベントが開催。©Atsuko Tatsuta

過去にカンヌのコンペティション部門で上映された日本映画の名作を特集する「Japan Screening Day」では、今村昌平監督の『黒い雨』、市川崑監督の『おとうと』、同じく今村監督のパルムドール受賞作『うなぎ』、小林正樹監督の審査員特別賞受賞作『怪談』を上映。“新しい日本”だけでなく、日本映画界の“資産”を同時に発信することで歴史に裏付けられた日本映画の豊かさをアピールし、日本映画の魅力をあらためて世界に届けようという試みでもある

日本では2025年に1,305本(うち邦画は695本)された。全体の年間観客動員数は1億8900万人、興行収入は2740億円と、世界興行ランキングでも第5位に位置づけられる映画大国といえるが、一方で海外との共同製作作品や、国際的な配給、およびIP展開にはまだ大きな可能性がある。

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今年はコンペに3作!日本映画の実力をアピール。

近年は、隣国韓国の映画、ドラマなどのポップカルチャーが注目を浴びてきたが、コンペティション部門に日本映画が3本(濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』、是枝裕和監督『箱の中の羊』、深田晃司監督『ナギダイアリー』)が選出されたタイミングで、日本がマルシェにおいてもカンヌでプレゼンスを高める機会を得たことは大きいだろう。こうした活動は、即座に結果が出るものではないが、だからこそ続けることに意味がある。

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濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』のレッドカーペット後。©Momoko Suzuki
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是枝裕和監督『箱の中の羊』のレッドカーペット後。©Momoko Suzuki

  • text: Atsuko Tatsuta
  • editing: Momoko Suzuki