キャサリン皇太子妃、そのスタイルが称賛される理由とは?
キャサリン皇太子妃の気品あるファッションはよく称賛されている。皇太子妃の服装に関する批判は皆無と言っていい。それはなぜなのだろう。

彼女はまるでおとぎ話のプリンセス。豊かな髪は(金髪ではないけれど)ラプンツェルのよう、歯並びのきれいな笑顔を見せながら、華やかなカラードレスをまとったキャサリン皇太子妃はとてもきれいだ。しかも数々の困難を乗り越えてきた。ウィリアム皇太子の心を射止め、平民出身ながら王室の中で確固たる地位を築き、がんも克服した。キャサリン皇太子妃は完璧だ。いや、完璧すぎるのかもしれない。と言うのも、たまに批判めいたことを言う人は、まさにその「欠点のなさ」をとりわけファッション面で指摘するからだ。
「たまに」と書いたのは、実際にはコートの形にしても帽子のヴェールにしても、ほとんど批判を聞かないからだ。キャサリン皇太子妃は先代のダイアナ妃をも超える不動のアイコンとなった。ダイアナ妃はその生きざまから死に至るまで、波乱万丈の映画のようだった。夫のチャールズ皇太子(当時)が英国のテレビに出演して不倫を告白し、直後にまとって登場したのが、かの有名なブラック「リベンジドレス」。それ以前にもサイクリングショーツにスウェットシャツというスポーティーな装いが話題になった。ダイアナ妃は結果的に王室に逆らった形となったものの、そもそもは同じ世界に属している人間であった。名門貴族の家に生まれ、ウィンザー家によって選ばれた女性だったのだ。一方でキャサリン皇太子妃は平民出身であり、大学でウィリアム皇太子と出会い、恋愛結婚をした。実際、結婚から15年が経った今でも、彼女は「ケイト・ミドルトン」という結婚前の姓で知られている。まるで彼女が王室に完全に取り込まれていないかのように。
皇太子妃の優等生的な面(確かにファッションではほとんど冒険をしない)に人々はいら立つどころか親近感を抱き、「国民」、すなわち彼女自身も長年属していた「平民」からの支持を得ている。そうした人々の気持ちをわかってくれる存在だと見なされているのだ。公務で完璧に振る舞う姿の裏に隠された努力と自己管理能力を人々は称賛する。がんの寛解を公表してから皇太子妃はこれまで以上に堂々としている。長年、皇太子妃のスタイリストだったナターシャ・アーチャーは現在、コンサルティング会社を立ち上げ、もう皇太子妃のために働いていない。いまでは皇太子妃が自ら服を選んでいる。それでもこれまでと変わらず親しみやすくて分かりやすく、訪問先や行事、出会う人々を考慮したファッションとなっている。こうしてトランプ米大統領の訪問時にはゴールド好きの大統領のためにゴールドのドレスを着て登場した。マクロン仏大統領と会う際には、フランスの三色旗の色を取り入れたセットアップだった。そして数ヶ月おきに同じ服を着ることもためらわない。
細やかでブリティッシュなセンスの良さが感じられる服は、優雅な細身の体型にもよく似合っている。キャサリン皇太子妃が批判されないのはそのスタイルがひとつの絶対的な原則に基づいているからだ。それは決してリスクを取らないこと。大胆なファッションで知られるデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドは、まさにその点を批判していた。「皇太子妃はどこの店でも買えるような服を着て、普通の女性のイメージを発信している」と。もうひとつ、時代の変化もある。ダイアナ妃に対して行きすぎた取材をしたタブロイド紙は教訓を得た。SNSを通じて皇太子妃は語るべきストーリーをコントロールするようになった。家族写真を撮影するのも公表するのも本人だ。着用ブランド名を公表しない方針も決めた。人々の関心を服装ではなく、自分が取り組む活動や支援に向けてもらうためだ。これまで彼女が公の場で着用した服やアクセサリーが爆発的に売れることを自慢してきたブランド側にとっては大きな痛手だろうけれど。キャサリン皇太子妃は現代的なプリンセス。彼女を嫌いたいと思っている人でさえ魅了されてしまう。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Recommend
- text: Elvire Emptaz (madame.lefigaro.fr)