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PIPER-HEIDSIECK
マリリン・モンロー生誕100周年、パイパー・エドシックが彩った華やかな夜。
ブロンドヘアに赤い唇、風を受けてひらめく白いドレス——。ハリウッド黄金期の寵児にして、時代を越えるアイコン、マリリン・モンロー。その生誕100周年を迎えた2026年6月1日、彼女が愛したシャンパーニュ「パイパー・エドシック」による特別イベントが開催された。フィガロジャポン編集長・森田聖美も登壇し、パイパー・レッドに染まる一夜を祝った。
マリリン・モンロー生誕100周年のバースデーに、特別なボトルが発売。

1926年6月1日、ロサンゼルスに生まれたマリリン・モンロー。そのバースデーにちなみ、「シャンパーニュ パイパー・エドシック ブリュット マリリン・モンロー リミテッド・エディション」が発売され、同日、お披露目のイベントが開かれた。ボトルには輝く笑顔のマリリンと彼女のサインをあしらい、パイパー・レッドが印象的に映える。ボトルの中身はメゾンの代表作であるブリュット。ピノ・ノワールを主体に、ムニエ、シャルドネをブレンドし、洋梨やリンゴ、ナッツ、トーストのニュアンスが広がる、いきいきとした味わい。まさにマリリンの愛したシャンパーニュである。
マリリン・モンローがパイパー・エドシックを好んで飲んでいたことは広く知られており「To Piper, my favorite.(私のお気に入りはパイパー・エドシック)」という言葉も残している。さらにメゾンは当時、彼女のために、名前とニューヨークの住所を刻んだ特注のシルバー製ワインクーラーを制作。今回のリミテッド・エディションは、そうした実際の関係性を背景に誕生したものだ。
パイパー・エドシックは、1785年にランスで創業したシャンパーニュメゾン。映画との縁も深く、1933年公開のローレル&ハーディ主演映画『Sons of the Desert』に登場して以来、300本以上の映画に登場してきたという。90年代初頭から2019年まではカンヌ国際映画祭、15年から21年まではアカデミー賞授賞式の公式サプライヤーも務めた。
この日のドレスコードは「サムシングレッド」。赤いドレス、赤い靴、赤いリップやネイル、ポケットチーフ……。ゲストたちは思い思いの赤を装いに取り入れて来場した。パイパー・エドシックのラベルを彩るパイパー・レッドは、メゾンが長く関係を築いてきたカンヌ国際映画祭のレッドカーペットに由来する色。映画、グラマー、祝祭をつなぐ赤が、会場全体を華やかに染めた。
誰もが知るマリリン・モンローの、「ひとりの女性」としての姿とは?

グラスを手にしたゲストの前に、パイパー・エドシック ジャパン カントリーマネージャーの本間寿一とフィガロジャポン編集長の森田聖美が登壇。本間の「Santé (サンテ)!」のひと声で、会場は一気に華やいだ。本間は、シャンパーニュは大きめのグラスで空気に触れさせることで表情が開くと説明し、ゆっくりと味わうことを勧める。

続いて森田が語ったのは、誰もが知る“マリリン・モンロー像”の向こう側にある、ひとりの女性の姿だった。
「マリリン・モンローというと、シャンパーニュ、シャネル、ブロンド、セックスシンボル……いろいろなイメージがあると思います。でも実際の彼女には、知性やプロデューサー気質、演技力を高めようとする努力がありました」
そう切り出した森田は、ビリー・ワイルダーをはじめとする名監督たちと仕事を重ね、俳優としてのスキルを磨こうとしたマリリンの姿に触れた。ハリウッドが彼女に求めたのは、無邪気でチャーミングなブロンド美女というイメージだったかもしれない。けれど彼女自身は、その枠の中に収まることを望んでいたわけではなかった。自らの制作会社を立ち上げ、演技を学び、映画作りに真剣に向き合った女性でもあった。

この日、森田は学生時代に購入したというマリリンの写真集をステージに持参した。「年がバレちゃうんですけれど」と笑いながらページをめくり、「この写真が好きなんです」と紹介したのは、スクリーンの中の完璧なスターとは少し違う、素の気配を感じさせる一枚だった。
「とても華やかで、セクシーな表情を見せる人だけれど、実際には、ちゃんとした場所で練習し、悩みながら、自分のポジションを自分で作っていった女性だった」
森田の言葉には、アイコンとして消費される存在ではなく、自分の人生を選び取ろうとしたひとりの女性への共感がにじむ。1950年代という、女性の選択肢が限られていた時代に、自分の立場を自ら築く。その姿勢は、いまを生きる女性たちにも響くものがある。
「華やかで、グラマラス。でもその奥には、繊細さや努力、真面目さがある」
森田が描き出したマリリン像に、本間も頷く。パイパー・エドシックもまた、赤とゴールドの華やかな印象を持ちながら、実際には繊細で緻密なものづくりを続けてきたメゾンだ。
会場を彩った、泡とファッション。

この日供されたのは、メゾンを象徴するブリュットと、艶やかな色調のロゼ・ソヴァージュ。ロゼ・ソヴァージュは、ピノ・ノワールを主体に、ムニエとシャルドネ、さらにレ・リセ主体のシャンパーニュ地方の赤ワインをブレンドすることで、鮮やかな色彩と豊かな果実味を表現したロゼ・シャンパーニュ。熟した赤い果実を思わせる香りとしっかりとした骨格をもち、マリリンのチャーミングさと芯の強さを思わせる。
トークの後は、フィンガーフードとシャンパーニュを楽しむ時間へ。来場者はフォトブースで写真を撮ったり、展示されたパネルやワインクーラーを眺めたりしながら、思い思いにパイパー・エドシックの世界を楽しんだ。黒に赤を効かせた装い、華やかなドレス、赤いリップやネイル。会場全体が、銀幕のスターをめぐる小さな映画のワンシーンのようだった。

イベントの締めくくりにはベストドレッサー賞が発表され、森田、本間、そしてユアセラー(正規輸入代理店・日本リカーの公式ワイン通販サイト)スタッフがそれぞれ1名ずつ、計3名を選出した。森田が選んだのは、フルレングスのシルエットをコンパクトかつ知的にまとめたゲスト。「皆さま本当にファッショナブルで、どなたを選ぼうか、ずっと悩みながら拝見していました」と語りつつ、すっきりとまとめたヘア、コットン素材のドレス、胸元に光る日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートのバッジまで含めて、クールで心地よい装いを評価した。本間は「写真を撮る無邪気な姿がマリリンを思わせる」と、ストライプのワンピースのゲストを選出。ユアセラー賞には、会場を大いに盛り上げた、マリリンさながらのブロンドヘアのゲストが選ばれた。
自分の人生を生きる人に似合う、パイパー・エドシックというシャンパーニュ
マリリン・モンローはいまなお世界中の人々を惹きつける。その魅力は、ただ美しかったからではない。時代が求めるイメージを背負いながら、それでも自分の人生を自分で選び取ろうとしたからこそ、彼女はいまも新たな視点で語り直される存在であり続けるのだろう。カンヌのレッドカーペットから生まれたパイパー・レッド、グラスの中で弾ける泡、ゲストの装いに彩りを添えた赤。パイパー・エドシックの華やかな夜は、マリリンの笑顔のように、鮮やかな余韻を残して幕を閉じた。

- photography: Yuji Komatsu text: Hiromi Tani