光あふれる夏のストックホルムへ! 美術館やユニークなカフェを巡る計画。

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スウェーデンに夏が到来! 過ごしやすい気候と長い日照時間を満喫するヒントを現地ライターが案内する。北欧唯一の現存する絹織物工場を訪れたり、ユニークなカフェでひと息ついたり、圧巻の建築やアートコレクションに触れ、美しい夏景色に心奪われる一日を計画してみて。

例年に漏れずヨーロッパ諸国に猛暑の夏が早々と訪れている。そんな中、スウェーデンでは6月後半の3日間で36度という今年の最高気温を早速記録。7月15日の時点で、南のスコーネ地方が30度前後の一方で、北のキルナ市や最北端の街では9度から15度。そんな過ごしやすい土地へ避暑を求めてか他国から旅行者が増えている。今回は、知る人ぞ知る隠れ家的な場所をご紹介しよう。

〈美術館〉
K.A Almgren|コー・アー アルムグレーン 絹織物工場&ミュージアム

1844年からはスウェーデン王国王室御用達にもなっている。間近で見られる機織り機達からは歴史の重厚さが感じられる。

セーデルマルムで見つけた、北欧唯一の絹織り工場へ

イタリア、イギリス、そして日本が有名な絹織りだが、コー・アー・アルムグレーンは北欧で唯一の現存する絹織り工場および博物館だ。1860年代の姿そのままの機織り機で絹のジャカード織を手がけている。ストックホルムの若者世代やヒッピーに人気のセーデルマルム地区にこんな静謐な所があるなど意外でもあり、さらには歴史と現代が交差する素晴らしい場所でもある。機織りのあるエリアの他には、現場監督の元オフィスだったところがブティックとレセプションに、そこを通り抜けると絹糸の保存場所、そして地直しをする場所など1800年代当時の様子が垣間見える。更にその上階は、展示会場にもなっているのでお見逃しなく。同工場での歴史はもちろんだが、定期的にシルク関連のアート作品の企画展示が催され1粒(館)で2度おいしいとはまさにこの事だ。

伝統的な絹の生地やリボンにまつわる歴史が盛り沢山。大きいスクリーンのある動画室もあり、コンファレンスやワークショップなどでも利用される。

〈カフェ〉
Cafe Crum Heaven|カフェ クラム ヘヴン

展示されているアートのみならず、ユニークな内装・家具類も目を見張るものがあり飽きない。

ユニークなアートスペース兼カフェでひと休み。

ミュージアムから徒歩5分ほどの場所にある「カフェ クラム ヘブン」へ。絹織り工場の静謐さとは対照的な一風変わった空間。カフェとはいえど、ナチュラルワインの種類も豊富で食事のメニューもおいしい。ここで見逃してはいけないのが、バスクチーズケーキ。人気商品だが毎日作っているわけではないのであったらラッキーもの!

アートスペース/バー/カフェと謳っている通り定期的に変わるアート作品も見もので、自分の好きな作品の目の前を陣取ってゆっくり眺めたり、ワイン片手に店内のアート鑑賞に浸るのもいい。営業時間が12時から通しで同じメニューなので、時間を気にせずに、コー・アー アルムグレーンに先に行って遅めのランチ、もしくはアペリティーボ的な時間を過ごせる。

左:豆の煮込みラタトゥーユ風、サラダとサワードウのパン付き。ベジの他には肉か魚料理、サンドイッチ系メニューもあり。 右:6月の展示「Dark Age」。7月は「Next Stop: Stockholm 」によるブックリリースが予定されている。

K.A Almgren sidenväveri&museum
コー・アー アルムグレーン 絹織物工場&ミュージアム
https://www.kasiden.se/

Cafe Crum Heaven
カフェ クラム ヘヴン
@crumheaven

〈美術館〉
Thielska Galleriet|ティルスカギャレリー

増築された「ムンクサロン」。「叫び」で有名なエドワード・ムンクによるティルス氏の肖像画を始めとする秘蔵の作品が見られる。

名建築で出合う、珠玉のアートコレクション。 

アートコレクターとしても有名だったアーンストとシグネマリア・ティルス夫妻。1924年までに実際に彼らの家だった場所がギャラリーミュージアムになったのだが、ユールゴーデン島の外れに位置する絶景と息を飲むほどに美しい建物に感嘆されるばかりだ。北欧の著名作家カール・ラーションやエドワード・ムンク、アンデルシュ・ゾーンやアウグスト・ストリンドベリらの作品を中心に、ゴーギャンやロートレックなど他の大きいミュージアムにも引けを取らないコレクションも魅力。それらの常設展は最上階の旧ダイニングルームとサロンにて催され、2階にあたるティルス家のベッドルームだった場所では、企画展や特別展が入れ替わりで催されている。

コレクションに限らず見入ってしまうのが、建物の建築だ。イタリア・ルネサンスや南欧、更には東洋の建築様式を想起させるような手法のは、後期アール・ヌーヴォー特有の形態も感じる。また、彫刻パークと呼ばれるほど広い庭園では、ロダンをはじめとする様々な彫刻作品も見られ、室内に限らずつい足を延ばして散策したくなる。

〈カフェ〉
Rosendals Trädgård|ローセンダールの庭園カフェ

最寄りのトラムの停車場から緑の林の中を進むと、野菜・お花畑と続きアートにも出くわした先に庭園カフェが待っている。

スウェーデンの夏を満喫する、ローセンダール庭園カフェ。

隠れ家的な存在ではないものの、「ストックホルムに来たらまずはここ!」的な王道、そして大人気のローセンダール庭園カフェ。前出のティルスカミュージアムにもカフェがあるが、ぜひこちらを訪れて野菜や花が咲き乱れる空間、そして温室での植物たちを眺めながらのひと時を楽しんでほしい。レストランは長蛇の列が予想されるので、比較的人の少ないブティック兼カフェでフィーカを買うのもおすすめだが、できたらピクニックの準備をしてリンゴ木の下で鳥の囀りや風が葉を揺らす音に耳を傾けながらくつろぐのが最高だ。

路順としてはローセンダール庭園カフェまでトラムもしくはバスで行き、フィーカを楽しんでからティルスカギャレリーまで水辺に沿って約30分程度歩くのが理想的だ。アートを十分堪能した後は近くにボート乗り場があるので、市内のエステルマルムまで。ボートからからは、ユールゴーデン島の別景色が楽しめる。都合にあわせて逆路順からスウェーデンの夏を味わうのもよし。

本当の意味で一日中遊んでいられる、これこそ日が長いスウェーデンの夏の醍醐味だ!

Thielska Galleriet
ティルスカギャレリー

https://www.thielskagalleriet.se/

Rosendahls trädgårdskafé
ローセンダール庭園カフェ

https://www.rosendalstradgard.se/

神 咲子

ライター

在スウェーデンライター。コーディネート業も行うが、本業はレストラン業だった。そして50歳を過ぎてから、鉄道の電車の運転手に。スウェーデン中間部、東海岸のスンズヴァル市から西に一直線、ノルウェーとの国境のストールリーエン市を運転する日々を送る。

●1デンマーク・クローネ=約24円(2026年7月現在)