「特注のティアラ」「現代的な美意識」両シチリア王国のマリア・カロリーナ王女のジュエリーに注目!
ヨーロッパの王女たちとは異なり、マリア・カロリーナ・ディ・ボルボーネ=ドゥエ・シチリエには、国家行事などで代々受け継がれてきた歴史的なジュエリーコレクションがあるわけではない。だからこそ、彼女は自ら身につけるジュエリーによって、独自のスタイルを築いている。それは、国際的な王侯貴族の家系を受け継ぐ者としての美意識である。
長い歴史を誇るヨーロッパの王室では、国家晩餐会をはじめとする公式行事の際に身につけられてきた、由緒あるコレクションジュエリーも受け継がれている。なかでも、スペインのレティシア王妃が身につけている常に象徴的な意味を持つジュエリーの数々や、キャサリン皇太子妃が受け継ぐ歴史的なティアラ、そしてエリザベス女王のアイコニックなジュエリーなどが挙げられる。19世紀末に両シチリア王国は消滅したにもかかわらず、マリア・カロリーナ王女とマリア・キアラ王女は近年、ヨーロッパの社交界や貴族社会で欠かせない存在として、その名を確立している。そして、彼女たちは登場するたびに、自身の個性を映し出すハイジュエリーを身につけていることが多い。そこには、王族ならではの伝統的なスタイルに加え、レッドカーペットを彩るハイジュエリー、さらにはSNSの影響も巧みに取り入れられている。こうしたスタイルは、ベアトリーチェ・ボロメオやシャルロット・カシラギといった人物に、より近いものだといえる。
というのも、一族には現在も、ブルボン=ドゥエ・シチリエ家の家系から受け継いだジュエリーや、母方のクロチアーニ家に由来する品々がいくつか残されているものの、ウィンザー家やベルナドット家とは異なり、その歴史は比較的新しく、一族が所有するジュエリーコレクションを記録した一般公開のカタログも存在しない。そのため、ジョルダン・バルデラのパートナーである彼女が、個人的にどのようなジュエリーをコレクションしているのかを知るのは難しい。
現代的な美意識
一方で、彼女がどのようなブランドを好んでいるのか、どのようなイベントでジュエリーを身につけているのか、そしてどのようなスタイルを好んでいるのかについては、知ることができる。そこから見えてくるのは、歴史的な趣よりも、現代的な美意識だ。ダイヤモンドのシャンデリアイヤリング、リヴィエールネックレス、カクテルリング、幅広のカフブレスレット……。彼女はさまざまな場面で、現代的なハイジュエリーを次々と身につけている。カンヌ国際映画祭からモナコのル・バル・ド・ラ・ローズまで、チャリティーガラや雑誌の表紙を飾る際にも、さまざまなジュエリーを披露している。プライベートでは、「アルハンブラ」ネックレスをはじめ、ヴァンドーム広場を代表するジュエリーメゾン、ヴァンクリーフ&アーペルのアイテムも披露している。
しかし、王女がとりわけ愛用しているブランドもいくつかある。その筆頭がショパールだ。ショパールは、23歳の彼女をカンヌ国際映画祭の期間中に開催するガラにたびたび招待しており、特に今年5月にも招待している。また、一家はショパールが開催する一部のイベントにも長年にわたって招待されてきた。王女の父、シャルル・ド・ブルボン=ドゥエ・シチリエも、かつてショパールのアンバサダーを務めていた。

王室御用達の公式ジュエラー
しかし、ほかの王室と同じように、ブルボン=ドゥエ・シチリエ家にも公式のジュエラーがいる。一家がオーダーメイドのジュエリー制作を任せているのが、イタリアのジュエラー、ジェネローゾ・ジョイエッリだ。10年以上にわたり信頼を寄せており、特に王女たちの誕生日には、特別に仕立てたジュエリーを制作している。2021年6月、18歳の誕生日を迎えたマリア・カロリーナ王女には、2枚の新しい公式ポートレートが撮影された。そのうち1枚では、植物をモチーフにしたまったく新しいティアラを身につけており、イヤリングも同じデザインでそろえられている。「レ・ジャスマン・デ・ブルボン(ブルボン家のジャスミン)」と名付けられたこのティアラは、1970年創業の同ブランドの50周年を記念して制作されたものだ。2枚目のポートレートでは、ローズゴールドとホワイトゴールドによるジュエリーセットを披露。各アイテムにはダイヤモンドと赤いサンゴがあしらわれており、「ピアネティ」と名付けられている。フランス語では「惑星」を意味する。
2014年から続いているこのコラボレーションは、今後も長く続いていきそうだ。「今でも、あのときの感情をうまく言葉にすることはできません。言葉では言い尽くせないほどの喜びと、まるで夢のような、信じられない思いに包まれていました。誇らしいというより、ただただ驚きでした。かつての君主たちの紋章と私の名前が刻まれたその文書を目にしても、まるで自分とは別の誰かに起きた出来事のように、しばらく静かに眺めていたのです」と、イタリア人ジュエラーは自身のウェブサイトに綴っている。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Recommend
- text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr)
- translation: Hanae Yamaguchi