スタイリスト・谷藤知可子に聞く、ニットを長くきれいに着るためのお手入れ。
秋冬のワードローブに欠かせないニット。でも、何回着たら洗う? ウールやカシミヤは自宅で洗える? 型崩れさせずに乾かすには? 意外と迷うことの多いニットのお手入れについて、スタイリスト・谷藤知可子に聞いた。日々のブラッシングから手洗い、洗濯機、クリーニングの使い分けまで、お気に入りの1着を長くきれいに着るために実践しているケアとは。

洗う前のひと手間が、ニットを長持ちさせる。
「ウールやカシミヤなら、私は3回くらい着たら洗うことが多いですね」谷藤さんが自宅で洗えるニットを洗濯するのは、3回ほど着てからがひとつの目安。だからこそ、洗わない日のケアも大切にしているのだそう。
「着た服は、脱いですぐにはクローゼットに入れません。汗やにおいが気になるので、まずはすこし風を通してから、しまうようにしています」
さらに習慣にしているのがブラッシング。「布帛の洋服はブラシを結構かけます。パンツのスソがダブルなものはマストです。クリーニングから戻ってきたものも、ブラシをかけてからしまうことがあります」

愛用しているのは、無印良品の洋服ブラシ。特別な道具を揃えるのではなく、手軽に続けられるケアを日常に取り入れている。
谷藤知可子に教わるニットの洗い方
「ウールやカシミヤは、基本的に自分で洗います」という谷藤さん。使うのは、エマールやアクロンなどのおしゃれ着用洗剤。ウールやカシミヤ専用の洗剤を試したこともあるそうだが、普段は手に入れやすいものを使っているという。
では実際どう洗ってる? 彼女が実践する5つのステップを教えてもらった。
1.洗面台にぬるま湯を張り、おしゃれ着用洗剤を溶かす。

2.ニットを入れ、首元、袖口、脇などを中心にやさしく押し洗いする。

3.流水を加えながら、泡がなくなるまで押すようにすすぐ。

4.バスタオルで包み、上から押して水分を取る

5.平干しネットに広げ、直射日光を避けて乾かす


すべてを手洗いしない、という選択も。
ここまで聞くと、谷藤さんはすべてのニットを丁寧に手洗いしているように思えるが、実際はそうでもない。「全部を手洗いしているわけじゃないです。比較的手頃なものだったり、もう2〜3年着ているものだったりしたら、洗濯機で洗うこともあります」
そんなときはニットをネットに入れ、おしゃれ着用洗剤を使い、短時間のコースで洗濯。
一方、モヘアなどの特殊な素材や、購入して間もない大切なニットはクリーニングへ。「モヘアみたいな特殊な素材だったり、買ってまだそんなに経っていないものだったりすると、クリーニングに出します」
素材だけで一律に決めるのではなく、価格や着用年数、その服をどれだけ大切に扱いたいかまで考えてケア方法を選ぶ。すべてに同じ手間をかけないことも、無理なくケアを続けるコツなのかもしれない。
大切な1着こそ、信頼できるプロの手へ。
自宅で扱いにくい素材や絶対に失敗したくない大切な1着はプロの手へ。谷藤さんは服の状態や素材に合わせて、近所のクリーニング店から、ファッション業界でも知られる専門店まで使い分けている。
SHOP LIST
レジュイール
ファッション業界人も御用達の高級衣料クリーニング専門店。
東京都港区南麻布1丁目5−18 FRビル
03-5730-7888
https://www.rejouir.co.jp/
きものトータルクリニック 吉本 南青山店
着物の染み抜き技術を生かし、部分的な汚れにも対応してくれる。
東京都港区南青山6丁目2−2
03-6427-2105
https://www.kimono-tuji.com/
THIS SEASON’S WISH LIST
正しいケアを知れば、お気に入りのニットともっと長く付き合える。最後に、谷藤さんが今季心惹かれた1着を教えてもらった。

谷藤知可子が今季心惹かれたのは、クロエのニット。立体的な編み地に、ピンクやブルー、ブラックの繊細な装飾を散りばめたクラフト感あふれるデザインが目を引く。シンプルになりがちな秋冬の装いに、遊び心を添えてくれそう。

谷藤知可子
スタイリスト。雑誌やカタログ、広告など多方面で活躍。長年のキャリアとトラディショナルなムードを軸に展開される緻密なスタイリングに、俳優やエディターからの信頼も厚い。
クロエ カスタマーリレーションズ
03-4226-3883
https://www.chloe.com/jp
ニトリお客様相談室
0120-014-210
https://www.nitori-net.jp/ec/
無印良品 銀座
03-3538-1311
https://www.muji.com/jp/ja/
- photography: Yudai Emmei(for Chikako Tanifuji)
- illustrator: Aki Iwasaki
- edit: フィガロジャポン編集部