【パリ夏の展覧会 1】プティ・パレで歩く19世紀前半のパリ。

Paris

ナポレオン3世の命を受けオスマン男爵が実行したパリ改造。そのパリをいま私たちが生きているのだが、さて、それ以前はどのようなパリだったのだろうか。それを知ることができるのがプティ・パレで開催されている『Paris Romantique(ロマン主義時代のパリ), 1815-1848』だ。歴史をおさらいすると1815年というのは失脚したナポレオン1世がセントヘレナ島に流され、ブルボン王朝による第2次王政復古があった年。そして1848年というのは2月革命で王政が倒され、ルイ=ナポレオン・ボナパルトがフランス第二共和政の大統領に就任した年である(ちなみに彼はその4年後に、第二帝政の皇帝ナポレオン3世となる)。この間、1830年には7月革命によりブルボン王朝が打倒され、ルイ=フィリップが王位につくという変化もあった。

最初の部屋で、1815〜1848年のパリを地図で紹介。 展覧会が扱う地区を色で示している。

短期間の中に起伏の大きな政治的変動のあった1815〜1848年のパリを散歩するように、会場は構成されている。チュイルリー宮、パレ・ロワイヤル、ルーヴル宮、ノートルダム寺院、1830年のパリ革命、カルティエ・ラタン、ショセ・ダンタンとヌーヴェル・アテーヌ、グラン・ブールヴァールと展開してゆき、1848年の2月革命がエピローグ。プティ・パレは毎回凝ったセノグラフィーを用意して来場者を楽しませているが、今回は、朝チュイルリーで散歩を始め、夜グラン・ブールヴァールでバレエや演劇など劇場の時間を楽しむ、という一日の流れで考えられている。おなじみの地区を2世紀遡って散歩できる展覧会。夏の暑い街を散歩するより、涼しくておもしろいのでは ?

今回の散歩コースの最初は、いまは亡きチュイルリー宮殿。この時代の豪華な家具や刺繍を展示している。

当時のパレ・ロワイヤルを会場内に再現!そぞろ歩く人々の服装を中央のガラスケースの中に見ることができる。

モード、オブジェなど高級品を扱うブティックが回廊に並ぶ様子は、いまも変わらず。

たとえば、このようにゴージャスなパリュール(装身具一式)も。

ルーヴル宮のサロン・カレ(方形の間)でフランス王立絵画彫刻アカデミーが主催する展覧会(サロン)を再現。

下は1839年のサロンに出品された、アングルの弟子ユージェンヌ・アモリー=デュバルの『イゾール・シャセリオの肖像』。

ノートルダム寺院のコーナー。

ノートルダム寺院を舞台にしたヴィクトール・ユーゴーの小説『ノートルダムのせむし男』のヒロイン、エスメラルダ。さまざまな作家の筆による彼女を展示。

展覧会の第5章は1830年、革命のパリ。バスティーユ広場の中央に立つ円柱は7月革命を記念する碑である。

カルティエ・ラタン。貧しい学生、お針子たちが暮らしていた。

多くの画家たちがアトリエを構えたヌーヴェル・アテーヌ地区。

ヌーヴェル・アテーヌ地区を語る時、フレデリック・ショパンは欠かせぬ存在だ。彼のピアノを置き、周囲にサロンに集まる人々の肖像画を展示。

グラン・ブールヴァール、つまり大通り。劇場が多数軒を並べていた。オペラ座は1821〜1872年にかけて、ペルティエ通りにあった。

プティ・パレではワイマールの美術館からのデッサンを展示する『Allemagne Romantique(ロマン主義時代のドイツ)』展も同時開催中。また、庭のカフェレストランも新しくなり、ミュージアムのレストランにありがちな便利だけど味は……というイメージを覆す本格的レストランLe Jardin du Petit Palais(ル・ジャルダン・デュ・プティ・パレ)が2階にオープンした。これまでどおり、サラダやキッシュといった軽食もカフェで取れる。プティ・パレは常設展(寄付2ユーロ)だけでも楽しめるので、レストランを目指して来た後に鑑賞するのもいいだろう。

『ロマン主義時代のドイツ』展より。

5月16日にリニューアルオープンしたLe Jardin du Petit Palais 。営業は10時〜17時(金〜19時)。

軽食をカフェで購入して、庭のテーブルでランチをとるのもいいだろう。

『Paris Romantique , 1815-1848』展
会期:開催中〜2019年9月15日
会場:Petit Palais
avenue Président Wilson
75008 Paris
営)10時〜18時(金〜21時)
休)月
料:13ユーロ(『Allemagne Romantique』展とのセットは16ユーロ)
www.petitpalais.paris.fr

réalisation et photos:MARIKO OMURA

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/paris/190809-petit-palais.html