いまのパリで注目の出来事を、パリ支局長の髙田昌枝がリポート。外出制限が解かれたフランスの夏、人気を呼んでいるスポットを紹介します。
毎週のように衛生パス(ワクチン接種または陰性証明)による施設やサービスの利用制限システム導入反対のデモが続くフランス。だが、一方でパスの効果もあり、12歳以上の国民の3分の2がワクチン接種を完了した。ウイルスの流行も続く中、マスク着用の義務もなく、感染の危険が少ないとされる屋外でのアクティビティが、これまで以上に人気を呼んでいる。もともと太陽さえ出れば冬でも猛暑でも外で過ごしたがる国民性に加え、コロナ禍で狭いアパルトマンに閉じこもっていただけに、パリっ子たちは、ハイテンション気味にオープンエアを満喫中だ。次々出現するルーフトップ、感染対策で生まれたカフェやレストランの拡大テラスはどこも大盛況。大きな野外スペースでは、衛生パスのない人のために、無料のウイルス検査を行う施設も現れた。
そんな中で注目を浴びているのが、パリの南東にくっついているヴァンセンヌの森。中世からフランス王の狩場だったというこの森は、西のブローニュと並んで、”パリの肺” と呼ばれる995ヘクタールの広大な緑地。芝生ではピクニックやサッカー、木立の間を巡る小道ではウォーキングや散歩と、東パリの住民が自然を求めてやってくる。園内に特別なアドレスはいままでなかったのだが、この夏、ふたつのホットスポットが誕生した。
芝生でピクニックも人気。
ひとつは、ロザ・ボヌール。木立に囲まれたミニム湖の小島に佇む19世紀の小屋が、南仏カマルグ地方のエスプリをたたえたガンゲット(水辺の大衆レストラン)に変身した。昼下がりの休憩から、アペリティフ、タパス、DJ セットの夕べまで、オープン以来、入口には連日行列ができている。
ウージェニー皇后の依頼で建てられた狩猟小屋が、ビュット・ショーモン公園で大成功を納めたロザ・ボヌールの4つ目のアドレスに。レストランでは地中海の味が楽しめる。
avenue de Nogent 75012
営)17:00~24:00(水~金)、12:00~24:00(土、日)
休)月、火
www.rosabonheur.fr/rosa-est
一方、サンマンデ湖では、ナポレオンⅢ世の狩猟小屋だった建物を修復したレストラン、シャレー・デュ・ラックが、1000㎡の元駐車場をプライベートビーチにしてしまった。白い砂にデッキチェアが並ぶ光景は、南の海のリゾートさながら。週末にはブランチ、ランチやディナーにはシーフードやバーベキューが提案されている。
白い砂のビーチ。ロングチェアは半日17ユーロ~、ベッドは半日47ユーロ~。マッサージや食事も予約してゆっくり過ごせば、ビーチリゾートに出かけた気分に。
入口からすでに別世界。
orée du Bois de Vincennes 75012
tel:01-43-28-09-89
営)11:00~24:00(月~木、日)、11:00~翌2:00(金、土)
無休 ※ビーチは9月末まで
https://chaletdulac.fr
www.labeachparisienne.fr
ロンシャン競馬場やバガテル公園、ルイ・ヴィトン財団美術館に2軒の星付きレストランを抱え、リュクスな薫り漂う西のブローニュとは反対に、ぐっと庶民的な東のヴァンセンヌ。3つの湖と鬱蒼とした緑の森が、パリジャンにとって、メトロで行ける夏の新リゾートになったようだ。
動物園と植物園はあるが、トレンドとは無縁だったヴァンセンヌの森。遠景にヴァンセンヌ城の塔と街並みが。
*「フィガロジャポン」2021年9月号より抜粋
●1ユーロ=¥129(2021年7月現在)
réalisation:MASAE TAKATA
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/paris/210817-hot-from-paris.html