パリ、行列のできる店、
その秘密の味とは?

Lifestyle

 大村真理子の今週のPARIS

あの行列は何?とよく聞かれる。サン・ブノワ通り、お蕎麦屋YENの並びのル・ルレ・ドゥ・ラントルコートのことだ。


夜、10時。人数は減ったものの、相変わらず行列!


長い名前なので、略してラントルコート(l’Entrecote)と呼ばれている。リブロースを意味するこの店名。クルミサラダとフライドポテト添えのステーキがセットされた24.5ユーロのメニューだけしかない。が、これを求めて、人は行列をするのだ。


店の外に張り出されたメニュー。サラダとステーキは、毎日のお薦め。何しろ、これだけしか料理はないのだから。

店の前に並ぶ人数の多さに、しり込みは禁物だ。”あと何分くらいよ”と行列をする客にウエイトレスが教えてくれるのだが、この予測がかなり正確。20分くらいなら待ってみよう。メニューが1つしかないので、行列時間が長くても、店内に入って食事が終わるまでは、とてもスムーズ。着席するや、肉の焼き具合を聞かれ、そして、すぐにサラダが出てくるのだから。もし行列したくないのなら、昼も夜も開店と同時に。あるいは、学童の休暇の時期を狙って行くのがいいだろう。というのも両親も子供とともにバカンスに出てしまうので、パリの常連客の数が激変する時期なのだ。

そう、パリ住民にとても愛されているレストランである。パリジェンヌ、パリジャンにとって、子供時代からの懐かしい味の店といっても言い過ぎではないだろう。黒いワンピースに小さな白いエプロンをつけて、笑顔でサービスをするウエイトレスの姿は、小さな女の子たちの憧れ。大きくなったらラントルコートで働くの!というブルジョワ家庭の7歳のマドモワゼルに会ったことがある。


夜、19時の開店と同時に客が入りだす店内。


この店では、ステーキとフライドポテトが2回にわけてサービスされるのが特徴。2回めだって、焼き加減は希望通り。フライドポテトは好きなだけもらえる。肉がちょっと硬い、というときは、声をかければ、すぐに取り換えてくれる。リピートして行きたくなる魅力の1つ、それは肉にかかるグリーンのソース。この味が独特で、ゆえに病みつきになるのだ。2~3年前にル・モンド紙に”ついに”という感じで、その内容が公開された。なるほど!と読者が膝をたたいたその秘密はいずれの機会に。まずは、食べてみて!


前菜のクルミのサラダ。マスタードがほどよいドレッシングとクルミの相性がよい。


フライドポテトを添えたステーキ。第1回めのサービス。2回めは、これより量がやや少ない。

パリ市内、ポルト・マイヨーの近くにも一軒同じシステム、同じ味のレストランがある。約半世紀前にオープンしたこちらルレ・ドゥ・ヴニーズが、実は本家。そこから枝分かれしたのがルレ・ドゥ・ラントルコートで、このサンジェルマン店の他、同じ6区のモンパルナス、そして8区、さらにジュネーヴにも店がある。行列ができる様子は、いずこも同じ。


料理は1種だが、デザートの種類は豊富。メニューで赤線がひいてあるのが、店のおすすめ。写真はその中の1つ、プロフィトロール(6.5ユーロ)。


Le relais de l’entrecote ル・ルレ・ドゥ・ラントルコート

20, rue Saint-Benoît,
75006 PARIS
tel 01 45 49 16 00
www.relaisentrecote.fr
営) 12時~14時30分(土・日~15時)、19時~23時30分
休) なし

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/gourmet/post-380.html