センスのいい美容。 私を、毎日を、豊かにする香りについて。

好きな香りがあるだけで、気分が変わったり、心が満たされたり。いま、ボーテスターたちの生活を彩る、香りの存在を聞いた。

娘のファーストフレグランス。｜AMO

まだ小さいふたりの子育てで日々感じるイライラを抑えてくれる、香りの存在はとても大切。娘が2歳になった頃から一緒につけ始めたのが、ボンポワンのアルコールフリーの香水オー ドゥ サンター。子ども部屋には、同じ香りのキャンドルを置いて、火は灯さずキャンドルウォーマーで香らせている。私はシトラス系の爽やかさにリラックスするのだけど、娘は母親と同じ香りに安心しているのかもしれない。（談）

軽やかな甘さも。左から、ボンポワン オー ドゥ サンター 100㎖ ￥12,100、キャンドル 185g ￥8,800/ともにボンポワン カスタマーサービス

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世界でひとつだけのブレンド。｜MICHIRU

朝、集中力を上げて背中を押してくれるようなポジティブな香りが欲しくて、アロマデザイナーの瀬間春奈さんにオーダー。90分かけて行うカウンセリングでは、好きな香りだけでなく、色や食べ物、生活スタイル、性格など、さまざまな質問をされ、50種もの精油からブラインドで気になる香りを選び出す。それらをもとに調香して、2週間後に手元に届けられるというもの。なりたい自分になれる、まさに「マイアロマ」。同じレシピで“おかわり”を発注したところ。（談）

オーガニックの精油をブレンドして、香りをデザイン。ハルナ オーダーメイドマイアロマ 15㎖ ￥38,500/ルナアロマ　photo : TOMOKO MEGURO

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寝室と同じ香りを旅先にも。｜菊乃

ラベンダーやゼラニウム、サンダルウッドなどが香るアットアロマのエッセンシャルオイル P06と、それを数滴垂らして使うアロマストーンディフューザーは、寝室に常備しているもの。海外に出かけることが多いのだけど、持ち運びしやすいこのセットを必ず持って行く。自分の寝室と同じ香りにすることで、旅先の部屋でも外から帰ってきた時に安心するし、落ち着いて眠ることができるから。（談）

精油ブレンドを手軽に楽しむ。左から、パーソナルエアー エッセンシャルオイル P06 ハーモニー 10㎖ ￥1,760、アロマストーンディフューザー ミニ 2個 ￥1,045/ともにアットアロマ

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生活丁寧化計画にマッチ。｜佐々木 茜

久しぶりに全頭ブリーチをしたので、髪を丁寧に扱わなければいけなくて、それをきっかけに生活を見直した。まず食事を改善しようとセイロで蒸し料理をつくったり、半日デトックスをすると、香りに敏感に。夫が担当していたコーヒーを自分でも淹れるようにしたら、いまさらながら「いい香り」と気付いて。ゆっくり時間をかけて淹れる行為もよかった。そんな、落ち着いて丁寧に暮らしたい気分にぴったりだったのが、ミルクの甘さを感じるマルジェラのコーヒー ブレイクの香水。初めて手にする温かい香りに、ほっとしている。（談）

コージーな温かみで、ジェンダーレスに纏える。レプリカ オードトワレ コーヒー ブレイク 10㎖ ￥3,850/メゾン マルジェラ

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自然に咲く、花の匂いの誘惑。｜板谷由夏

歩いていて、どこからか漂ってくる花の香りを感じると、その匂いを嗅ぎたくて、ついそのありかを探してしまう。いまなら沈丁花や梅、初夏はクチナシ、秋にはキンモクセイ……小さい頃からの習性で、花の匂いを嗅いだ時の頭がふわーっとするような感覚がたまらない。庭にたくさんの木や花を植えていて、いま満開の水仙に続いて、もうすぐチューリップやフリージア、クロッカス、ムスカリが咲き始める。球根から咲く花の匂いは特に好きなのかも。ヒヤシンスは花の重みで倒れるくらいの咲き終わりの頃に、ものすごく香りが強くなるんです。匂いを嗅ぎたくて、切り花を買うことも。百合が好きだけれど、季節の花を選ぶことが多いかな。花束をいただいた時は、その日のうちにバラバラにして、自分でアレンジし直します。同じ色でまとめたり、一輪挿しにしたり、庭のグリーンと合わせたり、短く切り揃えたり。花束として美しいものを、自分の花器や家の空間に合わせて楽しむ。自然に咲く花の香りが好きだから、化粧品も精油の香りがするものに惹かれるのかもしれません。（談）

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甘い薫香が、空間も浄化。｜渡邉季穂

3～4年前の撮影で、悩みを抱えていたモデルの邪気を払うのにヘアメイクさんが使っていたのが、香木のパロサント。火をつけて出た煙を空間に広げるのだけど、そのウッディな香りがとても気に入って、その後ハワイで購入した。以来、自宅のルームフレグランスとして、スプレーなどの代わりに使っている。家に帰ったら、パロサントを焚くのが日課です。（談）

南米の聖なる木=パロサントは樹脂が多く、甘い香りを放つ。パロサント スティック 5本入り ￥1,100/フォートメント　photo : JOHN CHAN

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初めてシェアするアートな一瓶。｜シトウレイ

フランスの調香師8人がルーヴル美術館所蔵の作品からそれぞれお気に入りを見つけ、それにインスパイアされて製作したビュリーのオー・トリプル……コンセプトだけでも素敵すぎる！　8種類すべて、背景にあるストーリーを聞きながら香りを試したのですが、その中でもいちばん好きだったのが「大工の聖ヨセフ」。燻した木のような、もしくは受け継がれてきた古書のような匂い（本好きなので、紙の匂いも大好物）に、ちょっとハーブっぽさも隠れていて、思い切り深呼吸しながら嗅ぎたい香り。大好きなこの匂いが、身体に入っていくような感覚が気持ちいい。香水をつけなかった隣の人（夫）が、これは気に入ったらしく、ふたりでシェアしてつけてます。なので、私の香水コレクションコーナーではなく、このボトルだけは玄関に置いて、隣の人が出かける前につけられるようにしているんです。

穏やかに香る、ノンアルコールの水性香水。オー・トリプル「 大工の聖ヨセフ」 75㎖ ￥23,100（限定発売）/オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

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毎日の入浴がアロマセラピー。｜青柳文子

私にとって、香りは「栄養」。呼吸した時に体内に入って、細胞に取り込んでいる感じがする。だから人工的なものより天然の香りが好き。ウカのボディウォッシュは、バスルームに3種並べて、朝はバランス、寝る前はドリームなど、その時々で使い分けている。泡立てて蒸気とともに立ち上るアロマを思い切り吸い込むのが至福の時。いい香りを嗅ぐたび、満ち足りた気持ちになる。（談）

シーン別に精油をブレンド。死海の塩配合で肌つるん。左から、ボディウォッシュ バランス、同 ハグ、同 ドリーム 各250㎖ 各￥3,300/以上ウカトーキョーヘッドオフィス

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親子三代、愛するローズ。｜貴子

小さい頃から母や祖母がメイクの仕上げに香水を纏う仕草が好きだった。数種類ある彼女たちのお気に入りの中でも、ローズの香りのものが煌びやかで、私も早くそれが似合う女性になりたかったのを覚えている。華やかさを前面に出すローズの香りは多いけれど、ルイ・ヴィトンのローズ・デ・ヴァンは、女性らしさだけでなく知性を感じさせる深みのある香り。時間が経ち体温と混ざり合うことで、優しさが増すように変化する。甘すぎず、派手すぎず、ツヤっぽいローズの調香は、いまの私が目指す女性像を体現する手助けになってくれている。

バラたちにイリスやシダーのアクセント。レ・パルファン ルイ・ヴィトン ローズ・デ・ヴァン 100㎖ ￥38,500/ルイ・ヴィトン（ルイ・ヴィトン クライアントサービス）

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心に働く精油の香りを家中に。｜安倍佐和子

自分の肌を香らせるのではなく、自分を取り巻く空間そのものが精油の香りで満たされていると、呼吸するたびに尖った神経がゆるりとほどけ、スムーズにニュートラルな状態にリセットされるよう。だからいまは、香水よりディフューザーやピローミストが気分。ザ パブリック オーガニックは質の高い精油で、エビデンスもしっかりあるので信頼しているし、実際に、この香りで満たされた空間にいると、“いい人”でいられる気がする。精油ディフューザーは、寝室だけでなくバスルームやクローゼットなど、香りを変えて家中あちらこちらに常備。旅先には同じ香りのピローミストを持参している。

何度も目が覚めるなど、睡眠傾向に合わせた5タイプが揃う。ザ パブリック オーガニック 精油ディフューザー クオリティスリープ 180㎖ ￥16,500/カラーズ

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ペアフレグランスをアレンジ。｜松本千登世

ティファニーの＆ ラブは、ペアで使うのはもちろん素敵。ただ私の場合は、ふたつを使い分けたり、コンバインしたりしている。たとえば、日中はフォーヒムを纏い、夜にフォーハーを重ねる。足首にフォーハー、みぞおちにフォーヒムと組み合わせる。服やメイクのイメージによってマニッシュなジャケットスタイルやヌードメイクにはフォーハー、フェミニンなスカートスタイルやインテンスリップにはフォーヒム、みたいにサプライズを楽しむ。爽やかでいて深みを感じさせる共通のエレメントがあるから、ふたつの香りがいい塩梅で溶け合うし、だからこそ香らせ方のバランスや服やメイクとのマッチングを「チューニング」できる……日々、ふたつの香りを楽しんでいる。

ブルーセコイアに、女性のフローラル、男性のシトラスが調和。左から、ティファニー & ラブ フォーハー オードパルファム 50㎖ ￥14,520、同 フォーヒム オードトワレ 50㎖ ￥10,230/ともにブルーベル・ジャパン

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飾って香って、家時間が充実。｜とんだ林 蘭

プレゼントでいただいたディプティックのキャンドルが、香りもビジュアルも好みだったので、最近少しずついろんな香りを集め始めている。並べて置いているだけでも可愛くて。いまはガーデニアとフリージアがお気に入りで、ひとつでも、ふたつ一緒に灯してもいい香り。空間への広がり方がよくて、家の中に置いてあるものにも香りが移っている。キャンドルをつけると、生活に気を使っている感じがしてテンションが上がる（笑）。仕事が終わってから、家で過ごす時間が楽しくなるムードづくりに一役買っています。（談）

白い花同士、一緒に焚いても好相性。左から、キャンドル ガーデニア、同 フリージア 各190g 各￥8,690/ともにディプティックジャパン

※この記事に記載している価格は、標準税率10%の税込価格です。

＊「フィガロジャポン」2020年5月号より抜粋

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