本誌連動企画「ミレニアル俳優」 瀬戸康史、可愛い顔と男らしい生声のギャップ。

現在発売中のフィガロジャポン8月号では、実力派ミレニアル俳優たち6人の瑞々しいポートレートを掲載！ そのウェブ連動企画として、本誌で紹介した俳優たちのスペシャル動画付き13問13答と生声インタビューを特別公開中。
シリーズ最後を飾る第6弾は、ドラマ「海月姫」での女装が可愛すぎると話題になった瀬戸康史。今秋公開、カンヌ国際映画祭コンペ部門出品という快挙を果たした『寝ても覚めても』でメインキャストを務めた甘～いマスクに、いざ接近。

素顔の瀬戸康史に、13問13答！

Q.1 最初に好きな女の子にプレゼントしたものは？

Q.2 飼ってみたい動物は？

Q.3 弱点は？

Q.4 いちばん好きな飲み物は？ ▶無回答。

Q.5 全曲ダウンロードしているアーティストは？ ▶tofubeats。映画『寝ても覚めても』の音楽がtofubeatsさんなのでめっちゃうれしかったです。

Q.6 お風呂のスタイルは？ ▶夜絶対に入る。シャワーだけ。湯舟入らなきゃいけないんですけどね…面倒くさくて（笑）。

Q.7 よく見る夢は？ ▶子どもの時なんですが、セサミストリートの全キャラクターにくすぐられる夢。神社にお祓いに行ったら直りました（笑）。

Q.8 財布の形状は？ ▶黒の長財布。

Q.9 何年も続けているこだわりは？ ▶震災以降、ツイッターで「おはようございます」とつぶやくこと。

Q.10 最近泣いた出来事は？ ▶出演しているNHKドラマ「透明なゆりかご」（7/20から毎週金曜・夜22時スタート）の脚本を読んだ時。

Q.11 ついついやってしまうゲームや見てしまうウェブサイトは？ ▶ゲームはやらないんですが、ファッション系のサイト。

Q.12 今日ポケットに入っているものは？ ▶車の鍵。

Q.13 好きな香りは？ ▶神社とか寺の香り。線香みたいな（笑）。

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瀬戸康史にスペシャルインタビュー！

　去る5月のカンヌ国際映画祭に、商業デビュー作ながらコンペティション部門へのノミネートを果たした濱口竜介監督の『寝ても覚めても』で、瀬戸康史は日本酒のメーカーに勤める串橋を演じた。会社の先輩である亮平（東田昌大）が会社の近くの喫茶店に勤める朝子（唐田えりか）と付き合いだすが、朝子にはかつて、亮平と瓜二つの男性、麦（ばく）（東出昌大が二役）という存在がいた。ふたりの交際は一見順調ながら、どことなく不穏な空気が漂い、串橋は恋によってぐらぐらと揺れる亮平をクールに眺めつつも心配する役どころだ。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

「亮平と朝子の恋愛っていうのは、ものすごく本能的。自分だったら、理性とか、相手の人に対していろいろと考え、計算しちゃうところも、彼らは自分の想いだけで突き進んでいる。映画の中には、『震災』というものがひとつテーマとしてあるんですけど、天災が起きた時、人ってその人の本質が出てしまうじゃないですか。他人を助けようとする人もいた、逃げようとする人もいた、誰も居なくなった家屋に浸入して盗みを働いたり、詐欺をしたりする人もいた。全部が全部、人だなあと。地震が急に起きるように、恋も急に現れたりする。完成した映画を観てそういう印象を受けましたね」

　恋とは、人生とは、ハプニングである。そんなことを濱口監督はこの映画で淡々と描いているが、瀬戸さんは自身が演じた串橋役を「それなりに頭がいい人だと思うし、世の中どう生きていけばいいのかなんとなくわかっていて、面倒くさいことは面倒くさいと避けて、割と枠の中に生きている感じ。その枠を超えていく亮平と朝子を見て、イライラしながらも刺激を受けて、どこか羨ましかったんじゃないですか」という。

「僕自身、羨ましいなって思っちゃうタイプです。平和主義で、安パイの中で頑張るタイプ。こうしたらOKっていうのがなんとなくわかっちゃうんですよ。その中で、こっちの道から行くのか、あっちの道から行ってみるのか、裏から回ってみるのか、プランは自分の中で練ってやってみますけどねえ」とため息をつく。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

　とはいえ、福岡での高校生時代、お母様が勝手に送ったＤ－ＢＯＹＳのオーディションに合格し、すっぱり高校を辞めて、東京に出たのは有名なエピソードだ。
「母親の挫折した夢が表現者であり、ピアニストだったんですけど、その夢を託された形ですね。最初は嫌でしたよ、やりたくてやっているわけじゃないしすごく怒られるし、やめたいなと思った時期も何度もあって。でも、その時に浮かぶのも親の顔で、悲しませたくないなと必死に頑張っているうちに、自分の夢になったというか。人生、何が起こるかわからないな」　

　7月20日からオンエアされるＮＨＫのドラマ「透明なゆりかご」では、小さな産婦人科医院で妊娠、出産、中絶など命を向き合う産婦人科医、由比を演じる。ドラマでは患者に優しく寄り添い、丁寧で頼りになるお医者様だが、「生後3週間の赤ちゃんを抱っこした時はもうガチガチで（苦笑）。ドラマでは妊娠中毒症になる患者の決断や、望まれない妊娠、中絶などいろんな事情が描かれていて、当然のことながら、生を受けるって奇跡なんだなと思いましたし、これはすべての男性は見て、知っておかないとだめだと思います」

　妹がふたりいるから、女性の多い撮影はとても楽で、むしろ男性が多い現場では緊張するという瀬戸さん。ベビーフェイスだけれど今年30歳。声は骨太で、仕事への姿勢も献身的だ。
「あんなふうにはなりたくないという反面教師はいるんですけど、こうなりたいという理想形はないです。自分の軸は芝居ですけど、声の仕事をしたり、文章を書かせてもらったり、絵を描いたり、表現はいっぱいあったりするので、芝居だけに留まりたくないなという思いはあります。自分が欲するより、求められることに応えるほうが幸せで、ドラマ『海月姫』の時は女装をする役でしたけど、役者としてはなかなかできる経験じゃないし、楽しそうだなと思って受けたんですね。何やってんだって批判する人はいるだろうし、6kgほど痩せるのは大変だったけど、案の定、すごく楽しい役でした」

　インタビュー中、実はひっそり、瀬戸さんのうなじの美しさに見惚れていた。でも、そのことに、ご本人は気付いていないと思う。そういう自分の魅力にまだどこか無自覚なのが瀬戸さんの魅力なのではないだろうか。唯一の弱点はご本人いわく「究極にインドアなこと」。たまに休みがあると「どうしよう」と戸惑い、まだひとり旅もしたことがないという。大好きな高橋一生さんからは「康ちゃん、山登ろうよ、自転車乗ろうよ」と誘われているという。「ほんと、30代の目標は外に出よう、まずはそれにしようと思います（笑）」

『寝ても覚めても』
かつて運命的な恋をした麦(ばく)（東出昌大）のことを忘れられない朝子（唐田えりか）は、彼と瓜二つの顔を持つ亮平（東出昌大）と出会い、交際を始めるが……。同じ顔でも全くタイプの違う一人二役に挑戦する主演の東出昌大、初の本格演技にしてヒロインに大抜擢された唐田えりか、ふたりを見守る友人・串橋を演じる瀬戸康史をはじめ、注目のキャストが集結。芥川賞作家・柴崎友香の原作をもとに、『ハッピーアワー』で数々の国際映画祭を席巻した濱口竜介監督が、切なさや甘さの入り混じる大人の恋愛模様を描く。
 

●監督・共同脚本／濱口竜介　
●原作／柴崎友香『寝ても覚めても』（河出書房新社刊）　
●出演／東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知（黒猫チェルシー）　
●2018年、日本=フランス映画　
●119分　
●配給／ビターズ・エンド、エレファントハウス　
●9月1日より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国にて公開
©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

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ミレニアル俳優のスペシャル動画＆インタビューを続々アップ！
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