55歳のミランダが語る、SATC復活とサマンサの不在。
Culture 2022.01.10
文/H・アラン・スコット
成熟した彼女たちの新しくも懐かしい物語。ミランダ役のシンシア・ニクソンが語る「セックス・アンド・ザ・シティ」の続編「アンド・ジャスト・ライク・ザット…」と女性のドラマ(と政治)。
「前回の続きからすぐに始まりたい」と語ったシンシア・ニクソン。 photo: VIVIEN KILLILEA/GETTY IMAGES FOR NEW YORK MAGAZINE
「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)が帰ってくると聞けば、興奮が高まるのは当たり前。しかもパンデミックの最中に続編が発表されて、心が癒やされた人もいるだろう。SATCは「みんなが戻ってくるところ。危機の時は特にね」と、ミランダ・ホッブズ役のシンシア・ニクソンは言う。
SATCの新たな章となる「アンド・ジャスト・ライク・ザット」(U-NEXTで配信中)は、前作とは重要な違いがある。まず、キム・キャトラルが演じたサマンサ・ジョーンズがいない。「私が考えても仕方のないことだから。新しいキャラクターもびっくりするくらいたくさんいる」
もうひとつなくなったのが、ミランダの赤い髪だ。監督・脚本のマイケル・パトリック・キングと話し合った時に、ニクソンが「彼女は55歳。いまさら髪形や色でどうのこうのもない」と言うと、「そうそう、ミランダは気にしちゃいない」と返された。
ともあれ、懐かしい登場人物の復活に、ファンはほっとするだろう。「長い間、会っていなかった友人と再会するような感じで、でも前回の続きからすぐ始まりたい」。ニューズウィーク誌のH・アラン・スコットがシンシア・ニクソンに話を聞いた。
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――このプロジェクトに自分が参加するとは思っていなかった?
まったく。(続編も含めて)自分に声が掛かることも、ヒットすることも、考えたことさえなかった。映画を作って、もう1本作って、さらにこうして戻ってくるなんて。
――ファンはどんなことを期待していいか。
登場人物が成長して、変化して、成熟する。この作品は特に、年齢を重ねていく。50代半ば、まして女性を描く番組はあまりないだろう。
――ミランダはとても親しみやすい女性だ。
いまでは私たちが当たり前に受け入れている多くのことについて、彼女は時代の先端を走っていた。世界に対する見方、女性に対する見方や私たちが直面している課題について、私たちはミランダと同じ方向に進んできた。
――再び政治家を目指すつもりは?
私が(2018年のニューヨーク州知事選で民主党の予備選に)立候補した理由のひとつは、ほかに人がいなかったから。アンドリュー・クオモ(前州知事)は恐ろしくて、執念深くて、政治を生業とする人は誰も対抗できなかった。幸い彼は辞任して、ほかの人たちが出馬するから、もう私が出る必要はない。
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シンシア・ニクソン、サラ・ジェシカ・パーカー、クリスティン・デイヴィスが最新作と11年ぶりの共演への想いを語る特別映像。
text: H,Alan Scott(Newsweek)