「私はアラン・ドロンのパートナーです」告発された同居人の日本人女性"ヒロミ"、反論を開始。

Culture 2023.07.14

アラン・ドロンの子どもたち、アヌーシュカ、アントニー、アラン=ファビアンが7月5日に父と同居する女性を告発したのに対し、告発されたヒロミが反論した。

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ジャン=ポール・ベルモンドの葬儀に現れたアラン・ドロンと、影のように付き添うヒロミ。photography: Reuter/aflo

7月5日、俳優の3人の子どもたちは、アラン・ドロンの “同居人”ヒロミを「モラル・ハラスメント 」や「信書の隠匿」で告発した。アラン・ドロン本人も名を連ねている。アヌーシュカ、アントニー、アラン=ファビアンの弁護士、クリストフ・アイエラによれば、アラン・ドロンが弱っているところにヒロミがつけこんだ節があるとのことだった。

アントニー・ドロンはその後、単独でも告発をおこなった。理由はアラン・ドロンの愛犬の虐待、弱者への暴力、モラル・ハラスメント、虐待、監禁。関係者によれば66歳のヒロミが支配力を行使しはじめたのは、俳優が2019年に脳卒中で倒れた以降だそうだ。俳優が1971年に購入したロワレ県ドゥシーの広大な地所でふたりは同居を始め、ヒロミは彼の世話をした。当初はアラン・ドロンの家族との関係もうまくいっていた。

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昔からの知人

87歳のアラン・ドロンは、2021年、テレビ局「TV5モンド」のドキュメンタリー番組で、「ヒロミは私の療養中ずっとそばにいてくれました」と語っている。ふたりは1990年代からの知り合いだ。1992年、アラン・ドロンが主演したエドゥワール・ニエルマン監督の映画『カサノヴァの最後の恋』でヒロミはセカンド助監督として働いていた。

また、テレビドラマシリーズ『アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ』(2003年)の現場にもいたようだ。オンラインデータベースのIMDbによると、ヒロミは1980年代から1990年代にかけて、フランス映画のセカンドやサードの助監督を務めていた。たとえば『3人の逃亡者/銀行ギャングは天使を連れて』(1986年)や『弁護士デュナンの衝撃』(1993年)、『不倫の公式』(1995年)などの作品に参加している。アラン・ドロンのアシスタントや、メイクアップアーティストも務めたという。ふたりは友情を育み、それは次第に愛へと変わっていった。

2021年6月末、仏「イッシパリ」誌の取材に俳優と親しい関係者がふたりの関係について、「長い間、ふたりは単なる友人でしたが、時が経つにつれて、気持ちに変化が訪れました。ヒロミはアランの回復にまぎれもなく貢献しただけでなく、心の平穏をもたらしました」と語っている。2021年9月10日に行われたジャン=ポール・ベルモンドの葬儀に、ヒロミは俳優と参列した。今年の5月には、アラン=ファビアン・ドロンの新作映画のプレミアにも連れ立って出席している。

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不穏な兆候のはじまり

しかしこの2年でふたりの関係は悪化したと俳優の子どもたちは主張している。ヒロミは俳優や子どもたちに対して攻撃的になり、ののしることもあったそうだ。子どもたちによれば、父親に会わせなかったり、俳優の電話や手紙でのやりとりに目を光らせ、郵便物も勝手に開けようとしたりした。

アラン・ドロンを代父に持つジェラルディン・ダノンはニュース専門のBFMテレビにこう語っている。「脳卒中で倒れた後、ヒロミという人の存在が大きくなった。直接話すのも難しくなり、メールはすべて彼女を経由しなくてはならなくなった」と。

こうして1年半前から心配になったアントニー・ドロンはヒロミの行動を記録することにした。

今回の騒動の発端は、アラン・ドロンの誕生日ランチパーティーの席で、アントニーとヒロミが口論をはじめたことだったようだ。アントニーは父親が入院しなくてはならないほど激しく転倒したのに自分たちに黙っていたことをヒロミに責めた。

仏「パリジャン」紙が報じたところによると、ヒロミはロワレ県モンタルジの検察に、弁護士ヤシン・ブズルが起草した39ページの文書を提出し、告発に反論した。

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複雑な関係

文書では何よりもまず、ヒロミが「同居人」とされることに異を唱えている。1990年代にヒロミはアラン・ドロンと知り合い、20年以上前から彼の「パートナー」となり、2006年からつい最近までドゥシーの彼の家で一緒に暮らしていた。しかも彼の子供たちと違って日常的に俳優の世話をしていた。「彼の子どもたちは老いた父親を日々世話していたわけではない」と文書には書かれている。

ヒロミの弁護士はさらに、「ドロン氏のお子さんたちの関心は純粋に金銭的なものではないか」と懸念していることを述べ、ヒロミが「いつかドロン氏から経済的な恩恵を受けることを避けるために彼女を告発することをあの人たちはためらわないでしょう」と続けた。弁護士によれば、ヒロミはアラン・ドロンの子どもたちと「複雑な関係」にあり、子どもたちは「ふたりが恋愛関係にあることを決して認めなかった」そうだ。また、アラン・ドロンがヒロミに対する告発に加わっているという報道にも疑問を投げかけ、「虚偽、偽造文書の使用、訴訟詐欺未遂」での告訴も検討していることを匂わせた。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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