LGBTQ+の関係を描いたドラマカタログ 日常生活のなかで感じる想いを、丁寧に紡ぐ癒やしの恋物語。
Culture 2024.02.10
人が恋する姿を観ることは、時に辛く、時に切ない。でも深く考えさせられる。LGBTQ+の恋を丁寧に描いた名作は豊富だ。人間ドラマはもちろん、ファンタジーからクライムサスペンスまで、5人のドラマラバーが沼落ちした作品をリコメンド。
●NHKオンデマンドにて配信中
#01. 「恋せぬふたり」
他者に心が動かない男女が送る生活。
恋人でも夫婦でもない男女の同居生活を岸井ゆきの×高橋一生のダブル主演で描く。人を好きにならず、恋愛もしない自分はおかしいのではと悩んでいた兒玉咲子(岸井ゆきの)は、高橋羽(高橋一生)と出会う。ふたりは同じ「アロマンティック(他者に恋愛感情を抱かないこと)・アセクシュアル(他者に性的に惹かれないこと)」だとわかり、咲子は「恋愛感情抜きで家族にならないか」と提案し、戸惑いながら高橋も「お試しで」と同意。ふたりの同居生活が始まる。「アロマンティック・アセクシュアルの人を主人公に据えた、日本で初めてのドラマ」(エスムラルダ) 「多様な感覚を持つ主人公の気持ちのグラデーションを実力派の岸井・高橋のナチュラルな演技で惹き込む。『チェリまほ』の脚本家・吉田恵里香の新提示作品」(かわむら)
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●Blu-ray BOX ¥18,865、DVD BOX ¥15,400 発売:「僕らの食卓」製作委員会 販売:TCエンタテインメント
#02. 「僕らの食卓」
おにぎりから始まる絆の物語。
会社員の穂積豊(犬飼貴丈)は、育った環境のせいか他人と一緒に食事をするのが苦手。いつも孤食なうえ、メニューは手作りのばくだんおにぎりとスーパーの惣菜と決めていた。ある日、公園で幼い男の子・上田種(前山くうが)に出会う。種は豊のおにぎりを欲しがり、分ける豊。翌日、謝りに来る種と兄の穣(飯島寛騎)。穣はおにぎりの作り方を教えてと豊に頼む。以降、一緒に食卓を囲んで食事をする機会が増えた彼らは、いつしか家族のような存在となる。「ホームドラマ風BLという、なかなかなかったジャンルで、癒やされ度ナンバーワン。最初はコミュニケーションが苦手だった主人公が、後に恋人となる穣たち一家との交流を通して、少しずつ自己を肯定し心を開いていく過程も素敵。最終回の穣の父親の言葉は涙なしでは聞けません」(エスムラルダ)
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●シーズン1 Blu-ray BOX ¥20,900、DVD-BOX¥16,720 発売:「きのう何食べた?」製作委員会 販売:東宝 「きのう何食べた? season2」(テレビ東京系)10/6スタート
#03. 「きのう何食べた?」
男ふたりの同居、そしてグルメライフ。
よしながふみの人気同名コミックを実写ドラマ化。大人の男性ふたりが日々の食卓を通して人生の機微を届ける。弁護士の「シロさん」こと筧史朗(西島秀俊)は、料理上手で几帳面な倹約家。史朗の日課は定時に退勤して、近所の安売りスーパーでお得な食材を購入し、夕食の献立を組み立てること。同居人は人当たりの良い美容師の「ケンジ」こと矢吹賢二(内野聖陽)。恋人同士での夕食タイムは大切なひととき。2023年10月から"シーズン2"が放送。「愛する人との食卓は充足感を得られるもの。悩みや葛藤を乗り越えて年齢を重ねたシロさんとケンジが出会い、何気ない日常生活を送る姿は実に味わい深い」(かわむら) 「おじさんカップルが愛の巣で、シロさんが作る料理を食べながら仲良く暮らしているというハートウォーミングなコメディ」(小林)
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Recommender
エスムラルダ/Esmralda
1994年より各種イベント、メディア、舞台公演等に出演。2018年にはディーヴァ・ユニット「八方不美人」のメンバーとして歌手デビュー。ライター・脚本家としても活動している。@esmralda001
小林久乃/Hisano Kobayashi
コラムニスト、編集者、プロモーション業など。視聴した連続ドラマは約1600本の筋金入りのオタク。エンタメコラムを執筆多数、『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)も上梓。 @h_i_s_a_n_o_c_h_a_n
石川晴美/Harumi Ishikawa
ライフスタイル誌、アジアエンタメライター。韓国ドラマ視聴歴20年超。2020年、CS放送で偶然見つけた「Until We Meet Again~運命の赤い糸~」をきっかけに、タイBLドラマに沼落ち。
@navy_haru
山崎敦子/Atsuko Yamazaki
「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」からズブズブと沼入り。以来、寝食削ってドラマはもちろんK-Popにいたるまで韓流三 昧の日々。ジャンルを選ばずなんでも食す雑食系。
X(Twitter): atuatsuyamazaki
かわむらあみり/Amiri Kawamura
ライター・編集者・コラムニスト。出版社で編集者として勤務後、独立。ドラマウォッチャーで韓国や日本の作品が大得意。エンタメ雑誌や韓国ドラマのムックほかインタビュー、コラム連載、編集を担当。 https://amirikawamura.com
*「フィガロジャポン」2023年11月号より抜粋
text: Amiri Kawamura