なぜサッカー・フランス代表のデシャン監督は、妻をいつも同じ席に座らせるのか?

Culture

サッカーフランス代表の試合では、代表監督の妻クロード・デシャンが観客席に座る際、あるルールに従うことになっている。そのルールの意図は、夫が常に妻をすぐに見つけられるようにすること。

photography: aflo

サッカーフランス代表が試合する際、観客席で常に変わらない光景がある。代表監督ディディエ・デシャンの妻、クロード・デシャンがいつも同じ場所、夫のすぐ後ろに座っているのだ。このことを指摘したのはフランスチームの広報責任者だったフィリップ・トゥルノンで、フランスのTV情報番組「セアブー(C à vous)」に出演した際のことだった。35年間にわたりフランス代表チームのために働いてきた彼は、代表監督の習慣を知り尽くしている。「監督ディディエのこだわりですね。ディディエがベンチから立ち上がって振り返ったら、妻のクロードが絶対に目に入ってこないといけないのです」

このルールは監督の息子ディランにも適用されている。フィリップ・トゥルノンによれば、家族の座席は細かく決められており、57歳のデシャン監督が試合中、すぐに家族を見つけられるようになっているそうだ。この習慣が唯一、破られたのは2014年のワールドカップだった。選手の家族には違う観客席が指定されたため、監督には馴染みのない配置となってしまった。

出会ったのはナント市

1998年のワールドカップ優勝よりもはるか以前から、クロード・デシャンは夫ディディエ・デシャンの活躍を支えてきた。2人が出会ったのは1980年代半ばのナント市だ。当時ディディエ・デシャンはFCナントでプロサッカー選手生活をスタートさせたばかり。一方のクロードは言語聴覚療法士を志す学生だった。2人は1989年に結婚し、1996年に息子ディランが誕生した。

私生活についてクロードはあまり多くを語りたがらない。だが元ミッドフィルダーである夫の節目節目に寄り添ってきた。選手としてデビューした頃から、監督となり、やがてフランス代表監督となった夫を常に陰から支え続けてきた。控えめな性格ゆえ、妻がメディアに登場することも、インタビューに応じることも皆無だ。

とても大きな存在

2023年、ディディエ・デシャンはフランスのラジオ局「RTL」のインタビューで妻について語った。これまで共に歩んできた長い歳月を振り返りながら「私たちは若い頃に出会い、一緒に人生を重ねてきました。妻は私のキャリアをずっと支えてくれました。選手時代、監督時代、そしてフランス代表監督になってからも、陰からであっても妻の存在はとても大きいのです」と話す。

また、自身の立場のせいで家族に迷惑が及ぶことがあると言う。「ひどい、不当だと思うようなこともあります」と語り、家族がメディアにさらされる点に言及した。それでもピッチ外ではできるだけ普通の生活を送りたいと思っているそうだ。「家に帰ればもう代表監督ではありません!」と彼は冗談めかして語った。
フランス代表を率いるディディエ・デシャンにとって、妻のクロードは観客席でも私生活のなかでも、常に心のよりどころであり続けている。

From madameFIGARO.fr

※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

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