なぜ今、中国へ?ハリー王子の上海訪問に注目集まる。
Celebrity 2025.05.29
ハリー王子はサステナブルツーリズムに関するカンファレンス出席のため上海へ。同日、父親のチャールズ3世はカナダを公式訪問した。たまたまスケジュールが重なってしまったのだろうか。

2025年5月26日、イギリス国王チャールズ3世が即位後初のカナダ公式訪問をおこなった日に、ハリー王子が事前の公式発表もなく、中国の上海を訪れた。ハリー王子にとって初の中国公式訪問となる。やってきたのは持続可能な観光に特化したグローバルカンファレンス「ENVISION.2025」のグローバル・パートナー会議に出席するためだった。
環境にやさしい持続可能な観光を推進する団体「トラバリスト」を2019年に共同設立したハリー王子は登壇すると、責任ある観光についてスピーチした。「気候変動は単なる環境問題ではなく、重要なビジネス上の緊急事態です」と宣言、気候変動に伴う世界の経済的損失が年間推計1430億ドル近くになると語った。2030年までの気候変動目標の達成には、アジア太平洋地域の果たす役割がとりわけ重要であることも強調した。
予想外のスケジュール
これは父イギリス国王チャールズ3世がカミラ王妃とカナダを訪問している最中のことだった。国王の訪問は、トランプ米大統領率いる米国との緊張が高まるカナダを支援する象徴的な意味合いがあり、カナダ議会開会式への出席も予定されている。
中国に関してウィリアム皇太子が2015年に中国公式訪問をイギリス王室としては30年ぶりにおこなっている。ハリー王子も中国を訪れるのが今回が初となる。
将来を見据えた戦略
ハリー王子夫妻は長期的な戦略を固めつつあるようで、今回のスピーチもその一環なのだろう。英「デイリー・メール」紙によると、ハリー王子とメーガン夫人は最近、自分たちが離脱したイギリス王室そっくりの仕事体制を目指して、組織再編をした。その目的は、それぞれのプロジェクトに集中できるような仕事の環境を整えること。ハリー王子は、負傷軍人らの肉体的、心理的、社会的回復を助ける目的で2013年に設立されたインヴィクタス・ゲーム財団の業務に専念したいと考えている。
こうして2つの独立したチームが設立された。1つのチームはグーグルやHuluにいたメレディス・メインズが率い、グローバル・コミュニケーションを担当する。もうひとつのチームは、個々のプロジェクトを担当し、ビル・ゲイツの下で働いていたサラ・フォスモと、バラク・オバマの戦略を立てていたミランダ・バーボットが担当する。ふたりがイギリス王室とは無関係に活動する助けになるはず。
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From madameFIGARO.fr
text: Maelys Decourt (madame.lefigaro.fr)