TAOと、夫でクリエイティブディレクターのテンジン・ワイルドが、チベット・ヒマラヤ山脈の地に生きてきた人々からインスパイアされたアウターウエア/ライフスタイルブランド、Abode of Snow(アボード・オブ・スノー)を本格ローンチし、ロンハーマン各店で展開を開始。

「母なる自然への大きな敬意と、この唯一無二の美しい惑星を維持させることが自分たちの責任」という理念を掲げる、アボード・オブ・スノーには、チベットを祖国に持つテンジンと、気候危機とアニマルライツを発信するアドヴォケイトとしても活躍するTAOが、チベットの人々とその豊かな文化のストーリーを伝えたいという想いが込められている。ヒマラヤ山脈では、毎日の必需品であるアウターウエアを、高い標高が作りあげる厳しい環境で暮らす人々、彼らの日焼けした顔や目もとに深く刻まれた皺から感じる味わい、褐色の肌の色や自由な色彩感覚から放たれる彼らの自信や、山脈に対する敬意や伝統を重んじるスタイルをデザインに落とし込んでいるのが特徴だ。たとえば、「チュバ」と呼ばれる前身が重なる膝下丈のローブのようなチベットの伝統服のディテールや機能、この世のものはすべてが繋がりを持ち、ブッダの無限の情けを表すモチーフなど、独自のアウターウエアを展開。

厚みのあるダウンとチュバのディテールがユニークな1着。ミラ・リサイクルダウンジャケット¥146,300/アボード・オブ・スノー(ロンハーマン)
ヴィーガンでもあり、地球環境に配慮したライフスタイルを営む彼らは、素材選びにもこだわり、おもにリサイクル素材とオーガニックコットン、動物性素材にはリサイクルダウンと自然に抜け落ちたヤクウールを採用。そこには、動物性素材を避けようとすることで、環境に配慮されたものとは限らない化学物質の”代用品”を使用することへの葛藤が表れている。動物への虐待や搾取を含まない動物性商品があるならば、人工的な素材よりもよりサステイナブルなのではないかと考え、リサイクルダウンや自然に抜け落ちたヤクウールを使用するに至ったのだ。チベットのヤクは、毎夏、換毛期を迎えると、お腹の毛が自然に抜け落ちる。近年問題になっている、動物を縛り付けて肌を傷つけながら行う毛刈りや、毛量を増やすための品種改良などは行っていない。一方、ダウンは、羽毛循環をすすめる日本の一般社団法人 Green Down Projectから生まれたリサイクルダウンを使用。ダウンは丁寧に扱い洗浄することで、100年もの寿命が見込める素材。現在すでに出回っているダウンを循環させることができれば、バージンダウンよりクリーンで安全な代替手段として、温室効果ガスの排出とライブピッキングなどで問題になっている水鳥への虐待を減らすことができると考えている。
生産は岡山県児島市にある家族経営のアトリエと協力。エシカルでサステイナブル、そして高品質の素材を使用し、長持ちするようにつくられている。またアボード・オブ・スノーは、ヒマラヤ白内障プロジェクトをサポートし、利益の一部を「cure business(キュアビジネス」(*)に寄付。自然環境保護やサステナビリティに関心のあるひと、動物に対しても優しい服を身に着けたいひと、そしてもちろんデザイン性の高いアウターを探しているひとに、ぴったり寄り添ってくれるアボード・オブ・スノー、ぜひ手にとってそのよさを確かめて!
*…1995年以来、発展途上国全体で予防可能な失明を根絶するために98万回以上の手術を行っているプロジェクト。

インに厚手ニットも着られるくらいゆったりした設計のフーディタイプ。ルンタ・リサイクルダウンフーディ¥108,900/アボード・オブ・スノー(ロンハーマン)

左:TAO (タオ)「アボード・オブ・スノー」共同クリエイティブディレクター兼サステナビリティアンバサダー。千葉県出身。14歳からファッションモデルとして活躍、現在はハリウッドをベースに国内外で役者として活動。右:Tenzin Wild(テンジン・ワイルド)「アボード・オブ・スノー」クリエイティブディレクター。チベット人の母とスイス人の父の間に生まれ、スイスで育つ。『The Last Magazine』共同創設者。
text: Natsuko Kadokura
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/fashion/210911-abodeofsnow.html