ボリュームとハズしで作る山本マナのバランス。【スタイリストの私服7days】
Fashion 2024.12.10
独自のスタイルを貫く3名のスタイリストの一週間の私服をスナップ。着こなしのテクニックやこだわりから、スタイルの作り方を読み解く。
山本マナ
MANA YAMAMOTO
着たいと感じた服をまずは直感で選び、そこからスタイリングを考える、という山本マナ。「重ね着をしない」「ミニマルなアイテムは選ばない」、このふたつが信条だ。自分らしさが際立つ、色・柄・ディテールをポジティブに落とし込むことを意識している。
( Monday )
フォルムを引き立てる、大人の肌見せ。
この日の起点となったのは、夏にロンドンで見つけて後日ジジナで購入したというユハン ワンのブラウス。本当は、もっとお腹を出すイメージだった。股上の深いサルエルデニム、ベルト、シューズはバレンシアガ。下半身にボリュームを持たせるバランスを意識してスタイリング。もっと寒くなったら、フェイクファーのコートを合わせる予定。
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( Tuesday )
赤いタイツで、ユーモアと遊び心を。
赤いタイツがはきたいと思った日。冬になるとはきたくなるカラータイツ×ナイキのソックスの重ねは定番。プラダの厚底のローファーを合わせて、全身のバランスを整える。昔から好んで着ているレオパード柄で下半身に負けないインパクトを。バレンシアガのフェイクファーのジャケットはワンピースのように着られる丈がちょうどいい。
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( Wednesday )
ペールトーンのドレスも、足元で自分らしく。
一目惚れしたジジナのワンピース。普段は選ばない淡いカラーだが、ボリューム感に後押しされて購入。甘く優しい色味のドレスがぼやけた印象にならないように、バレンシアガのシューズとコム デ ギャルソンのソックスを合わせて足元を力強く。仕事で使うような派手な服は、実は年齢を重ねてから受け入れられるようになったという。
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( Thursday )
きれいな要素はひとつまで。いかに崩すか、が重要。
春先に購入したステラ マッカートニーのパンツは軽やかなエコレザー。ユニークなバルーンのフォルムにメンズのミッキーTシャツを合わせてラフに。顔まわりにジュエリーを着けない代わりに、赤リップを。スポーティなエルメスのアップルウォッチ ドゥブルトゥールとマルニのレオパード柄のシューズで、パーソナルなスタイルに。
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( Friday )
しばらく寝かせていた服を、新鮮な気持ちで楽しむ。
この秋久々に取り出したのは、刺繍とスパンコールでサーカスモチーフが描かれた、フェルメリスト ビームスとケイタマルヤマのコラボスカジャン。ヴィヴィアーノのシャツの襟のフリルを出してファンタジックに。ボトムスはドリス ヴァン ノッテンのチノパン。足元にはスクエアトウのエムエム6 メゾン マルジェラのバレエシューズを。
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( Saturday )
シックに転びがちなブラウンも、パーソナルな装いに。
パリ在住のアーティスト、ババ ドゥドゥのワンピースは、気がつけば6 着も持っていたそう。ブラウン系は似合わないからといままでは避けてきたが、ピンクの手描きのグラフィティにときめいて、ソックスも色を揃えて全身ワントーンに。中途半端な丈なので、厚底のシューズでバランス良く。ナイキのエアフォース1を合わせることも。
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( Sunday )
シルエットで主張する、モノトーンスタイル。
1年越しで購入したミュウミュウのエンジニアブーツに合わせたのは、ジジナのワンピース。少しシャリッとした生地感と、裾のバランスやフォルムが好み。カジュアルな装いのアクセントに、あえてクラシカルな小物を合わせるため、数年前に購入したエルメスのブレスレットを添えた。ボリュームのある服だからこそ、色は最小限に抑えている。
pottoと一緒につくったつなぎを制服にして、新しいことをしてみたいと思い、ビストロウグイスとオルガンのマダムと、旅するナチュラルワインバー「circus」を不定期で開催。P44~49では女優のスタイリングを担当。
*「フィガロジャポン」2024年12月号より抜粋
photography: Kazuhiro Fujita