冷水希三子に学ぶ、動線×使用頻度で決める収納術。【料理家に学ぶキッチン整頓術】

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女性料理家の台所にお邪魔して、片付けしやすい収納のマイルールやこだわりの整頓術をリサーチ。愛用する調理道具から、それらを使った簡単美味な定番料理まで、参考になるティップスが満載!


case:01 冷水希三子

扉収納だからこそ、その奥にどう入れるかが鍵。

作業動線と使用頻度を掛け合わせ、どこに何を収納するべきか考えると常に片付いたキッチンになる。

Kimiko Hiyamizu
レストランやカフェ勤務を経て、料理のコーディネート、スタイリング、レシピ制作を中心に、書籍、雑誌、広告などで活躍している。季節の食材を生かしたシンプルで優しい料理はもちろん、材料やうつわの背景まで感じさせる美しい盛り付けにも定評あり。@kincocyan

料理家・冷水希三子のキッチンは、収納が多い。その分「どこに何を収めるかに慎重になった」と言う。

フリップ扉の吊り戸棚は、上段までひと目で見渡せるのがいいところ。乾物や粉類は中身がわかるガラス容器に詰め替えるだけでなく、その高さに合わせて棚板を調整する、メーカーによって異なるスパイス瓶は木箱にまとめるといった工夫を加え、さらに使い勝手をよくしている。オリーブ油やゴマ油など背の高いボトルは、この高さに置くことでラベルがよく見え、取り出しやすい。

上段には、既製のワイヤーシェルフの奥行きで知人に作ってもらった木箱がシンデレラフィット。指を入れるすき間のある設計で、一気に引き出せるのがいい。
スパイス瓶をその木箱にまとめて整頓する。

形も大きさも雑多な調理器具は、カウンター下の扉の中へ。ボウル、ザル、バットなど下ごしらえの器具はシンクに近いエリア、鍋類はその右側が手を伸ばしやすい。木製の道具は仕舞い込まず、窓辺の通気のいいエリアにまとめている。理由は、「しっかり乾かすため」だ。

棚には決して詰め込みすぎないのもポイント。手前と奥をくるくる入れ替えられる余白が、ものを取り出しやすくする。
麺棒やカッティングボードなど木製の道具は、カゴにまとめて通気のいい窓際のオープン棚へ。収納しながらしっかり乾かす。

「ここに引っ越した日、段ボールの中身を出す前に、キッチン全体をじーっと眺めて、どこに何を配置しようかと考えを巡らせました。数十分後、構想がまとまったところで一気に収納したのを覚えています。それをほとんど変えないまま、気付いたらもう9年です」と冷水。

せいろやウッドトレーなど大きなものはカウンターにディスプレイ。植物の緑と相まって南国の部屋のようないい景色に。

入居の決め手になったというアイランドキッチンに立って調理する姿を想像しながら、野菜を洗いボウルに入れて、鍋を出して火にかけ、調味料を出してくる、そんな自分の姿を最初にきちんと想像できたからこそ、いつも整頓が行き届いた心地いいキッチンが生まれたのだ。

欠かせない私の七つ道具。

日用に使い回す、プロユースのアイテム。

  • アイアン・クラフトの揚げ鍋|
    20年来愛用の南部鉄器の鍋。鉄の良さは、使うたびに鍋肌に油がなじんで少量の揚げ油でも鍋底に食材がつかなくなること。薄衣でのフリットも、1人分の唐揚げもカリッと仕上がる。(W25.5×D17.5×H8cm)¥6,600/南部アイアン・クラフト

  • プロマイスターのふっ素樹脂加工フライパン|
    炒める、ソースを絡める、蓋をして蒸し煮するといった調理に重宝しているというプロ仕様のフライパン。絶妙なハンドルの角度で振りやすく、多層構造のふっ素樹脂加工は耐久性が高く長持ち。ガス火専用。(φ27×H6.1cm)¥14,300/北陸アルミニウム

  • 鍛金工房渓壽庵のミルクパン|
    卵ひとつ茹でる、1杯分の味噌汁を温める、ゴマ油を熱して料理の仕上げにかける、など一日に何度も活躍するほど愛用の銅鍋は、職人によるハンドメイド。取っ手には、あえて節や曲がりのある椿の枝が用いられチャーミング。(φ11cm、参考商品)

  • 食道具竹上のペティナイフ|
    コンパクトながら切れ味のいい鋼のペティナイフで、ほとんどの食材を切ってしまうという冷水。手入れは欠かさないが、万が一の時にはメンテナンスの相談にも細やかに応じてくれる良店。(全長22.5cm、刃渡り12cm)¥15,620/食道具竹上

  • 鍛金工房 ウエストサイド33の取り分けスプーン|
    一枚の地金を金槌で叩きながら形作る鍛金の技法で生まれるアルミスプーンは、薄く軽いのに丈夫なのが特徴。面が平らなので煮込んだ野菜などの形を崩すことなく、見栄え良く盛り付けられる。(L23cm)¥4,950/鍛金工房 ウエストサイド33

  • 阿部経木店の経木|
    アカマツの間伐材から食品を包装する経木を作る生産者をよく知る冷水。環境への配慮もありクッキングペーパー代わりの落とし蓋や蒸し器の敷紙として積極的に取り入れている。小サイズ30枚入り(W10.5×H21.5cm)¥495/阿部経木店

  • 辻和金網の足付焼網|
    目の細かい「焼網受」が直火をやわらげ、熱をまんべんなく伝えるから、朝食のトーストを焼くと小麦粉の香ばしさとサクサク感が増す。もちろん焼き魚にも。焼網(W28×D22×H7cm)と焼網受(W22.5×D19cm)のセット¥6,270/辻和金網

01 / 07

簡単定番菜

サトイモとカブとヒラメのフリット、ダイコンピクルス添え。サトイモは皮を剥いて蒸し、カブとヒラメはひと口大に切り軽く塩をふる。すべてに強力粉をまぶしておく。強力粉と炭酸水を1:2の割合で混ぜた衣にくぐらせ、アイアン・クラフトの揚げ鍋でカリッと揚げる。ダイコンを5mm幅のダイスにカットし、塩、ビネガー、白バルサミコ酢、ディル、レモンの皮、レモン汁をお好みで和えたピクルスを作り置きすると重宝。フリットに添えていただく。

問い合わせ先

阿部経木店 0277-76-2020
食道具竹上 https://kyototakegami.com/
鍛金工房 ウエストサイド33 https://www.westside33.jp/
辻和金網 http://www.tujiwa-kanaami.com/
北陸アルミニウム [email protected]
南部アイアン・クラフト https://ironcraft.stores.jp/

  • photography: Aya Kawachi
  • editing: Saiko Ena

*「フィガロジャポン」2026年3月号より抜粋