住宅購入までに知っておきたい7つのこと。

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家賃を払い続けるならいっそ物件を買うべき? 女性の不動産購入はハードルが高い印象があるけれど、実際にチャレンジした人たちの体験談と、不動産のプロのアドバイスをもとに、いま「買う」選択を考えてみたい。

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住宅購入までに知っておきたい7つのこと。

1. 賃貸よりも住宅購入が合理的な理由とは?

資産価値の高いエリアでは、毎月の家賃を支払い続けるよりも、購入した方が長期的に得になる可能性が高い。家賃収入が見込める物件を購入することで、将来「住み続ける」「売る」「貸す」という3つの選択肢が手に入る。

「自分名義の住まいはセーフティネットになります。独身時代の資産は、結婚後の財産分与の対象にならないので、万が一パートナーとのトラブルや生活の変化があった際にも、自分を守り、戻れる唯一無二の居場所になります。男は裏切るけれど不動産は裏切りません。また、数千万円のローンを背負うという責任感は、キャリアアップや年収アップへの強い意欲を生み、結果として人生の視点を変えるきっかけとなります」(石岡)

2. 購入するタイミング、いつがいい?

転職直後は信用度が一時的に下がり、ローン審査が通りにくくなるため「転職前」がひとつ。ただし、住宅ローンを組む際は、契約時に物件価格の約5%の頭金が必要。つまり4,000万円の物件なら200万円程度の現金がないと、そもそも購入の土台に乗れない。
「関係が停滞しているパートナーを待たず決断するのも手です。相手の決断を待つ『受け身』から、自ら家を買う『主体』のマインドに変わったことで、その凛々しさがパートナーには魅力的に映るためか、結婚へと動くきっかけになるケースが多いです。まずは初期費用分を貯めつつ、理想のタイミングを見極めましょう」(石岡)

3. 家探しに必要な最低限の下準備とは?

「家探しを思いつきで始めてはいけません。どう生きたいかを軸にした『人生戦略』と、不動産会社の言いなりにならないための『知識武装』が必要。資産性を無視して感性や勢いだけで選ぶと、売却や賃貸ができず、赤字やローンが人生の足かせになりかねないので慎重に」(石岡)

購入する目的を明確にする。
「何のために買い、何年住むか」を明確にする。女性はライフスタイルが変化しやすいため、一生の城とするか、将来の売却・賃貸を見越した資産とするかの整理が不可欠。

基礎知識を身につける。
物件の分析力を養う。新旧耐震基準の違いや有利な立地など、資産性とリスクを判断できる知識を持つことが重要。人任せにせず、自分で選ぶ自信を築くことが家探しの防衛策に。

不動産ポータルサイトを検索する。
物件は時期によって価格が変動する。地図検索でエリア相場を俯瞰し、お気に入り登録で市場の動きを追ってみる。自分なりの相場観を養うことで、割高な物件を避けられる。

不動産会社に行き、物件を紹介してもらう。
不動産会社は購入までの全工程を並走するパートナー。物件提案、内見手配、価格・条件交渉、買付〜契約、住宅ローン手続き、引き渡しまでを段取りしてもらう。

4. 不動産会社の見極め方は?

不動産会社は「会社」ではなく「人」で選ぶこと。

「驚くことに、建築やローンの詳細を正しく理解していない担当者は少なくありません。万能なプロと過信せず、こちらの要望に丁寧に応えてくれ、リスクも包み隠さず話す誠実なパートナーかを見極めて。将来貸し出す際の家賃相場の見立てや耐震基準など、資産価値の根拠について具体的な質問をした時に、答えを曖昧にする担当者には要注意。また、単に人気だからという言葉を鵜呑みにせず、事前に養った相場観を武器に、物件が自分の人生戦略に合致しているか冷静に判断を」(石岡)

5. 新築 or 中古、マンション or 戸建て
どう判断する?

新築・中古のどちらを選ぶにせよ、新耐震基準を満たす物件を優先してほしい。旧耐震基準の物件は地震リスクだけでなく、銀行融資がつきにくく、将来売りたくても希望価格で売れない可能性が新耐震基準より高いからだ。

「誰も住んでいないことを最優先する場合は新築一択ですが、割高になりがち。中古は適正価格で購入でき、リノベーションすれば自分の感性も反映できます。単身女性には資産性と流動性が高い駅近マンションを推奨します。防犯性が高く、管理の負担が少なく、将来の『貸す・売る』も容易だからです。戸建てはファミリー層がメイン。そのためターゲットが絞られ、駅から遠くなりやすいなど、将来の売りにくさがリスクに」(石岡)

6. 住宅ローン、どう組むのか?

住宅ローンの借入額は金利相場により変わるが、2026年1月時点で年収の約7〜8倍が目安。「ただし、無理なく返せる額で考えるのが鉄則です。返済期間を考慮し、家計を圧迫しないよう慎重に計画を。購入後の管理費や税金の支払いも含めてシミュレーションすることが重要です」(石岡)

[ 変動金利 ]
現在の主流。日銀の政策に連動して金利が変わる。一般的に固定金利より利率が低いため返済額を抑えられるが、金利上昇による返済額増加のリスクがある。借入額に余裕があり、金利の変化に柔軟に対応できる人に。

[ 固定金利 ]
借入から完済まで金利が変わらず、返済額が一定なのが最大のメリット。変動金利より利率は高いが、インフレや金利上昇の影響を受けないため、長期的な家計管理が容易。市場の動きに不安を感じず、安定した計画を立てたい人に。

[ ペアローン ]
夫婦やパートナーがそれぞれローンを組み、互いに連動して返済する形式。互いの収入を合算することで借入枠が増え、住宅ローン控除も2人分受けられる経済的メリットがある。一方で、離婚や転職などで返済能力が変わる際のリスク管理が重要。

[ 団体信用生命保険 ]
住宅ローン返済中にもしものことがあった際、保険金で残高がゼロになる仕組み。住宅ローンの多くは、団体信用生命保険への加入が契約の必須条件に。最近はがんや三大疾病の保障特約も充実しており、単身者には強力な生命保険代わりになる。

7. 買って終わりじゃない、維持にかかる費用は?

「マンションの場合は、月々の管理費と修繕積立金、固定資産税が主な支出。自室の設備交換代も別に備える必要があります。合計で月3〜7万円程度が目安ですが、築年数が経つと修繕積立金が値上がり傾向に。購入前に必ず長期修繕計画を確認し、将来の値上げ予定や積立金の残高を把握しておきましょう。戸建ての場合、月々の管理費はありませんが、外壁や屋根の補修などのメンテナンス費用を自分で用意しなければいけません。税金や保険料を合わせると、年間30〜50万円程度の維持費を想定するとともに、将来の突発的な修繕に備えておくのが安心です。すべて自己責任で管理する覚悟が必要です」(石岡)

石岡 茜/Akane Ishioka
ことり不動産 代表。大学卒業後、不動産関連の事業会社で経験を積み、2013年にことり不動産を創業。現在、学芸大学駅そばに店舗を構え、女性ならではの視点で物件選びをサポートする。著書『持ち家女子はじめます 人生に「いいこと」が起こるおうちの買い方』(飛鳥新社刊)も話題。
https://www.cotorire.com/

  • text: Yoko Sueyoshi

*「フィガロジャポン」2026年3月号より抜粋