ロンドンの日本食ブームに新風! 若きシェフが腕を振るう「Nakimushi」が大人気。

Lifestyle

日本食レストランの人気がすっかり定番化したロンドンで、いま第二の波がやってきている。最初のブームを生み出した店で修業を積んできた若きシェフが、独自の美意識とアイデアによる新感覚の料理を出すレストランが増えているのだ。そして、英国生まれであることも珍しくない。

ロンドン西部のノッティング・ヒルに9月上旬にオープンし、すでに大きな人気を集める「ナキムシ(Nakimushi)」は、ユージ・シモカワ・ケリーとロビン・コスゲがシェフを務める、これまでとは一味違う日本料理のお店だ。

レンガの壁の前で、赤いソファに並んで座るエプロン姿のシェフ、ロビン・コスゲとユージ・シモカワ・ケリー
ユージ・シモカワ・ケリー(右)とロビン・コスゲ(左)。

名店で腕を磨いた、日本にルーツを持つふたり。

シモカワ・ケリーはロンドン出身で、日本にルーツを持つイギリス人。メイフェアのミシュラン2ツ星を獲得したこともある和食レストラン「ウム(Umu)」で経験を積み、その後はモダン・ブリティッシュの店「ドリアン(Dorian)」で同店のミシュラン1ツ星獲得に貢献した実力派だ。

コスゲはポーランド人の母と日本人の父のもとに、ロンドンで生まれた。ベルグレイビアの「コウズ(Kouzu)」で製菓の基礎を学んだのち、日本の「ドミニク・アンセル・ベーカリー(Dominique Ansel Bakery)」でキャリアを磨く。「ドリアン」のオープニングチームに加わった後にパリと日本でラーメンの研究に没頭し、2025年以降はポップアップのラーメン店などで高い評判を得ていた。

木の棚と銅色のペンダントライトがあるオープンキッチンで、料理の仕込みをするロビン・コスゲ
「ナキムシ」のオープンキッチンに立つコスゲ。

海鮮白湯にバスク風、ラーメンが主役の1階。

「ナキムシ」は、そんなふたりの異なったスタイルを融合したユニークさが魅力だ。1階は活気あふれるラーメンバーで、コスゲのシグネチャーとも言える海鮮白湯によるロブスターラーメン、バスク風鶏ガラスープと味玉のチャーシュー麺などと共に、塩麹ドレッシングのサラダ、野菜のおひたしなどが楽しめる。

大きな海苔とロブスター、花やネギを盛り付けた白い器のロブスターラーメン
豪快に盛り付けられたロブスターラーメン。

蕎麦粉タコスに生春巻き、驚きの味が待つ2階。

2階はバーと25席のレストラン。ラーメンだけではなく蕎麦粉タコス、マグロの生春巻き、エビとズッキーニの餃子など、新感覚の料理を揃える。斬新すぎる食材合わせにはちょっと驚いてしまうけれども、シェフふたりの日本のルーツと、一流店で研鑽した確かな経験に基づいた料理は決して奇抜ではなく、これまでにない味のハーモニーとの出合いを約束してくれる。

木のテーブルに並ぶ、ハーブを添えた魚の丸焼きや小鉢、タコスなど「ナキムシ」2階の料理
メインディッシュから小鉢まで、さまざまな味を2階で提供。

ジャパニーズカクテルと、木に包まれた空間。

焼酎と炭酸水と共に金柑やイチゴなどを合わせて個性的に仕上げた焼酎ハイボールと、紫蘇や味噌を使ったオリジナルカクテルも人気だ。

木のカウンターに並ぶ4種のカクテル。紫蘇の葉を飾ったグリーンのカクテルや、赤やピンクのグラスなど
和の要素を巧みに取り入れたカクテル各種。

ヴィクトリア時代に建てられた煉瓦の建物の外観とはうらはらに、店内は日本を思わせる羽目板ばりの壁や格子状に角材を組んだ天井など、木に覆われた個性的なインテリアとなっており、まさに多文化の融合を象徴しているよう。

木の羽目板に囲まれ、赤いベンチシートと木のテーブルが並ぶ「ナキムシ」の店内
木のぬくもりが感じられる、リラックスできる空間。

オーセンティックな日本料理のその先を待ち望んでいたグルメのロンドンっ子たちと共に、新たな和食を満喫したい。

ヴィクトリア時代のレンガ造りの建物の1階にある、赤い外装の「ナキムシ」の外観

Nakimushi/ナキムシ

7 Kensington Mall, London W8 4EB
ランチ 12:00〜15:00(火〜日)、ディナー 17:30〜23:00(月〜日)
休)月曜のランチ
https://nakimushi.co.uk/
@nakimushirestaurant

坂本 みゆき

ライター

在英ライター。得意ジャンルはアート、デザイン、ファッションなどカルチャー・ライフスタイル全般。近年はサステナビリティ、エコロジー、インクルージョンにも興味あり。好きなものはコットンポプリン、ギャバジン、ウールメルトン、手仕事、音楽、美術館と博物館、紙の読みもの。