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DIOR

【黒木華のDIOR探訪 Vol.6】作家、柴田あゆみの切り絵が彩る、光と幻想の世界。

Fashion

東京・代官山に出現した「ディオール バンブー パビリオン」は、多くの日本のクリエイターが関わりディオールのコードと和の美意識を穏やかに共鳴させている、ディオールのコンセプトストア。

白い紙から切り出された植物が天井を彩る。柴田あゆみが手がけた切り絵は自然光を受け、時間とともに異なる陰影を映し出す。

天井から吊るされた切り絵の長さは、現場でディオールのチームと対話しながら決めていった。動線も考慮して現在の長さに落ち着いたと言う。トップ¥600,000、スカート¥500,000/ともにディオール、イヤカフ¥1,050,000/ディオール ファイン ジュエリー(以上クリスチャン ディオール)

代官山のディオール バンブー パビリオンにあるカフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピックの天井から下がる、広大な白い切り絵を手がけたのが、切り絵作家の柴田あゆみ。2022年に東京都現代美術館で開催された『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展に続くメゾンとの取り組みだ。

「前回の取り組み、『ひかりの庭』で使った作品を再利用しています。前の作品から風を引き継いだイメージです」と柴田。

外の庭園と室内とがガラスを挟んで繋がっている印象にするため、白い紙と植物のモチーフは最適な選択だった。作品の長さやサイズをカフェの空間に合わせて、現場で最終調整をしていったという。

「白い紙を使うことで、神道的な、魂が宿るものとして考えています。見えないところにも魂を込めることで、作品に命が宿ると思っているんです」

制作作業は神戸の柴田のアトリエで。国内に幾つかの拠点を持ち、活動する柴田。いつも使うデザインナイフで実際に紙を切りながらデザインを考えていく。細かい仕上げは小さな鋏を活用。© RUI YOSHIZAWA

柴田の細部にまで妥協しない姿勢はメゾンと共鳴。

「ディオールは、見えないところまでこだわってものづくりをしている。だから、どのピースも命の宿った新しい表現になるのだと思います」

使ったのは、和紙に着想を得てフランスで作られた紙。柴田がパリ在住時代から縁のあるメーカーのものだ。

「フランスと日本がお互いを尊重して生まれた紙を、日本の作家が使う。文化交流に参加しているような気がしました」と柴田は言う。ムッシュ ディオールが日本文化に深い関心を寄せていたことも、この紙を選ぶ理由となった。

カフェで切り絵のアートを見ながら柴田の話に耳を傾ける黒木。「近くで見ると、植物と一言でいっても大きな葉から細かい表現までが重なっていて奥行きを感じます」

制作の際、下書きはしないというのが柴田の流儀。白い紙に鉛筆で線を引くと、消しても跡が残るからだ。

「一度下書きをしてなぞると、反復作業になって心が入らない。最初に心が動いたラインにこそ命が入る。大きな輪郭だけを決め、デザインナイフで紙に直接切り込んでいきます。切り絵は古典的な技法ですが、見せ方や光の使い方、何を切り出し、どう組み合わせるかで新しい表現になるのです」と説明する。下書きをすることなく、感覚で切り出す柴田の制作方法にも興味を持ったのは俳優の黒木華。

「作品を目の前にすると、高い集中力と感覚で情熱的に作ってこられたというのが伝わってきます」と話す。

これまでは暗い空間で、障子や灯籠を通した暖色の光の表現に惹かれてきた柴田だが、今回、自然光との相性も発見した。

「自然光によって白が際立ち、陰影も深くなる。昼と夕方で違う表情が見えたことが、新しい気付きになりました。時間とともに変化する自然光は、屋外での制作を考えるきっかけになったんです」と振り返った。

Ayumi Shibata
神奈川県出身。ニューヨークで切り絵制作を始め、パリでの活動を経て、2018年に帰国。白い紙を切り重ね、光と影を取り込んだ立体作品やインスタレーションを国内外で発表。

Haru Kuroki
1990年生まれ、大阪府出身。初の著書『はるの献立日記』(飛鳥新社刊)が発売中。主演映画『日曜のあと』が2026年11月20日より全国公開。

「すべて感覚で切り出しているとおっしゃっていて。どんな発想で手を動かしていくのかもっと聞 いてみたいと思いました」と黒木。

問い合わせ先

クリスチャン ディオール
0120-02-1947(フリーダイヤル)
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  • photography: Hiroko Matsubara
  • styling: Mana Yamamoto
  • hair: Waka Adachi(Eight Peace)
  • makeup: Ayana Awata(Ota Office)
  • text: Tomoko Kawakami