バターがなくても大丈夫? 代わりになる食品とは。

Gourmet 2018.03.14

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バターの代用食材とは? photo : istock

バターを使った料理が好きなみなさんは憂鬱な日々をお過ごしのことだろう。最近、フランスは空前のバター不足に直面している。状況がよくなるのを待つ間、ほかのもので代用しよう。

フランス中でバターが不足している。生産量の減少、価格の高騰、大規模小売業の融通の利かないシステム……今回の危機には多くの原因が数えられるけれど、状況は明らか。スーパーマーケットの生鮮食品売り場では、バターがかなり品薄になり始めているということ。事態が好転するまでは、代用品で乗り切るしかない。植物性油脂から野菜のピューレまで、バターの代わりに料理に使える食品はいろいろ。バター不足をしのぐためのプチアドバイスを紹介しよう。

お菓子作りのバターの代用品

バターなしでモワルー・オ・ショコラ(チョコレートケーキ)を作るなんて想像できない? それは間違い。野菜、果物、そのほか驚くべき食材も含め、バターの代わりにお菓子作りに使える食材はたくさんある。

アボカド
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それでも気が引ける人には、アボカド(専門的には果物の部類に入る)がおすすめ。新感覚のお菓子作りを試してみてほしい。

ソーシャルネットワークで大人気の食品。バターを第2の地位に追いやって、むしろアボカドをメインに使うという舌の肥えた食いしん坊が増加中。それもそのはず、この緑の果物(野菜に区分されがちだが)の質感はそれだけですでに溶けたバターに似ている。その上ライトだ。ご家庭で試してみる時は、アボカド100gで、バター100gの代わりになると覚えておこう。

ズッキーニ
アボカド同様、ズッキーニもバターの代わりになるが、脂質の代用として料理の本で言及されることは少ない。しかし、チョコレート入りのお菓子はもちろん、ヨーグルトケーキ、さらにはレモンケーキに使っても、ふんわりとした、とろけるような食感になる。ケーキにきれいな色がつくのもうれしい驚き。念のためにつけ加えておくと、ズッキーニの味がすることは絶対にないのでご安心を。ズッキーニ約150gで、バター100gの代わりに。

ビーツ
いま巷で話題の野菜だが、“ヘルシー”な食べ物にこだわる人たちの間では、ずっと前からおなじみの食材。とろりとした食感、鮮やかな色、そして、下ごしらえも超簡単とくれば、これ以上望むことはない。そしてこの場合も、野菜の味が気になることは絶対にない。ビーツの芯が柔らかくなるまで茹で、後はそれを残りの材料に加えるだけでいいので、ご家庭でも簡単に試せる。これで砂糖とバターの量をレシピの半分の分量に減らすことができる。

リンゴのコンポート
チョコレートのお菓子ならほとんど味を感じることがないので、リンゴのコンポートもバターの代わりに。しかしながら、バターに比べると粘度が高いので、バター100gの代わりには、コンポート50gと植物性油脂50gを。

植物性油脂
菜種油、大豆油、コーン油は、バターの代わりとして、大半のお菓子作りに使える。それに良質の油脂と優れた栄養素を摂取できるという利点も。オリーブ、くるみ、ココナッツの油もお菓子作りに適しており、独特の香りと風味をもたらしてくれる。

アーモンドのピューレ
ヴィーガンの最大の支持を集める代用食品。味がまろやかなので、クッキー、スポンジケーキ、サブレ、マフィンなど、ほとんどすべてのお菓子に使える。分量も、バターと同じで大丈夫(”溶かしバター”とレシピに記されている場合は、植物性油脂と半々)。ゴマ、カシューナッツ、ピーナッツ、ヘーゼルナッツのピュレもバターの優れた代用品になる。ただ、それぞれ風味が独特なので、そのことだけ気に留めておきたい。

フロマージュブランまたはプレーンヨーグルト
これも、ライトな料理が好きな人向けのアドバイス。チーズケーキやスポンジケーキを作るなら、バターではなくフロマージュブラン、プチスイス、そのほかのプレーンヨーグルトを使うのがおすすめ。やり方はいたって簡単。バターを同じ分量のフロマージュブランに置き換えるだけ。

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調理をする時には

この場合も、バターの代用としてオーブン料理や炒め物に使える食品はいろいろある。植物性油脂、マーガリン、カモの脂がその代表格だ。

植物性油脂
バターの代わりに植物性油脂を使うことに何ら問題はない。ただ、高温での加熱を繰り返すうちに身体に害を及ぼす可能性のある化学物質が発生してしまうので注意しよう。必ず劣化していない油を用いて、適正な温度で加熱すること。安全に使う秘訣は? 購入した製品の食品表示をよく読むこと。そして、煙が出るまで加熱しないこと。それ以上温度が上がると、油から煙が出続ける。ヒマワリ油は弱火調理向き。オリーブオイルは野菜を炒める時や、フライパンでステーキを焼く時に。ココナッツやピーナッツが原料の油は揚げ物に使うといい。

マーガリン
誤解から非難されることの多いマーガリンだが、バターの代用品として調理に使うのに非常に適した食品だ。ただ、植物性油脂と同様、食品表示をよく読み、熱に耐えるものであることを確認すること。水素化処理をしていない植物性マーガリンを選べば、有害な化合物が生成される心配はない。ただし風味の点では、マーガリンはバターにはどうしてもかなわない。

カモの脂
カモやガチョウの脂も多くの料理でバターの代わりに使える。こんがり焼いたじゃがいものソテーや、野菜の炒め物、肉や魚を調理する時にこれらの脂を使うと、料理の風味がいっそう増す。ただし使いすぎないように気をつけて。

パンに塗るには

バターを塗ったトーストだけが朝食ではない。マーガリンに、フルーツバターに、メープルバター、パンに塗るのに適したおいしいペーストはたくさんある。

マーガリン
パーム油を原料にした‟硬化油”のマーガリンは忘れて、これからはもっぱら菜種油やオリーブオイルから作られたマーガリンを使うことにしよう。バターと同じように、朝食用のパンに塗って食べられる。

フルーツバター
フルーツのコンポートをぎりぎりまで煮詰め、加熱中に脂質を加えたもの。加える油は、ココナッツ油、オリーブオイル、アーモンド油、あるいはシードルビネガーやメープルシロップでも。脂質はバターより少なく、糖分はジャムより少ない。ぜひ取り入れてみよう。

メープルバター
ペーストと同じように、トーストやクロワッサン、パンケーキにも使える。メープルバターとはいえ、乳製品ではない。作り方は簡単。メープルシロップ30mlにコーンシロップ大匙2杯を混ぜ合わせたものを沸騰させ、110度で15分加熱する。途中でかき混ぜないこと。氷を入れて冷水をはったトレーに鍋を移し、メープルバターの温度が20度になるまで、かき混ぜずに静かに冷ます。冷めたら、電動泡立て器でクリーム状になるまで泡立てる。瓶に移して冷所で保管する。メープルフォンダンとも呼ばれるメープルバターはできあがった状態のものが多くのネットショップで扱われているので、料理初心者はそちらで購入するといい。冷蔵庫で保管すれば3週間もつ。

やはりバターに代わるものはないが、バターがない時の緊急対処法はこれでばっちりだ。

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texte : Anne-Laure Mignon(madame.lefigaro.fr)

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