2週間のバンコク出張、その後夏休みで「おかわりタイ」、それでも物足りず東京のタイ料理店を連日食べ歩く......。昨年は私にとって"タイYear"でしたが、京都でも"タイ活"。ずっと気になっていたデュシタニ京都でのステイが叶いました。
23年9月に開業したデュシタニ京都。タイ通ならきっとご存知、国を代表するラグジュアリーホテルです。バンコク滞在中は残念ながら泊まるチャンスがなかったので、京都でリベンジしました。

部屋はまさにクワイエットラグジュアリー。白やベージュでまとめ、落ち着いた雰囲気です。京都らしさを感じる格子がアクセントに。

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中庭など、館内をぐるりと探索した後はディナー会場へ。「シェフズテーブル 紅葉」、オールデイダイニングの「Kati(カティ)」などいくつかのレストランがありますが、この日はタイ気分を満たすべく「Ayatana(アヤタナ)」をセレクト。というのも、京都醸造とのコラボレーションコースが展開されていたから。京都のクラフトビール界を代表する存在なので、どんなビールが食事に合わせて提供されるのかドキドキ......。

アヤタナは、ホテルの開業前から注目していたレストランとあってこちらも期待大! タイの伝統料理が着想源ということで、伝統×京都の食材や旬と巧みに掛け合わせた料理が楽しめます。
コースの始まりは目の前で石臼を使って食材をすりつぶして料理を仕上げるアミューズブーシュ。それを食べた瞬間に、気分はもうタイ。コース内容は時期によって替わりますが、訪れたこの日は「ナンプラーでマリネしたスイカとトマトレリッシュ」「鱧のスチーム ココナッツクリームとガーリックの酢漬け」など、爽やかな味わいからスタートしました。

最初の1杯として提供されたのは「夏の気まぐれ」。IPAではあるものの、柑橘が利いていてゴクゴク飲める喉越しのいいビール。料理の清涼感ともマッチします。
その後、ファーストメインディッシュとして「和牛のグリルサラダ 自家製シラチャーソースとともに」や「プーケット風 マナガツオとイカのドライカレー炒め」などが登場。和牛のサラダは、さっぱりといただけるのと同時に、シラチャーソースに入った唐辛子がしっかり利いている一品。「おいしい」「辛い」のループで、おいしいから食べる→口中さっぱり&でも辛い→辛味がおさまる→また食べたくなる......これが続きます。

合間にいただくビール「てきか」は、ふじリンゴの酸味が感じられ、口中に爽やかな風を運んでくれます。シードル感覚で飲めるのがおもしろい!
セカンドメインディッシュとして3品が提供され、同時にジャスミンライス&国産有機米も。タイ料理の楽しさのひとつが、この白米とのかけ合わせ。「チキングリーンカレーとポークハンレーカレー」を主軸に、「豚ミンチと鮮魚のスープ 梅の香り」で時折さっぱりさせながら、肉厚で旨味たっぷりの「鮑のスマッシュフライ」をカレーと一緒に食べたりと、自己流アレンジが楽しい! 一汁三菜感覚で、本場タイのフレーバーを堪能できる幸せな時間です。
京都醸造でも人気のIPA「一意専心」は、濃い味にもぴったりマッチ。その後に供された「颯爽と」の白桃のような香りで、より清らかな気分に。
コースを通して計5種のビールをいただきましたが、クラフトビールというより、クリエイティブなカクテルのよう。アロマも味わいも苦味も喉越しも、それぞれまったく異なるので飲み比べるごとに沼にハマっていきます。
大満足ディナーの後、部屋に戻るつもりが、気づけば同フロアにあるバー「Den Kyoto」に。タイはバーもハイレベルなので、京都にいながらその空気を感じられるのも魅力的です。

抹茶や和三盆を使った京都感じるカクテルのほか、唐辛子を使った「ソムタム」といったタイインスパイヤのカクテルなど、かなり目移りしましたが、「デュシタニ京都」ならではの「四条シーロム」をセレクトしました。ウォッカ、ドライベルモットをベースに、ユズやライムリーフが香り、タイと京都、両方のフレーバーを感じられます。
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翌朝は、朝食の前に気になっていたプールへ。地下にあり、大人っぽくどこかムーディ。早朝だったこともあり、人も少なく快適! デュシタニ京都はスパなどウェルネスが充実しているのがうれしいところ。

プールの後は続けてウェルネス体験。同フロアにあるデバラナ ウェルネスのトリートメントメニューから、「Thai Herbal Antidote」をセレクトしました。
さすがデュシタニ、タイの伝統療法を取り入れたプログラムで、筋膜をやさしくリリースするので痛みはないのですが身体がほぐれて軽くなります。ほどよい暗さで施術されるので、リラックス効果もばっちり。

リラックス後は駆け込みで朝ごはん会場へ。「Kati(カティ)」の朝ごはんは、前菜やデザートをブッフェから、メインはメニューから好きなものを(好きなだけ)選ぶスタイル。ブッフェにはサラダやハム、パンなど洋食の定番から卵焼きや焼き魚など和の定番がずらり。

メニューから選べるメインディッシュは、おいしいと評判のフレンチトーストや「ブリオッシュ アボカドトースト」などかなり迷いましたが、昨日のタイの味が忘れられず「タイ三昧」することを決意。ガパオライスとタイ風お粥、ダブル炭水化物をチョイス。昨晩はイノヴェーティブ、朝は伝統メニューとタイ料理の今昔を堪能でき、大満足でチェックアウト。京都駅までもタクシーで10分弱と、アクセスも良好でした。

京都でタイ的ラグジュアリー体験。行ってみるまで想像ができなかったのですが、歴史と伝統ある古都、そしておもてなし文化という共通点が多々あり、不思議とマッチ。心地いい時間がデュシタニ京都には流れていました。
デュシタニ京都
京都府京都市下京区西洞院町466
075-343-7150
料)1名¥64,515〜(1室2名利用時、朝食付き)
https://www.dusit.com/dusitthani-kyoto/ja/

小中学校を北京で過ごしたアジア系帰国子女。幼少期から年に4〜5回海外旅行を繰り返す生粋の旅好き。大学時代に時間が有り余り、自転車で東北や四国&中国地方を周遊。ダイビングサークル出身で離島フリーク。ワインエキスパートを取得後、フィガロワインクラブの部長(愛称)に就任。