パリでいま訪れるべき5大新名所 ④ 安藤忠雄が手がけた、パリの新現代美術館。

Paris 2023.05.03

Bourse de Commerce Pinault Collection

ブルス・ドゥ・コメルス ピノー・コレクション

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ブルス・ドゥ・コメルスを象徴する大展示空間ロトンド。4月24日までは、ヤン・ヴォーのインスタレーション。展示作品によってがらりと印象が変わる空間。

パリの心臓部、シャトレーからルーヴルに向かうエリアが変貌を見せている。数年前にレ・アールが整備されたのを皮切りに、2021年前半には、ピノー・コレクションとサマリテーヌがたて続けにオープン。ルーヴル通りの中央郵便局がリニューアルし、ルーヴル美術館前にはカルティエ財団がやって来る予定だ。歴史と現代が溶け合うリノベーション建築も注目され、新しいカルチャーエリアが誕生しようとしている。

18世紀建築の商工会議所から、パリを代表する現代アートの美術館へと変貌したブルス・ドゥ・コメルスは、このエリアを牽引する存在。建築は、ピノー・コレクションがヴェネツィアに開いたふたつの美術館と同様、安藤忠雄に委ねられた。歴史建造物指定のドームと内装を修復し、その円筒型スペースの内側にコンクリートのシリンダーを出現させた空間は世界中から絶賛されている。

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ロトンドの周囲を巡る、古のままの24個のショーケースが並ぶパッサージュ。24個のケースのすべてが、ひとりのアーティストに委ねられる。12月31日までは、ベルギー人アーティスト、エディス・デキントの『ものの起源』。ショーケースのひとつには、時折、ガラスを消しゴムでこする人物が現れる。

地下から地上2階まで、展示スペースは4フロア。3階の回廊に立てば、19世紀に作られたガラスの丸窓から差し込む光に照らされて、巨大なフレスコ画が目の前に迫る。ホワイトキューブとは一線を画すブルス・ドゥ・コメルスの象徴的なスペースは、アーティストをインスパイアしてやまない。中央の展示室ロトンドは、巨大作品のインスタレーションが常に話題をさらう。修復された歴史建築の壁とコンクリート壁の間に生まれたパッサージュでは、往時の姿を残す、24個の木製ショーケースの連なる展示コンセプトがアーティストを刺激する。自然と環境にテーマを得た『嵐の前に』展は、9月11日まで開催中だ。

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開催中の展覧会のテーマは『嵐の前に』。海藻で作られた巨大な繭を思わせる作品は、アニカ・イー。 

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サイ・トゥオンブリーの絵画、ダニエル・スティーグマン・マングラネの針金と乾燥した枝や葉を組み合わせた作品。

Bourse de Commerce Pinault Collection
ブルス・ドゥ・コメルス ピノー・コレクション

2, rue de Viarmes 75002
tel:01-55-04-60-60
ⓂLOUVRE-RIVOLI
開)11:00〜18:00最終入場(月、水、木、土、日) 11:00〜20:00最終入場(金、第1土曜) ※4/26~5/22を除く
休)火、5/1
料)一般14ユーロ
※チケットは予約したほうがいい
www.pinaultcollection.com/fr/boursedecommerce

●1ユーロ=147円(2023年5月現在)
●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。 
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅、Ⓣはトラムの駅を示しています。 
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間や開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

*「フィガロジャポン」2023年5月号より抜粋

photography: Yuji Ono text: Masae Takata(Paris Office)

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