やっぱり大好き! いま通いたいパリのビストロ。

Paris 2023.05.05

パリグルメの代表格でもあるビストロが、より楽しく進化中! 懐かしのメニューを再構築したり、旬のシェフが老舗を引き継いだり。古典に敬意を払いながら、新しい感性が光る話題の6軒。


Bistrot des Tournelles|ビストロ・デ・トゥルネル

シンプルな盛り付けに光る、ビストロの神髄。

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手前は牛肉のプロヴァンス風蒸し煮「Daube de Boeuf à la Provençale」27ユーロ。一見こってりしているが、トマトとタイムで煮込んでいるので後味すっきり。ニンジンとジャガイモのピューレと。奥は、茹で卵に酸味の利いたマヨネーズをかけたウフマヨ「OEufs Mayo」7ユーロ。ワインはグラス7ユーロ~

バスティーユ広場近くにある全25席のビストロ。料理にも定評があったバー、ラントレ・デ・ザルティストのオーナー、エドゥアール・ヴェルマンクが料理長ジョフロワ・ランジェラを引き連れて2022年にオープン。肉料理が看板メニューで、自家製アンドゥイエットのグリエ、鶏肉とモリーユ茸のクリーム煮、鶏むね肉とチーズの挟み揚げ“コルドンブルー”などをラインナップ。唯一の魚料理は、白ワインとバターのブールブランソースでシンプルに。無駄な味付けや飾りはせず、ビストロ料理を直球勝負で魅せてくれる。

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オーナーのヴェルマンク(右)とシェフのランジェラ。

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マダガスカル産バニラが利いたクレームブリュレ「Crème Brulée, Vanille de Madagascar」11ユーロ

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オーナーが探し集めたさまざまなデザインの椅子やアンティークのポスターが店を彩る。

Bistrot des Tournelles
6, rue des Tournelles 75004
tel:01-57-40-99-96
ⓂBASTILLE 
営)19:00~23:00L.O.
休)日、月
要予約 
www.bistrotdestournelles.com

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Parcelles|パルセル

プロたちのお墨付き! 古き良き料理と上質なおもてなし。

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上から、仔牛の胸腺とジャガイモのピューレ「Ris de Veau au Beurre Noisette, Purée de Pomme de Terre, Jus de Viande, Câpres & Sauge」42ユーロ、仔牛の頭のカルパッチョ「Carpaccio de Tête de Veau, Sauce Gribiche et Câpres」13ユーロ

20年にわたり星付きレストランやワインバーを経営してきたオーナーが、旧知のソムリエや料理人と立ち上げた。「経験と好きなものを凝縮した」店は、リ・ドゥ・ヴォー(仔牛の胸腺)やテット・ドゥ・ヴォー(仔牛の頭)などフレンチの王道を軸にしつつ、ハーブ風味のニョッキを定番に入れるなどメニュー構成は柔軟。親しみやすい雰囲気ながら、真っ白なクロスに特注のカトラリー、充実したブルゴーニュワインなど徹底的に質を追求。常連客に料理界のプロが多いのは、この安定した質の高さと心地よさが理由だ。

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インダストリアルな店内。

Parcelles
13, rue Chapon 75003 
tel:01-43-37-91-64
ⓂARTS ET MÉTIERS
営)12:00~14:00L.O.、19:00~22:00L.O.(月~金) 12:00~14:00L.O.(土) 
休)日
要予約
www.parcelles-paris.fr

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Au Petit Riche|オ・プティ・リッシュ

リニューアルした老舗で、ワイン片手にロワール郷土料理を。

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手前から、牛乳入りのブイヨンで調理したアドック(燻製タラ)のポシェ、イギリス風「Haddock Poché à l’Anglaise」23ユーロ、ピスタチオやアプリコットを加えて軽い味わいにした鴨肉とフォアグラ入りの自家製パテ・アン・クルート「Pâté en Croûte Maison」20ユーロ

ロワール地方の料理とワインをスペシャリテとする1854年創業のレストランが、ワインバーやテラス席を充実させて2022年にリニューアル。ロワール地方で燻製にしたタラのクリーム煮、同地方特有の方法で乾燥させた洋ナシを添えたフォアグラ、カワカマスのクネルといった郷土料理のほか、野菜のココットやトリュフ風味のクロックムッシュといった軽食も提供。25年前から同店に勤めるソムリエが選ぶワインは全300種。グラスワインとチーズの盛り合わせなど、おつまみを気軽に楽しめるワインバーもおすすめ。

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クレーム・シャンティイを絞ったババ・オ・ロム「Baba Moelleux au Rhum, Chantilly」10ユーロ

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モザイクタイルの床、天井画が美しい店内奥のスペース。220席もあり、複数の小部屋に分かれている。

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木壁やオレンジのひさしがクラシカル。

Au Petit Riche
25, rue le Peletier 75009 
tel:01-47-70-68-68
ⓂRICHELIEU DROUOT 
営)12:00~14:30L.O.、19:00~22:30L.O.
※ワインバー:18:00〜22:30L.O.
休)日、月
要予約 
www.restaurant-aupetitriche.com

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Café Lignac|カフェ・リニャック

人気シェフがアレンジした、旬のエスプリが利いたひと皿。

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パセリ風味のマッシュルームにクリームソースをかけたオムレツ「Omelette aux Champignons」19ユーロ

エッフェル塔の間近にあったレストラン、カフェ・コンスタンが、スターシェフのシリル・リニャックが新オーナーとなったことで、いま注目の的に。パリのカフェならではのカウンターバーなどアールデコ風の内装、終日営業のスタイルは継承。料理はビネガー風味のアーティチョークや手長エビのラヴィオリといったクラシカルな料理から、チョリソークリームを添えたイカのグリル、味噌風味のサーモン、トンカ豆風味のクレームブリュレなど。いまを反映した多彩かつ多国籍な味付けの料理も並び、新旧のファンの心を掴んでいる。

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リ・ドゥ・ヴォーと鶏モモ肉、キノコ、ホンレンソウをパイ生地に詰めたフレンチの定番、ヴォル・オ・ヴァン。ポルトやコニャック、マデイラワインにフォアグラやクリームなどを加えた古典的なソース・アルビュフェラと。「Volau-vent, Ris de Veau, Albuféra」38ユーロ

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グリーンが鮮やかな外観。オーナーがシリル・リニャックになったことで、店名も新たに。

Café Lignac
139, rue Saint-Dominique 75007
tel:01-47-53-73-34
ⓂÉCOLE MILITAIRE
営)カフェ:7:30~11:30L.O. ランチ:12:00~15:00L.O.
ティータイム:15:00~19:00L.O. ディナー:19:00~23:00L.O.
無休
要予約 
https://cafelignac.com

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Café Max|カフェ・マックス

伝統をいまに伝える、名ビストロが復活。

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550gもあるノルマンディ産仔牛のあばら肉はクリームソースとジャガイモ、小皿にスイスチャードを添えて。「Côtes de Veau Normand, Crème, Pommes Fondants et Blettes」46ユーロ。グラスワインは8ユーロ~

第二次世界大戦時、レジスタンスの隠れ家だったという伝説のビストロを2022年9月、重鎮シェフ、フレデリック・ヴァルドンが引き継いだ。18年前から同店で働いてきたシェフと守り続けるのは「新鮮な旬の素材で作る、シンプルでエレガントな伝統料理」。ほどよい食感の牛肉のバヴェット(カイノミに相当)、カリッと焼いた豚耳、伝統的なマカロニのグラティネなど、フランス人が大好きなメニューが並ぶ。1900年代の錫カウンターや、有名画家の作品が壁に掛かる28席の店内は、常連客で昼も夜も満席だ。

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ワインのおつまみにぴったりな、前菜3種。手前から時計回りに、マグロのハラミ「Ventrèche de Thon Blanc」58ユーロ、ウフ・ミモザ「OEufs Bio Mimosa」9ユーロ、オイルサーディン「Sardines」12ユーロ

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南仏に位置するウショー渓谷で採れる黒トリュフをかけたスクランブルエッグ「Brouillade à la Truffe Noire Massif d'Uchaux」30ユーロ

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テラスに腰掛けた大きな熊が目印。

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エレガントな深紅のソファ、壁を飾る絵画やモノクロ写真の数々が歴史を感じさせるカフェ・マックス。経験豊富なギャルソンや若いスタッフがきびきびと笑顔でサービスする店内は、いつも賑やか。

Café Max
7, avenue de la Motte-Picquet 75007
tel:01-47-05-57-66
ⓂLA TOUR-MAUBOURG 
営)12:15~14:00L.O.、19:30~22:00L.O.
休)土、日 
要予約
www.cafemax.fr

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Café des Ministères|カフェ・デ・ミニステール

パリっ子の心をくすぐる、愛されメニューがずらり。

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シェフである夫ジャンのスペシャリテ。リ・ドゥ・ヴォーとホンレンソウのバター炒め、マッシュルームをパイ生地にたっぷり盛り付け、ベシャメルソースをかけたヴォル・オ・ヴァン「Vol au Vent Grande Tradition」44ユーロ

星付きレストランで活躍したセヴェーニュ夫妻が「伝統料理を誰もが心地よく味わえる場所を作りたい」と2019年に自身の店をオープン。なめらかな自家製ブーダンノワール、フォアグラをキャベツに詰めたファルシ、生産者から届くフルーツを使ったメレンゲのデザート、パヴロヴァなど、古典料理ファン垂涎のメニューが揃う。なかでも注目は、「本日のおすすめ」からファンの願いにより定番となったヴォル・オ・ヴァン。国産の厳選素材とフレンチの技法を駆使した、懐かしくて新しい一品に出合える。

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バニラのアイスクリームが入ったシューにキューバ産カカオ66%の温かいチョコレートソースをかけていただくプロフィットロール「Profiterole」12ユーロ

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豚肉と鶏レバーを使った濃厚な味わいの自家製テリーヌ「Terrine Maison」11ユーロ

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店は国民議会のすぐ裏に立つ。アットホームな雰囲気のインテリア。ワインは妻のロクサーヌがセレクトする。

Café des Ministères
83, rue de l'Université 75007
tel:01-45-33-73-34
ⓂASSEMBLÉE NATIONALE 
営)19:30~21:15L.O.(月) 12:00~13:45L.O.、19:30〜21:15L.O.(火~金)
休)土、日
要予約 
www.cafedesministeres.fr

●1ユーロ=149円(2023年5月現在)
●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。 
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅、Ⓣはトラムの駅を示しています。 
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間や開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

*「フィガロジャポン」2023年5月号より抜粋

photography: Shiro Muramatsu text: Chiaki Mitomi

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