パリを食べる。ブラッスリー・デザールのオニオングラタンスープ。

Paris 2024.07.27

パリに行ったら赤白チェックのクロスがかかったテーブルで、オニオングラタンスープを食べよう。こんな夢を見てる人もいるのではないだろうか?

オニオングラタンスープはレストランではなく、カフェやビストロあるいはブラッスリーのメニューで見つけられるクラシックな一品である。トライするチャンスは割と簡単に見つかるのだけれど、なかなかおいしいのには出合えない。玉ねぎのスープが薄すぎだったり、おろしたチーズが熱で大きな塊になっていたり、フランスパンが山ほど入っていてお腹いっぱいになりすぎてしまうなど、ちょっぴりガッカリという結果が待っていることが少なくない。

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サンタンドレ・デザール通りとジ・ル・クール通りのコーナーを占めるブラッスリー・デザール。photography Jérome Galland

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オニオングラタンスープ、11ユーロ。photography: H. Picard.

赤白クロスはないけれど、昨秋にオープンしたパリ6区のBrasserie des Arts(ブラッスリー・デザール)で失望しないオニオングラタンスープ体験をしよう。丁寧に炒められた玉ねぎのスープは味に深みがあり、最初のひと口からおいしく感じられる。いい具合に糸を引く熱々のおろしチーズとパンのバランスもとても良い。しかもサイズは小ぶり。ほかに気になる料理があればそれも食べられるのだ。メニューを見ればクロック・ムッシュ、タルト・タタンなどブラッスリーらしくクラシックのオンパレード。オニオングラタンスープだけで食事を終わらせては後悔が残る!

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クロック・ムッシュ、14ユーロ。photography: H. Picard.

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チキンのコルドン・ブルー、25ユーロ。クラシックなフランス家庭料理のひとつだ。ランチのセットメニューは前菜+メインで29ユーロ、前菜+メイン+デザートで36ユーロ。photography: H. Picard.

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シェフはヴァランティーヌ・ダヴァーズ。オテル・リッツの星付きレストランL'Espadonで修行をし、13年前にフードトラックのLa Réfectoireを創設した。フランス国内をトラックで駆け巡って、ガストロノミー料理出身の彼女による味と質の良いバーガーでフードトラックの料理のイメージを大きくアップした功労者だ。その後ケータリングなどを経て、昨秋オープンしたブラッスリー・デザールのシェフに就任。フランスの伝統的な料理を現代人の口に合う料理に仕上げるのはお手の物! 店内のインテリアはアールヌーボーをインスピレーション源にジェシカ・ミルが手がけた。彼女は家具もデザイン。ブラッスリー・デザールでは食べ終えて空になったお皿に描かれたフルーツと女性のヌードモチーフに驚かされるが、これもジェシカの仕事だそうだ。店内あるいはテラス席に自分のお気に入りの席を見つけて、さあ、オニオングラタンスープを味わおう。

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シェフのヴァランティーヌ・ダヴァーズ。photography: Charlène Pelut

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店内は2フロア。天使の羽を思わせるハート型の背もたれの椅子が目を引く。Jérome Galland

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フルーツ×ヌードのモチーフが描かれたお皿。photography: Mariko Omura

Brasserie des Arts
28, rue Saint-André des Arts 75006 Paris
営)10:00~翌2:00
@brasserie_des_arts

editing: Mariko Omura

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