エコなライフスタイルの原点が見える!
山中湖畔に生まれた環境型リゾート
「PICA山中湖ヴィレッジ」山中湖畔(富士五湖)/山梨県

 富士山麓に点在する富士五湖のひとつである山中湖は、ロケーションの良さや美しさから、古くから別荘地として知られてきました。とりわけ日本一の高さを誇り日本人の心に宿る偉大な富士山のお膝元であるために、パワースポットとしても、良質な水や温泉の湧き出る地域としても知られているのです。
その山中湖畔に、2007年7月、手造りリゾートとして誕生したのが「PICA山中湖ヴィレッジ」。ちょうど日本国内で環境問題が、表立って大きく取り沙汰され始めた頃でしょうか。施設に滞在しながら環境を考えたイベントや、楽しいワークショップなどを通して自然の仕組みについて学んだり、提案したり・・・。とにかく体にも心にも、もちろん自然にも優しい滞在を提供するリゾートとしての出発でした。

sekine1016_a.jpgキッチンガーデンから見たメイン棟。中にはレストラン、ショップ、コテージの受付、
小ホールなど

宿泊はサステイナブルな仕組みを利用して建てられたコテージで、広さもたっぷりと取られているので、友達や家族、恋人通しでも楽しめるアウトドア感覚が快適です。子供たちなら尚更、自然について学ぶことが多くて興味深々ではないでしょうか。「テントはあんまり・・・、でも自然は好き!」というゆる~い自然派にも向いている気がします。

sekine1016_d.jpg(左)緑に囲まれたハンモックカフェ(右)コテージ内にもハンモックが吊れるようになっている

とはいえ、私自身のお気に入りは、レストランでのオーガニック食材を使った安心安全の美味しい食事です。レストラン前に作られたキッチンガーデンでは、ハーブや花類、野菜類が作られ、敷地内に別にあるオーガニックファームからの収穫と、さらに地元農家から仕入れるオーガニック野菜を中心に作られる料理は、見た目も美しくしかも本当に美味しい。ドライブの途中などに立ち寄るだけでもきっとファンになるに違いありません。

sekine1016_e.jpg夜のレストラン内、食事は無農薬、オーガニック、などヘルシーで安全な野菜を中心に美味しい肉、魚も楽しめる

sekine1016_f.jpg(左)手作りソーセージ、オーガニックサラダ、健康卵などヘルシーな朝食(右)ランチに最高!地元の旬の野菜たっぷりのカレーと玄米ご飯

 この「PICA山中湖ヴィレッジ」が単なるコテージ型リゾートと異なるをご紹介しましょう。施設の広さは16826m²あり、キッチンガーデンやオーガニックファームを除けば、その多くが自然のままに残された緑、森、草木です。美しく刈り込んで手入れの行き届いた庭園とは趣の違う、間伐や草取りなど最低限の手入れを施した自然の姿に残してあります。PICA施設自体が'パーマカルチャー'(人間にとって恒久的持続可能な環境をつくり出すためのデザイン体系)に基づくデザインで作られて折り、知れば知るほど'なるほど・・・'と思える智慧が満載なのです。たとえば、スパイラルガーデンでは、日当りのいい東側や南側には陽光が必要なハーブが植えられ、反対に北側には日陰にも強いハーブが植えられている・・・ように、一見して分からないことも、細やかにデザインされた「環境モデル」であることを知れば、自然の仕組みの凄さや楽しさも知ることになるでしょう。

sekine1016_b.jpg手前の小山がスパイラルガーデン、見た目より室内はずっと広いコテージは全14棟

sekine1016_c.jpg(左)新たに誕生したバーベキューガーデン(右)敷地内の中心を占めるオーガニックガーデンと温室、風車

またもうすぐやってくる2009年11月22日には、施設内の小ホールで北海道にある天使大学大学院の助産研究科実習指導員、岡野眞規代氏による「いのちのおはなし」という講演会が予定され、「命が持つ力強さ、美しさ」についてお話が聞けるそうです。PICAが体にも心にも、環境にも優しいと言われるのはイベントにも表れていますね。(K.S) 


PICA山中湖ヴィレッジ

山梨県南都留郡山中湖村平野506‐296
☏0555‐62‐4155 
Fax/0555‐62‐4188
http://www.pica-style.co.jp
部屋数/15棟(コテージ)
施設/オーガニックレストラン、BBQガーデン、ショップ、ハンモック・カフェ、オーガニックガーデン、他
料金/14000円~46000円(1棟4名までの室料、食事別、季節料金あり)
アクセス/東京から富士急行や中央高速バス直行約2時間~2時間半、山中湖バスターミナル下車、隣接。
*シーズンオフとなる10月から翌年冬が終わるまで毎週火曜日定休。(要問合わせ)

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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