自然と人、南仏の美学が融合した、ロクシタンの持続型ビジネスの背景は?
自然に敬意を払い、人と人との繋がりを大切にすることーー。それは当たり前のようでいて、ビジネスの場面では実現が難しい課題でもある。創設以来50年もの間、自然と人、南仏の美学を融合し、グローバルブランドへと成長を遂げたロクシタン。その哲学を社長の山本直樹がゲストのマリウス葉とともに語った、ロクシタン 50周年記念プレス発表会の様子をお届け。

7月8日、渋谷にあるロクシタン SHIBUYA TOKYOにおいて、メゾン創設50周年を迎えたロクシタンのプレス向けイベントが開催された。まずはロクシタンジャポン社長山本直樹より、50年の歩みとブランドの哲学についてのプレゼンテーションからスタート。
「1976年、南仏オート・プロヴァンスにおいて、ロクシタンは小さなマルシェから始まりました。創設当時から自然に敬意を払い、植物の恵みをそのままお客様にお届けすること。さらに“南仏の美学”を融合し、日々の生活に彩りやエモーショナルな感動をお届けすることに注力してきました」

フランス流の「アールドゥヴィーヴル(=生活の美学)」は、フィガロジャポンも大切にしているメッセージだ。ロクシタンにおいては生活の中に自身を慈しむ時間を持ち、暮らしに充足感をもたらすために、「香り」や「店舗内の構成」に工夫を凝らしているという。
「いまも店内は心地よい香りで満たされていると思いますが、製品の香りやテクスチャーを楽しんでいただくために、シンクを設置するなど、全国の店舗を随時リニューアルしていく予定です。そして製品の魅力をお客様にお伝えするのが、我々の財産である“人”。つまりビューティーアドバイザーですね。ロクシタンのスタッフはみな勤務歴が長く、離職率も低い。なぜならブランドのいちばんのファンだからです。自分自身の言葉で、熱意を持ってお客様に製品の魅力をお伝えできることは、我々の強みだと思っています」

オート・プロヴァンスを旅したマリウス葉が語る「サステイナブル」。
第2部は、ゲストとしてマリウス葉が登壇。2025年、実際にオート・プロヴァンス地方を訪問し、ロクシタンの研究所や植物を栽培する農場などで、現地の人々と交流したという。その時の印象を、飾らない言葉で山本社長と語り合った。

「農家の方が、“オート・プロヴァンスは日差しが強く乾燥していて、だからこそ生命力の強い植物が育つ。そのためには、土壌がすこやかであることから始めるんだ”とおっしゃっていたのが印象的でした。人と自然は昔からともに生きてきて、“それが当たり前である”という皆さんの思いを肌で感じました」(マリウス)
「そうですね。土壌を大切にする取り組みは、ロクシタンがものづくりの根幹を見つめ“地球と一緒にビジネスをしている”と感じる点です。50年続くブランドは、世界の中でたった1%以下といわれている。それだけ長く続く理由は、コンセプトそのものが非常に“正しくて、強い”からです。社会や経済の状況が変化していく中で、このコンセプトに共感する仲間、そしてお客様がいて下さるからこそ、50周年を迎えられたと思っています」(山本社長)
創設以来の哲学を継続すべく、2023年にロクシタンはグローバルで「BCorp認証」を取得。BCorp認証とは社会、環境、従業員などの分野で、すぐれた倫理基準を満たした会社に与えられる国際的な認証だ。「環境にも人にも配慮し、我々の軸として今後も継続していきます」という山本代表の言葉に、「世界でサステイナブルという言葉が流行する前から、ロクシタンはサステイナブルだったんだと、改めて感じます」と、マリウス葉も頷いた。

自然の恵みあふれる香りで、ストレスフルな毎日に寄り添う。
ロクシタンの哲学が、実際の製品を通して、人々に広く浸透していること。それこそが長年愛され続ける理由のひとつだろう。特に評価が高いのは、植物そのものを閉じ込めたような、心地よい香りである。
「刺激や情報量が多い現代社会で生活していると、気分の切り替えがなかなか難しい。そんな時に、香りの力を借りることはよくあります。ロクシタンの製品でいうと、気分を落ち着けたいときに“ラヴァンド”(=ラベンダー)の香りで脳をリセットしたり。僕は毎朝ジャーナリング(頭に浮かんだことを書き留め、気持ちや思考と向き合う手法)する習慣があるんですが、そのときは“ヴェルヴェーヌ”(=ヴァーベナ)を使います。レモンのようにフレッシュな香りで、本当に自然のままというか……」(マリウス)

「おっしゃる通り、人工的な香りではなく、そのままなんです。ラヴァンドは、ちょうど先週オート・プロヴァンスに出張したのですが、ラベンダー畑から漂ってくるような香りですね。リラックスできるので、皆さんの前で緊張しないよう、今日の朝つけてきました(笑)」(山本社長)
「自然の香りだから、重ねても喧嘩しない。レイヤー使いすることで、新しい発見があるのも素敵だと思います。心地よい香りであること以上に、太陽の光だったり、大地の香りだったり、そこに暮らしている人々の想いまで、香りの中に息づいていることが感じられますね」(マリウス)
マリウス葉の言葉通り、自然の恵みに真摯に向き合い、生産に関わる人と顧客を“人の温もり”でつなぎ、南仏の美学を体現したロクシタン。伝統を受け継ぎながら、次の50年に向けた、さらなる進化に期待したい。
ロクシタンジャポン カスタマーサービス
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- text: Namiko Uno