じめじめした季節には「微発泡ワイン」を! いま飲みたいチャコリ、ヴィーニョ・ヴェルデを柳忠之が解説。

FIGARO Wine Club

ブドウ品種の特徴がわかると、ワイン選びはグッと楽に! ワインジャーナリストが解説する連載「ワイン学習帖」。今回は湿気の多い季節にぐびぐびいきたい微発泡ワインを、柳忠之さんが解説。


Vol.27 チャコリ/ヴィーニョ・ヴェルデ

じめじめしたこの季節、飲みたくなるのが爽やかなスパークリングワイン。けれども、強い炭酸はどうも苦手……という人には、微発泡の白ワインがおすすめ。というわけで、2種類のワインを紹介しよう。

ひとつがスペイン北部、バスク地方のチャコリ。ワインは発酵後、炭酸ガスが抜け切らないうちに瓶詰めされる。ビルバオあたりのバルでは、高い位置からガラスのコップに勢いよくワインを注ぐパフォーマンス
「エスカンシア」が有名だ。

もうひとつはポルトガル北部、ミーニョ地方のヴィーニョ・ヴェルデ。直訳すると緑のワインだが、緑色ではない。この地方が緑豊かなことに加え、若々しいうちに飲むべきフレッシュな味わいであることに由来する。炭酸ガスは後から吹き込みしたものが大半を占める。

どちらもアルコール低めで酸味が生き生き。微かな炭酸ガスが食欲をかき立てる。

アストビザ
アラバコ・チャコリーナ・ピルピル

ASTOBIZA
ARABAKO
TXAKOLINA PIL-PIL

国・地域:スペイン バスク地方
アルコール度数:12.5%

爽やかなチャコリで乾杯!美食の街のスターター。750ml ¥3,630/いろはわいん(03-6459-4715)

チャコリには3つのD.O(. 原産地呼称)があり、これはやや内陸のアラバ県に属するD.O.チャコリ・デ・アラバ(アラバコ・チャコリーナ)のワイン。沿岸部よりも雨が少なめで、ボディにより厚みがある。品種はオンダラビ・スリ100%。青リンゴやハーブの爽やかな香り。口に含むと感じられる優しい泡と、シャープな酸が実にフレッシュ。いろいろなピンチョスとともに、食前にぐいぐい。クジラのラベルが笑える。

果 実 味 ●●〇〇〇
酸   味 ●●●●〇
ミネラル感 ●●●〇〇

カサ ダス ホルタス
ヴィーニョ ヴェルデ

CASA DAS HORTAS
VINHO VERDE

国・地域:ポルトガル ミーニョ地方
アルコール度数:10.5%

ポルトガルの固有品種を巧みにブレンド。750ml ¥1,870/アズマコーポレーション(03-5275-3333)

ヴィーニョ・ヴェルデには9 つのサブリージョンがあり、カサ ダスホルタスはバイアォンに属する。寒暖差のある内陸に位置し、品種ではアヴェッソの栽培に好適な土地だ。このワインはアヴェッソのほか、フェルナン・ピレス、ロウレロ、アリントをブレンドした典型的なフレッシュ系のヴィーニョ・ヴェルデ。アルコールは10.5%と低く、軽やかな飲み口。きんきんに冷やし、難しいことは考ず、ごくごくと飲みたい。

果 実 味 ●●●●〇
酸   味 ●●〇〇〇
ミネラル感 ●●〇〇〇

柳 忠之

ワインジャーナリスト

ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。以来フリーのワインジャーナリストとして、ワイン専門誌はもとより、数々のライフスタイル誌においてワイン関連記事を寄稿。日本ソムリエ協会発行の資格試験向け教本執筆者ながら、ソムリエ資格を有さず、業界のブラックジャックを自称する。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ、ボンタン騎士団名誉コマンドゥール。

*「フィガロジャポン」2026年8月号より抜粋