Paris City Guide - Eat Restaurant

パリの真ん中で話題! 新生「ストリート・バンコク」でタイの屋台料理を。

2026.05.27

Street Bangkok(ストリート・バンコク)? そのレストランなら知ってる!という人もいるだろう。でも、今年2月以前のストリート・バンコクはもやは過去のこと。というのも、かつてのストリート・バンコクは人気を得た後、タイ料理以外のストリートフードにもメニューを広げてアイデンティティを喪失し、経営不振に……。オープン当初のストリート・バンコクを気に入っていたセリーヌとビリーの二人組が新たなオーナーとなり、パリの7つの店を新生させるプロジェクトに乗り出したのだ。Bao Familiyを成功させた彼らがパリで展開する、アジア料理の新しい冒険である。

ストリート・バンコク。プラスチックの椅子がテラス席に屋台の雰囲気をもたらしている。photography: Alice Casenave

その手始めは、地下鉄4番線Etienne Marcelから徒歩2~3分の場所にある店。ファッショニスタにおなじみターコイズジュエリーのブティック「Harpo」のすぐ近くだ。ファニーが手がけた45席の店内のインテリアは現代のバンコクのイメージ。ストリートフードながら、タイの伝統織物イカットとしっかりしたクルミの木という組み合わせのオリジナルチェアでゆったりと落ち着いて食事ができる。店の奥には広いオープンキッチンが設けられ、時折フライパンから燃立つ炎に屋台気分が味わえるという仕組みである。

左:セリーヌとビリー。アジアの庶民の食事でパリっ子の舌を喜ばせている彼ら。このストリートバンコクの後は、Bao Family(包子家族)を近々サンジェルマンにも開く。 右:店内。インテリアはセリーヌが担当。photography: 左 Alice Casenave、右 Adrien Ozouf

開店するや大勢が集まる店となったのは、料理の美味しさと手頃な価格ゆえだろう。日本人にも馴染みの味のトムヤムクン(6ユーロ)、青パパイヤサラダ(6ユーロ)、グリーンカレー(12ユーロ~)、パッタイ(13ユーロ)などがアラカルト・メニューに並んでいる。人気のセットメニューはクラシック・チキン・コンボ(14ユーロ)。レモングラスにマリネした鶏肉をこんがり焼いたガイヤーンか、ココナッツミルクとカレーとレモングラスでマリネした鶏肉の串焼きか、フライドチキンの3つからひとつを選び、ジャスミンライスかもち米ライスかニンニクライス(+1ユーロ)の3つからひとつを選び、そしてマンゴサワーやサテーソースやホットスイートチリなど味わいも辛さの度合いも色々の7種のオリジナル・ソースからひとつを選ぶセットだ。

オープンキッチンの脇には、ソース・バーが設けられている。photography: Alice casenave
アラカルトより。左:前菜、スイートチリ・フライドチキン(9ユーロ)。パッタイはクラシックかチキン、そしてフライドチキンとのセットでも(18ユーロ)も。
14ユーロのクラシック・チキン・コンボ。鳥の調理法は3種あり、1つを選んでセットする。photography: 左 Alice Casenave、右 Carole Cheung
左:7種のソース。 右:アラカルトから、ビーフと幅広麺。photography: 左 Alice Casenave、右 Carole Cheung

セットメニューにしてもアラカルトにしても、ボリュームのある食事となるけれど、ストリート・バンコクこそ“スイーツは別腹”と言いたくなるお店である。ストリート・タイ・トースト(5ユーロ)、マンゴ・スティキー・ライス(7ユーロ)、それにココナッツ味のアイスクリームを添えたもの(8ユーロ)の3種とチョイスは少ないけれど、どれも後悔のない味! 東南アジアでおなじみの甘い香りの野草パンダンリーフ(タコノキ)のグリーンが鮮やかなデザートで、とりわけストリート・タイ・トーストはバターのコクとちょっぴり塩味の甘さがユニークだ。いまの季節、スイーツだけでなくドリンクのアイス・パンダン・ココナッツ(6.50ユーロ)でもパンダンの緑色が活躍している。

デザートを食べずにストリート・バンコクの食事は終わらない。ストリート・タイ・トースト and/ or マンゴ&スティッキーライスでタイ旅行の気分に浸る。photography: 左 Alice Casenave、右 Mariko Omura

ストリート・バンコクではテイクアウトも可能。店の外、入り口の右手にセルフオーダー用ターミナルが設置され、ここでテイクアウトのオーダーができる。料理を詰めた黄色い紙袋を抱えて出てゆく若者の姿も少なくない。なお、パリ市内の他の店は追って、徐々に新生してゆくそうだ。

左:テイクアウトはイエローペーパーバッグで。 右:イートインでもテイクアウトでも、ドリンクはタイビールのHot Aile!? photography: Alice Casenave
INFORMATION
Street Bangkok|ストリート・バンコク〈2区|サンティエ〉

住所:

112, rue St. Denis 75002 Paris

 営:

12:00~14:30、18:30~22:30(月~金)、12:00~23:00(土、日)

 休:

無休

大村 真理子

madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター

東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。2006年から「フィガロジャポン」パリ支局長を務めた後、フリーエディター活動を再開。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。