道具選びの参考に。有田千幸の暮らしに寄り添う収納設計。【料理家に学ぶキッチン整頓術】

Lifestyle

女性料理家の台所にお邪魔して、片付けしやすい収納のマイルールやこだわりの整頓術をリサーチ。愛用する調理道具から、それらを使った簡単美味な定番料理まで、参考になるティップスが満載!


case:02 有田千幸

本当に好きな道具を厳選したモダンなキッチン。

ダイニングテーブルを兼ねたアイランドキッチンは、建築家のアイデアにより設計したもの。

Chiyuki Arita
高校・大学時代をニュージーランド、社会人では客室乗務員として台湾に在住。帰国後、結婚・出産を経て子どもの食事について考えるなかで薬膳の道に導かれる。国際薬膳師、家庭薬膳アドバイザーとして、薬膳料理教室「光と風が通る家」主宰。@chiyuki_arita_official

国際薬膳師の有田千幸は、数年前に購入した3LDKのマンションを、LDKと幅6・4メートルの大容量クローゼットがメインの間取りに大胆リノベーション。収納の一部のパントリーに、冷蔵庫まで格納することで、家電が目に入らないモダンなキッチンダイニングが生まれた。

光と風がふんだんに注ぐ角部屋だから、それを遮る棚は置きたくない。重宝しているのが、引き出し&シェルフの機能を併せ持つボビーワゴンだ。調理中、頻繁に使う菜箸や木べら、塩、コショウなどを天面に、卸金や箸置きのように次に使用頻度の高い道具はワンプッシュで開閉するトレイにざくざく入れる。サイドのオープンシェルフには、瓶詰めの調味料。縁にはレードルをひっかける。キャスター付きなので、どこにでも動かして使える優れものだ。

イタリアのデザイン家具、ボビーワゴンに、道具や調味料を置いたり、入れたり、吊り下げたり、自由な発想で使いこなしている。

背中側の棚はたっぷり3段。椅子に座った時にちょうど視界に入る上段には、大小のガラス瓶に乾物や穀類、薬膳漬けを詰めて、残量をわかりやすくディスプレイ。中段は、鍋やボウルなど。下段は液体調味料や粉類の定位置だ。お気に入りのカゴに収めて、掃除もしやすい。

鍋やボウルは数を厳選しつつ同じシリーズや色で揃えているため、重ねた時の見栄えもきれい。

「仕切りがなくすべてが目に入る間取りなので、整頓には気を使います。便利な道具の情報には事欠かないですが、上質な素材で作られたものや複数の使い方を持つ道具を厳選して、ものを増やさず、常に片付いているようにするのが理想です」

Amazonで購入した包丁さしは、通気のいい窓があって清潔な点がお気に入り。
シンク下の見えないところに設置したワイヤーが、しまわずに乾燥させたいものの置き場所として重宝。水切りカゴやまな板、洗ったジッパーバッグもよく乾く。
シンクの下にはフライパンを。

一器多用でお得感もある彼女の道具選びは、料理教室の生徒にも好評だそう。

欠かせない私の七つ道具。

主婦目線で選んだアイデア満載の便利ツール。

  • トウジキトンヤの伊賀焼行平鍋|
    小さな土鍋は、見た目に可愛いうえに片手で持ちさっと洗えるところがいい。卵色の肌に色が滲みないよう仕事の合間に食す1人分の白粥か、湯沸かしに用途を限定しているが、日々よく使う。(W18×D23×H14cm)¥7,040/トウジキトンヤ

  • 山本忠正のれんげ|
    伊賀の陶芸家・山本忠正によるれんげは、食物が口内につるんと吸い込まれる感覚の絶妙なカーブと、細身で優しい口当たりが特徴。繊細なので扱う所作も美しくなるのがうれしいそう。(W15.5×D3.2cm)各¥2,288/ともにギャラリーやまほん

  • ののじの穴明きオタモ|
    約10cm幅と面が広いため、水餃子や麺類をお湯から一気に掬い上げ、適度に水切りもできる「本当に優れたお玉なんです」と有田絶賛の道具。目詰まりしにくいデザインで洗い物も楽ちんなのもいい。(W31.5×D10.2cm)¥2,200/ののじ

  • ワンズナイフ|
    プロユースの中華包丁と一般的な牛刀の間をいく便利な包丁。角に丸みのあるデザインが取り回しやすく、カボチャなど硬い食材も、トマトのようなみずみずしい野菜もスパッと切れる。千切りも問題なし。(W28.2×H6cm)¥15,400/北陸アルミニウム

  • 照宝の桧せいろ|
    せいろは使用後しっかり乾かすことがマストなので、置き場所と相談して21cmのものを2段購入することに決めたそう。少し値は張るが丈夫で長く使える桧製がおすすめ。せいろ(φ21×H5cm)各¥9,700、蓋(φ21×H4.5cm)¥10,800/以上照宝

  • 竹虎の鬼おろし|
    粗くおろせるので根菜の細胞が潰れず栄養価も食感も保てる鬼おろし。有田のシグネチャーメニューとして料理教室でも大人気の薬膳キャロットケーキのニンジンは、これでおろして食感の楽しさを残すそう。(W30×D8.5×H3cm)¥2,420/竹虎

  • さささの和晒ロール|
    ミシン目付きで簡単に切り取れるロールタイプの晒し布。野菜の水切りやせいろの敷布、コーヒーフィルターに使った後には、台拭きとして何度も洗って再利用する。和晒しロールカット付き縦型専用スタンド(W10×D10×H41cm)¥8,250/さささ

01 / 07

簡単定番菜

押し麦と餅米入りの白粥。伊賀焼行平鍋で600mlの水を火にかける。沸騰したら酒大さじ1、うるち米55g、餅米5g、押し麦小さじ1を投入。再度沸騰したら蓋をして弱火にし、焦げないよう小まめにかき混ぜながら30分ほど炊く。米の芯がなくなりとろみがついたら完成。押し麦の食感がいい。薬膳の考え方では、穀類で気を補い、香りの高いもので気を巡らす。ミカンの皮を乾燥させた陳皮や佃煮、ジャスミンティーとともにいただくのがおすすめ。

問い合わせ先

ギャラリーやまほん http://gallery-yamahon.com/
さささ 072-271-0504
照宝 https://shouhounet.jp/
竹虎 https://www.taketora.co.jp/
トウジキトンヤ https://tojikitonya.com/
ののじ https://nonoji.jp/
北陸アルミニウム [email protected]

  • photography: Aya Kawachi
  • editing: Saiko Ena

*「フィガロジャポン」2026年3月号より抜粋