愛に溢れる絵画とデッサン。オルセー美術館でふたつの『ルノワール展』。
1986年に開館したオルセー美術館が40周年の記念展に選んだ印象派の画家は、オーギュスト・ルノワール(1841~1919年)。彼のキャリアの初期である1865年から1885年の20年間に制作した色彩と喜びにあふれる絵画を集めて、『Renoir et l’amour(ルノワールと愛情)』と題した展覧会を7月19日まで開催中だ。


60点近く展示されている絵画は、肖像画や風景画ではなく当時の人々の日常生活の情景である。彼は喜びに溢れるシーンを好んで描き、作品の中で大勢が生き生きとした表情を見せている。マネやモネたちと共に、ボードレールが呼ぶところの“近代生活の画家”の一人であるルノワール。タイトルにある愛は、友情であり、男女間であり、また家族の愛でもある。それらはボヘミアンな暮らし、自由なカップル、屋外のパーティ、街の出会い、田舎の遊び……と、その時代を物語るテーマの中に見出せる。これまでとは異なる視点で、ルノワールの作品を集めた展覧会だ。代表作のひとつでオルセー美術館が所蔵する傑作『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』はもちろんだがストックホルム国立美術館の『La Grenouillère(ラ・グルヌイエール)』(1869年)、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの『Les parapluies(雨傘)』(1881年)、ロサンゼルスのポール・ゲティ美術館の『La promenade(散歩)』(1870年)、さらにワシントンのフィリップス・コレクションの『Le déjeuner des canotiers(舟遊びをする人々の昼食)』(1880~81年)など世界各地からの作品の愛がこのテーマのもと一堂に会し、ルノワール再発見の貴重な機会となっている。





もうひとつの会場で開催されている『Renoir dessinateur(ドローイング画家ルノワール)』は、タイトルの通りルノワールのデッサン展である。100点近い展示の中には初公開の作品も少なくない。こちらも併せて鑑賞を。


『Renoir et l’amour』展
開催中~7月19日
『Renoir dessinnateur』展
開催中~7月5日
Musée d’Orsay
Esplanade Valéry Giscard d’Estang
75007 Paris
https://www.musee-orsay.fr/fr
@museeorsay
★Google Map